2025.08.27
【試乗リポート】真夏にフェラーリで雪上を大爆走!?
フェラーリで雪上を走る!? オーナーの方々でもなかなかその経験を持つ人は少ないでしょう。そんな特別な体験をできるイベントがニュージーランドで行われ、世界中の超富裕層フェラーリオーナーが集結しました。その模様をジャーナリスト小川フミオがリポートします。
- CREDIT :
写真/Ferrari SpA 編集/高橋 大(Web LEON)
世界中のフェラーリオーナーが集う、超ラグジュアリーな体験!

そんなオヤジさんに朗報です。
フェラーリのスポーツカーでも、雪道を通ってリゾートへ行けそうです。
それは、フェラーリ「12(ドディチ)チリンドリ」。12気筒をフロントに搭載した後輪駆動のGTです。
2025年8月初頭、真冬のニュージーランドでの雪上ドライブを体験してきました。
ちょっと驚く内容でしたよ。実によく走るんです。
そう言うフェラーリにとって、フロントエンジンで後輪駆動のGTは、看板車種といえるもの。
12気筒のGTに乗っているオヤジさんを見ると、本当の贅沢をしてるなと思います。

12チリンドリは、「356GTB/4」(1968年)の要素を、特にフロントノーズに取り込んだとか。
たしかに、そういうところに、世のフェラーリ好きは惹かれるんですな。
12チリンドリは、とはいっても、中身は最新です。
乗ったのは、ニュージーランド南島クイーンズタウン郊外。山の上の「サザンヘミスフィア・プルービンググラウンド」で、です。
雪上で大パワーのフェラーリを繰る愉悦の時

フェラーリの場合、「エスペリエンツァ・フェラーリ・オンアイス」と題されたイベントで、クライアントも訪れていました。
フェラーリのコレクターや、フェラーリでレースを楽しんでいる人が、アジアパシフィック諸国から参加しました。
参加資格は、フェラーリのオーナーや、各地のディーラーからお誘いを受けること。フェラーリ車の性能ぶりを体験させようというイベントです。
今回は雪上でしたが、風光明媚な一般路を長距離走るとか、サーキット走行とか、内容は多岐にわたります。
今回は、チャリティオークションで参加権利を獲得したなんて人もいました。いずれにしても、かなりの富裕層。
参加者はフェラーリが大好きで、2台3台所有は当たり前。
「十数台だけど、正確な数は、もはやおぼえていません」とか「三十数台」などと言う、イベント参加者もいました。

ポールのまわりをリアを滑らせながら回る定常円旋回、2本のポールを使っての8の字旋回、並べられたポールの間を縫って走るスラローム……。
常にESC(横滑り防止機構)はオフで、ギアはマニュアルモードで1速のまま。
大トルクが出るので、ステアリングホイールを軽く切って、次の瞬間にアクセルペダルをポンッと踏むと、豪快にリアが張り出します。
姿勢安定性は12チリンドリでは重要な課題のようです。
滑り出しても、少しアクセルペダルをゆるめると、瞬間的に姿勢は安定。
もちろん、強く踏み続けると、スピンモードですが、それでも車両がラインを大きく外れません。

不動産業を営んでいるマレーシアのオヤジさんは、そう言ってうれしそうに笑っていました。
ほぼ一日がかりの「エスペリエンツァ・フェラーリ・オンアイス」。収穫は大であります。
オヤジさんも次回をお見逃しなく、と言いたいイベントです。
◾️ Ferrari 12 Cilindri Spider
全長×全幅×全高:4733×2176×1292mm
ホイールベース:2700mm
6496cc V型12気筒(NA)後輪駆動
最高出力:610kW@9250rpm
最大トルク:678Nm@7250rpm
乗車定員:2名
燃費:15.9L@100km(WLTP)
価格: 6241万円~
■ フェラーリ・ジャパン
HP/https://www.ferrari.com/ja-JP
