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2025.10.19

登場! フェラーリの新型車「849テスタロッサ」は、どんなマシンなのか!?

テスタッロサと聞くとうずうずする方、多いでしょう。この2025年9月に発表された「849テスタロッサ」は、往年のモデルとちょっと違います。「SF90ストラダーレ」の後継で、V8プラグインハイブリッドをパワーアップし性能を向上させたモデル。その全貌はいかに?

BY :

文/小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/Ferrari 編集/高橋 大(Web LEON)

テスタロッサの70周年を記念したモデル

プロダクトマーケティングディレクターを務めるマルコ・スペソット氏(左)とフェラーリ・ジャパンのドナート・ロマニエッロ代表取締役社長。
▲ プロダクトマーケティングディレクターを務めるマルコ・スペソット氏(左)とフェラーリ・ジャパンのドナート・ロマニエッロ代表取締役社長。
スポーツカー好きのオヤジさん垂涎の、フェラーリの新型車が2025年9月に発表されました。その名も「849テスタロッサ」であります。

え、テスタロッサといえば、あの80年代のおどろくほど斬新なデザインだった、あの12気筒モデル? と、思うオヤジさんもいるかもしれません。

今回の849テスタロッサは、これまでの「SF90ストラダーレ」の後継モデル。12気筒ならぬV8プラグインハイブリッド搭載です。ただしよりパワーが上がって、走りの性能も向上したことがうたわれています。

「849とは”8気筒”と1気筒あたり”0.49リッター”の排気量をもつことから名付けました」

ミラノで初お目見えし、間髪入れずに、というかんじで、速攻東京でも発表会が行われた849テスタロッサ。

発表会のために来日した、本社でプロダクトマーケティングディレクターを務めるマルコ・スペソット氏は、車名の由来を説明してくれました。
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キャビン背後に搭載されたエンジンのヘッドは赤く、まさにテスタロッサ(赤いヘッド)。
▲ キャビン背後に搭載されたエンジンのヘッドは赤く、まさにテスタロッサ(赤いヘッド)。
「テスタロッサは……たしかにあのエポックメイキングなモデルも意識しましたが、さらにさかのぼって1955年、フェラーリのエンジニアがテスタロッサを”生み出した”時から70周年を記念したものです」

テスタロッサってどんな意味って、ジローさんに訊ねるとすぐ教えてくれるでしょうが、英語だとレッドヘッド。ヘッドってエンジンのシリンダーヘッドのことであります。

なんでも1955年、フェラーリの誰かが、車体用の赤い塗料が余っていたので、こうしたらカッコいいんじゃないかって、シリンダーヘッドを赤く塗ってみたんだとか。

はたしてそれが”いいねー”とフェラーリの社内外で評判を呼び、「500TR」(56年)とか「250TR」(57年)といった戦闘力の高いマシンの車名にまで使われることになったというわけですな。

そんな思いを胸に(推測)フェラーリの開発陣が送りだしたのが、今回の849テスタロッサ。
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テスタロッサですぐ思い浮かぶのが1984年に登場してセンセーションを巻き起こしたこのモデル。
▲ テスタロッサですぐ思い浮かぶのが1984年に登場してセンセーションを巻き起こしたこのモデル。
リヤから見ると、キャビン背後に搭載されたV8の赤いヘッドがちゃんと見えます。エンジンが外から見えるなんて、うれしくなるようなデザインです。

V8ツインターボ+プラグインハイブリッドシステムと4輪駆動(フロントは電気モーターで駆動)のドライブトレインは、SF90ストラダーレから継承。

徹底的に手を入れて、最高出力は50CV(馬力)アップの830CVに。システム最高出力は1050CVと超ド級。

足まわりやブレーキや出力を最適制御するシステムを導入。プレス向け資料によると「フェラーリのラインナップで最も先進的な電子制御を誇る」んだそうです。

デザイン的には、適度に歴史的引用を採用しています。

目をひくのは、「ツインテール」とフェラーリが呼ぶリヤ。1970年のレーシングモデル「512S」からインスパイアされたデザイン、と前出のスペソット氏は言います。
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1980年代のフェラーリを思わせるフォルムを採用

