2018.06.21

ハイテクが導く未来の機械式腕時計とは?

機械式時計というと昔から変わらぬ技術で作られているように思われがちですが、いまでは最新鋭のエンジニアリングが駆使され、技術者に物理や数学のエキスパートが就くことも珍しくありません。そこから新たな魅力ある時計の未来が広がります。

CREDIT :

写真/小林孝至(イタルスタジオ) 取材・文/柴田 充

2018年7月号より
これからの高級時計の潮流を見るにあたり、LEONでは2種類の要素の座標軸(「クラシック」&「モダン」の横軸と「スポーツ」&「ドレス」の縦軸)を交差させた座標チャートを設定しました。

この対角線上に位置するカテゴリーが、「スポーツ×モダン」と「ドレス×クラシック」。まずは「スポーツ×モダン」から見ていきましょう。このカテゴリーのキーワードとなるのが“ハイテク”です。いまや時計作りにおいて、先進技術は欠かせません。かつては時計師の熟練技術に委ねられた部分も、CADによる構造解析・設計デザインから、製造工程での高度なロボット導入などFA化(生産工程の自動化)が進んでいます。さらには、素材における技術革新が進化を後押し。それは機械式時計=手作りという従来のイメージを超えて人間の自由な発想と結びつくことで、より独創的な機構やデザインを実現し、時計の可能性を広ていくのです。

Category 01 「スポーツ × モダン」

◆ ハリー・ウィンストン 

15年目を迎え、さらに斬新な機構とデザインへ

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「プロジェクト Z12」自動巻き、ザリウム™ケース(42.2㎜)、カーフスキン×ラバーストラップ。10気圧防水。世界限定300本。10月発売予定。285万円(予価)/ハリー・ウィンストン(ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション)
特殊合金ザリウム™を用いたプロジェクト Zシリーズの第12弾は、文字盤を上下二分割し、時分をそれぞれレトログラード針で表示したもの。従来のオフセンターダイヤルに対し、同心円状のデザインを新たに採用し、外周にはカレンダーを装備。ブルーとレッドのコントラストも新鮮です。
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◆ ゼニス 

美と精緻が融合したモダンなコンプリケーション

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「デファイ ゼロG」手巻き、Tiケース(44㎜)×ブレスレット。10気圧防水。7月発売予定。1080万円(予価)/ゼニス
脱進機と調速機を常に水平位置に保つ、マリンクロノメーターから着想を得た独自のジャイロスコープモデュールをダウンサイジングし、表裏のサファイアクリスタルの凹凸をなくしました。

◆ メカニケ・ヴェローチ 

ミラノ発の新鋭からスケルトンが登場

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「クアトロヴァルヴォレ トゥールビヨン」自動巻き、18KPGケース(49㎜)、アリゲーターストラップ。今冬発売予定。1100万円(予価)/メカニケ・ヴェローチ(ビックグローブ)
4バルブエンジンのピストンを思わせる、ブランドのアイコンモデルが進化を遂げました。スケルトン化された文字盤に、インダイヤルのひとつにはトゥールビヨンキャリッジを備えます。共同開発がオーパス14も手がけたテロス・ウォッチとくれば、その完成度も納得です。
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◆ ウブロ 

カラーリングの領域に先端素材を使用

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「ビッグ・バン ウニコ レッドマジック」自動巻き、レッドセラミックケース(45㎜)、ラバーストラップ。10気圧防水。世界限定500本。9月発売予定。278万円(予価)/ウブロ 
素材研究の先駆者であるウブロは、セラミックでは難しい鮮やかなレッドを従来の顔料燃焼ではなく、加圧と加熱焼結によって実現しました。

◆ エドックス 

アイコンモデルがビビットに変身

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「クロノオフショア1カーボンクロノグラフ」自動巻き、カーボンファイバーケース(45㎜)、ラバーストラップ。500m防水。9月発売予定。各45万円(予価)/エドックス(GMインターナショナル)
人気のアイコンモデルにブランド初のカーボンケースとカーボンベゼルを採用したモデルが登場。ビビッドなカラーリングに加え、インデックスもこれまでのバーからドットに一新し、さらにスポーティな雰囲気に仕上がっています。

■ お問い合わせ

ウブロ 03-3263-9566
GMインターナショナル 03-5828-9080
ゼニス 03-5524-6420
ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション 0120-346-376
ビックグローブ 03-3401-8006

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