2025.05.28
【試乗リポート】ドイツプレミアムに迫れるか!? マツダの3列シートSUV、CX−80の実力やいかに
マツダの新世代ラージ商品群の国内第2弾であり、フラッグシップモデルである3列シートSUVのCX-80に試乗。縦置き直6エンジン+FRプラットフォームという優れた基本骨格をもとにドイツプレミアムブランドを目指したその走りの実力やいかに。

ラージ商品群の最大の特徴は、縦置きエンジン+後輪駆動プラットフォームを採用すること。FF全盛の時代にわざわざコストのかさむFR用プラットフォームを新規開発して、直6エンジンを搭載するというのだから相当な気合の入れようがうかがえる。仮想敵はドイツのプレミアムブランドというわけだ。

そして直6エンジンは振動が少ないという特性から“完全バランス”とも評される。BMWは昔からこうしたFR+直6エンジンを組み合わせたクルマづくりを得意としており、そのスムーズな直6エンジンは、マニアのあいだでは絹のようななめらかさになぞらえ“シルキーシックス”と呼ばれたりする。
閑話休題。現在、マツダのラージ商品群は、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90の4車種が展開されている。CX-70とCX-90は北米をはじめ海外向けで国内販売はされていない。個人的にはCX-70は日本でも売れそうだと思うが、それはさておき。

3mを超えるホイールベースで、ゆとりの3列シートを実現
トランスミッションは全グレードに新開発の8速ATを組み合わせる。トルクコンバーターレスとし、かわりに湿式多板クラッチを採用することで、ダイレクトでリズミカルな変速を実現するものだ。
今回の試乗車は、マイルドハイブリッド仕様の「XDハイブリッド」だった。ボディサイズは全長4990mm、全幅1890mm、全高1710mmと日本車としては大きな部類に入る。ホイールベースも3120mmと3m超で、これによって3列目まで大人が使えるシートを実現している。


“人馬一体”を追求するマツダのこだわり満載


新開発の8速ATはシフトショックもなくスムーズに変速していく。少し気になったのが音楽をかけていれば聞こえないが、ときおりトランスミッションの変速音のようなものが聞こえてくる点。また乗り心地はわりとかためなセッティングで荒れた路面では少し目線の揺れを感じることも。一方で大きな体躯ながらもスポーティなドライビングを得意としており、安定してコーナーを曲がることができる。

一方で国内販売はいまいちふるっていない。2024年暦年の販売台数は14万1946台と前年比で20.2%ものマイナスである。こんなときこそ内需喚起が必要だろう。考えてもみれば、CX-80の価格は、もっとも廉価な2WDのディーゼルモデルなら394万3500円からとなんと400万円ぎりである。
もっとも高価なPHEVの最上級グレードでも712万2500円であり、同じ車格のドイツプレミアムに比べれば、はっきり言って大バーゲンプライスである。マツダファンはもとより、食わず嫌いの人も一考の余地はあると思うのだ。


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