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2018.04.03

【バーゼル速報01】

価値が下がらない!? 新作ノーチラスに見る、パテック フィリップの戦略

世界最大規模の時計見本市が、スイスのバーゼルで行われる「バーゼルワールド」。著名な時計ブランドが多数出店するなかで、静かな地殻変動が確実におこっている模様。そんななから、LEON.JPが注目する時計ブランドの最新作と今後目が離せないブランドの動向をご紹介します。まず第1日目は、“永遠の価値”を謳うパテック フィリップです。

CREDIT :

写真/小林孝至 取材・文/福田 豊

バーゼルワールドとは?

「BASELWORLD」=「バーゼルワールド」は、毎春先にスイスのバーゼルで開催される、世界最大級の時計宝飾見本市。そもそもはスイスの主要産業である工業製品を国内外に披露する「スイス工業展」が起源で、昨年100周年を迎えました。

そんな長い歴史と伝統から、市民にとっては“年に一度の祭事”のようになっており、チケットを買えば誰でも入場できる、まさにお祭りのような明るくオープンな雰囲気が特徴。週末には、友だち同士や、カップル、ベビーカーを押した家族、老夫婦、犬連れの方など、さまざまな来場者が皆うれしそうに時計を眺めている姿を見ることができます。
世界中のジャーナリストから一般の方までを出迎える、壮大なエントランス。
世界中のジャーナリストから一般の方までを出迎える、壮大なエントランス。
ブランドごとに、テーマやラグジュアリーを演出したブースになっています。
ブランドごとに、テーマやラグジュアリーを演出したブースになっています。
ブース先で出迎えてくれるのは、煌びやかな女性たち。
ブース先で出迎えてくれるのは、煌びやかな女性たち。
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いまが過渡期!? 巨人バーゼルワールドの実情

今年のバーゼルワールドは出展ブランドが大幅に減少し、開催期間も、これまでの8日から6日へと短縮されました。

実は、こうした縮小化の流れは昨年から始まっており、これは事務局の意向に依るものだそう。関係者曰く「量より質を優先」「コンセプトに合わない出展者の追い出し」のために出展費用を大きく値上げし、それにより昨年は参加ブランドが13.33%減の1300社に。そして今年はさらに650社にまで絞り込まれました。

ただし、そうした事務局の意図とは裏腹に、出展ブランドからの“離脱”が起きているのも事実。昨年はユリス・ナルダンが、今年はエルメスとドゥ・ベトゥーンがS.I.H.H.(※1)へ移籍。さらに、ブライトリングは来年、「S.I.H.H.であるかは未定だが、ジュネーブで開催する」と表明するなど、既に数社がジュネーブへの転向を検討中。某老舗ブランドが「ジュネーブに行くのでは?」という噂も、まことしやかに囁かれています。

その背景には、より早く1月に開催されるジュネーブのほうが「バイヤーの財布が厚い」とする考えもあり、とするとバーゼルワールドの開催期間の変更も「ありえるのでは」とする向きもあるようです。

ということで、さまざまな意味で過渡期にあるバーゼルワールドですが、しかし依然として「世界最大級」の時計の祭典であるのは揺るぎのないところ。

パテック フィリップやロレックスの両巨頭をはじめ、スウォッチ グループ、LVMHグループなどのビッグネームがずらりと揃うのはやはり圧巻で、今年も見応えのある新作が多数登場。

そんな魅力的な最新モデルをご紹介します。

※1 「S.I.H.H.」

「S.I.H.H.」(ジュネーブサロン)とは、スイス・ジュネーブで開催される高級時計の見本市。バーゼルワールドの喧噪を嫌い「よりラグジュアリーなフェア」を目指したブランドが集まり、1992年からスタート。こちらは、招待客のみが参加できるエクスクルーシブなサロン形式が特徴。

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ーチラス 5740/1G-001 自動巻き、18KWGケース&ブレスレット(40mm)、6気圧防水。1297万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)
「ノーチラス 5740/1」自動巻き、18KWGケース&ブレスレット(40mm)、6気圧防水。1297万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)

◆ パテック フィリップ 

自社のクラシックを徹底追求し、“一生もの”を具現化

おそらく「一生もの」時計と聞いたときに、多少でも時計に造詣のあるかたが思い浮かべるのは、パテック フィリップではないでしょうか。

実際、パテック フィリップは「自社のものであれば、どんなに古いモデルでも必ず修理する」と公言しているほど。広告でも「世代を超えて」「父から子へ、世代から世代へ」と謳い、さらには「あなたはパテック フィリップを、ただ次世代にと受け渡すだけ。決して所有することはできないのです」とまで言っています。パテック フィリップは「一生もの」どころか、まさに孫子の代まで愛用することのできる、永遠の価値をもつ時計なのです。

また、パテック フィリップが永遠とされるのは、ラインナップの多くが自身のクラシックモデルをベースにした普遍的なデザインであることが大きいのです。デザインも時代に色褪せることなく、世代を超えて愛用することができる、そんな永遠の価値をもつ時計なのです。

今年はそんなクラシックモデルのひとつであるラグジュアリースポーツの名作「ノーチラス」に初の永久カレンダー搭載モデルが登場しました。同じくラグジュアリースポーツの名作「アクアノート」にも初のクロノグラフ搭載の新モデルが登場。

そのほか、薄型ドレスウォッチ「ゴールデン・エリプス」の誕生50周年を記念したモデルや、月・日・曜日の3つの表示窓を扇状に並べた年次カレンダーの新作など、どれもが一目でパテック フィリップであることのわかる魅力的な新作が多数。改めてパテック フィリップにはアイコニックなモデルが数多くあることに気づき、深い感銘を受けました。

そして取材途中の段階ではあったのですが、他誌の編集者や時計ジャーナリストにヒアリングしたところ、今年の「バーゼルワールド」でのお気に入りを「ノーチラスの永久カレンダー」とする方がかなりの数でした。確かに、永久カレンダーは「ノーチラス」のファンには待ち望まれた機構であり、永久カレンダーで最薄というのも特筆点。ステンレスが基本の「ノーチラス」をホワイトゴールドにしているところも洒脱で、このモデルはジュネーブも合わせた「今年のNo.1」になる可能性はかなり高いかもしれません。
5270P-001 手巻き、プラチナケース(41mm)、アリゲーターストラップ、3気圧防水。2038万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)
「5270P」手巻き、プラチナケース(41mm)、アリゲーターストラップ、3気圧防水。2038万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)
ただし、パテック フィリップは常に時計界のトレンドとは一線を画す、というのも大きなポイント。トレンド=流行と無縁だからこそ、世代を超えて愛用することができる、永遠の価値をもつのですから。

ですから「ノーチラス」の永久カレンダーは、たとえ今年の人気No.1モデルになったとしても、そこに今年の時計界の潮流や傾向を見つけることはできないのです。そして、このような孤高の立ち位置もまた、パテック フィリップならではの大きな魅力となっています。ほかのブランドにはない、世代を超えて愛用することのできる、永遠の価値が存在するのです。

■ お問い合わせ

パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109

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