2018.04.06
【バーゼル速報04】
業界が注視! 変貌を遂げる、新生ブライトリング
世界最大規模の時計見本市が、スイスのバーゼルで行われる「バーゼルワールド」。著名な時計ブランドが多数出店するなかで、静かで熱い地殻変動がおこっている模様。そんななかから、LEON.JPが注目する時計ブランドの最新作と、目が離せないブランドの動向をご紹介します。会場でもっとも注目を集めた、ブライトリングです。
- CREDIT :
写真/小林孝至 取材・文/福田 豊
◆ ブライトリング
今年のバーゼルワールドで、もっとも注目を集めたワケは?
2017年のバーゼルワールド終了直後の4月に、イギリス投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズがブライトリングを買収。経営体制を刷新する、という衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。
さらに、IWCのCEOを15年間務め、IWCの世界的地位を確立した名将ジョージ・カーン氏が、新生ブライトリングのCEOに就任するという、これまた衝撃的なニュースが世界を駆け抜けたのです。
また、今回の「S.I.H.H.」終了直後に、新体制下のもと、上海ほか数ヶ国で第1弾コレクションの発表を予定するなど、新生ブライトリングの“予告”がアナウンスされたのです。そのため新生ブライトリングの正式なキックオフとなる今回のバーゼルワールドに、世界中のジャーナリストや関係者の耳目が集まったというわけなのです。
かつてIWCでコレクションを一新するなど大鉈を振るったカーン氏が、今度はブライトリングで大変革をするのではないかと懸案するブライトリングファンなど、多くの時計好きが固唾を呑んで見守ったのです。
結果をいうと、ブライトリングはまったく変わらず、しかし大きく変わってもいました。
“腕に着ける計器”を標榜するブライトリングのアイコンであり、航空用クロノグラフの歴史的傑作である「ナビタイマー」や「クロノマット」は、これまでどおりに継続。その上でさらなるヘリテージの発掘と積極的な活用により、陸・海・空の全コレクションが確立します。
中国ではブライトリングが得意とするクロノグラフは他国ほどの人気がなく、簡潔な3針が好まれるのだそう。というのは、高級時計を購入する層は”まだ1本目”というユーザーが大半なようで、そのためクロノグラフのような複雑機構ではなく、簡潔な3針が好まれるとのこと。同時にこれまで注力の度合いが低かったレディスの強化も、今秋頃から行われるそう。
また、「ミレニアル世代にきちんと訴求しなければ、10年後はない」という判断から、新アンバサダーとして、ブラッド・ピット、シャーリーズ・セロン、アダム・ドライバー、ダニエル・ウーを起用。
実は、ブライトリングは1965年に映画『007 サンダーボール作戦』の劇中でジェームズ・ボンドこと、ショーン・コネリーにクロノグラフを着用させるなどメディア露出をいち早く行ったブランドでもあるのです。4名の映画スターの起用も、そうしたブライトリングのヘリテージのなかからカーン氏が見つけた“伝統”といえるのでしょう。
大きく変貌していく新生ブライトリングの動向から、ますます目が離せません。
バーゼルワールドとは?
「BASELWORLD」=「バーゼルワールド」は、毎春先にスイスのバーゼルで開催される、世界最大級の時計宝飾見本市。そもそもはスイスの主要産業である工業製品を国内外に披露する「スイス工業展」が起源で、昨年100周年を迎えました。
そんな長い歴史と伝統から、市民にとっては“年に一度の祭事”のようになっており、チケットを買えば誰でも入場できる、まさにお祭りのような明るくオープンな雰囲気が特徴。週末には、友だち同士や、カップル、ベビーカーを押した家族、老夫婦、犬連れの方など、さまざまな来場者が皆うれしそうに時計を眺めている姿を見ることができます。
■ お問い合わせ
ブライトリング・ジャパン 03-3436-0011