2025.05.18
【試乗リポート】ヒョンデ「インスター」は日本のEV市場の黒船になるか!?
韓国の現代自動車(ヒョンデ)のBEV(電気自動車)第4弾がコンパクトSUVの「インスター」。そのユニークなデザインに目を奪われがちだが、装備内容、走行性能、そして価格といずれも日本のメーカーにとって脅威となる驚きの出来栄えだった。
サイズ、性能、価格のバランスがピカイチ! 日本のメーカーにとっては脅威⁉

そしてこの「インスター」は現ラインアップにおいて最小コンパクトという位置づけのモデル。ベースは韓国の軽自動車規格に準拠した小型車キャスパーで、そのBEV版にあたる。本国での車名はキャスパーエレクトリック、日本や欧州ではインスターとなっている。

シートベンチレーションまで! 上位モデルに匹敵する充実装備
大きく張り出した前後のフェンダーがボディデザインに抑揚を与えており、また後席のドアハンドルをウインドウ部に収め、そこにフロントマスクのようなアイコンをあしらうなど遊び心も効いている。




最上位グレードの「Lounge」には、シートヒーターだけでなくシートベンチレーションまでも標準装備するなどクラスを超えた充実ぶり。さらに前席だけでなく後席用にもType-CのUSBポートが備わる。ちなみに車内外で電気機器を使用できる「V2L(Vehicle to Load)」機能は、エントリーモデルを含め全車に標準装備だ。


また最新のADAS(先進運転支援システム)も標準装備。高速道路で前方車両との車間距離を維持する高速道路ドライビングアシスト(HDA)をはじめ、前進、後退時などにペダルの踏み間違いによる急加速を抑制する、ペダル踏み間違いセーフティアシスト(PMSA)をヒョンデとして初採用する。
最上位グレードの「Lounge」でもほぼ300万円
ホイールベースの短いコンパクトサイズゆえ乗り心地にはそれほど期待していなかったが、フロアの強化や厚いドアガラスを採用するなど音、振動対策が施されており、クラスを超えた快適性を実現している。
そしてスペックは取り立ててすごいわけではないが、加速性能も不足はない。アクセルペダルに力を込めればBEVらしくスムーズにスピードがのる。また、回生ブレーキの強度は4段階もしくは自動モードの中から選択可能だ。自動モードでは先行車やナビの情報をもとに自動的に回生ブレーキのレベルを調整し、停止まで行ってくれる。

ヒョンデによると日本の一般道の8割以上は1970年以前に整備されたもので、当時は登録車の99%が5ナンバーだったという。それがいまでは5ナンバーはわずかに3割。要は道は広くなっていないのに、街を走るクルマだけがどんどん大きくなっているということだ。