量産モデルでトップクラスの性能を誇るいっぽう快適性も高そうな車内空間。
▲ 量産モデルでトップクラスの性能を誇るいっぽう快適性も高そうな車内空間。
フロントは「1980年代のフェラーリを思わせるフォルム」とフェラーリ自身が説明しています。

私にはむしろ70年代の「365GTB/4」をはじめ、「365GT4/BB」とか「365GT4 2+2」などが連想されます。どれも、今でも人気の高いデザインですな。

コクピットは、いろいろな仕様が選べるのが特徴です。ほとんどフルオーダーの世界。

サーキットをたのしみたいオヤジさんにはカーボンファイバーのフルバケットシートがいいし、週末は彼女と遠出というなら、クッションの効いた快適なシートを、というぐあい。
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ツインテールがデザインの特徴(もちろんスポイラー本来の機能を果たすそうです) 。
▲ ツインテールがデザインの特徴(もちろんスポイラー本来の機能を果たすそうです) 。
先に登場した「アマルフィ」では、物理的なスイッチが復活したのが話題になりました。849テスタロッサも同様です。

「タッチパッドは多彩な機能を盛り込めますが、やっぱり物理的なスイッチのほうが落ち着く、というユーザーの声に耳を傾けた結果です」とはスペソット氏の弁。

「欧州での販売開始が26年第2四半期で、日本には27年から入ってくる予定です」

フェラーリジャパンのドナート・ロマニェッロ社長は、期待をもたせるように、そう教えてくれました。
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走行中に車両の挙動をリアルタイムで再現するデジタルツインを生成し、すばやいシャシーコントロールを行う統合システム「FIVE(Ferrari Integrated Vehicle Estimator)」搭載。。
▲ 走行中に車両の挙動をリアルタイムで再現するデジタルツインを生成し、すばやいシャシーコントロールを行う統合システム「FIVE(Ferrari Integrated Vehicle Estimator)」搭載。。
車体同色のチンスポイラーが迫力をつけ加えているフロントビュー 。
▲ 車体同色のチンスポイラーが迫力をつけ加えているフロントビュー 。
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高出力のパワーユニットが押し込んであるイメージのボリュウム感あるリアセクションが特徴的 。
▲ 高出力のパワーユニットが押し込んであるイメージのボリュウム感あるリアセクションが特徴的 。
4718mmの全長はSF90ストラダーレとほぼ同じ。
▲ 4718mmの全長はSF90ストラダーレとほぼ同じ。
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2本のテールカッターが迫力を感じさせるリアビュー。
▲ 2本のテールカッターが迫力を感じさせるリアビュー。
静止から時速100kmまでの加速はわずか2.3秒。
▲ 静止から時速100kmまでの加速はわずか2.3秒。
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イタリアでの現地価格は46万ユーロからという。
▲ イタリアでの現地価格は46万ユーロからという。

■ Ferrari 849 Testarossa

全長×全幅×全高/4718×2304×1225mm
車重/1570kg
ホイールベース/2650mm
3990ccV型8気筒+電気モーター(プラグインハイブリッド)
駆動用バッテリー容量/7.45kWh
エンジン最高出力/610kW
エンジン最大トルク/842Nm
8段デュアルクラッチ変速機
全輪駆動(前輪はモーター駆動)
最高速/330kph
0-100kph加速/2.3秒
乗車定員/2名
価格/未公表

フェラーリ・ジャパン
HP/https://www.ferrari.com/ja-JP/auto

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小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
クルマ雑誌、グルメ雑誌の編集長を経て、フリーランスのライフスタイルジャーナリストとして活躍中。新車の試乗記などクルマ関連を中心に、グルメ、ファッション(ときどき)、他分野のプロダクト、人物インタビューなどさまざまなジャンルの記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。

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