大人の心をときめかせる珠玉の腕時計たち
お気に入りの腕時計を身に付けていると、時間を確認するたびに気分がハッピーになる。つまり、自分の「いい時間」を作ってくれるアイテムでもあるのです。
機械式時計は、正しく使えば生涯付き合っていけるもの。機械であり、装身具であり、しかも一生使える、なんてものは腕時計の他にはそうは見つからない。だからこそ、お気に入りの時計を見つけると、毎日がより豊かになるのです。
スケルトンへの工夫が、腕時計をより楽しく変えた
現在では、我々一般人もムーブメントを眺められるようになりましたが、かつては隠すのが当然の部分でした。最初に起きた変化は、1990年代のこと。機械式時計がブームになった結果、貴金属やステンレスで作られていた裏蓋がシースルーになり、ムーブメントは時計師だけのものではなくなったのです。
大きな変化が起きたのは2000年代。文字盤もスケルトンにすることで、裏返さずともムーブメントが見られるようになりました。そして、2010年以降の大きな潮流として各メーカーが力を入れてきたのは、スケルトン文字盤にさらにユニークな動きをもたせた機械式時計です。
◆ ゼニス
スケルトン化が加速させた、見て楽しむ時計
超ハイスピードを実現できたのは、クロノグラフと時計のそれぞれに、別の動力源を与えたため。1/100秒を計測するための設計は、このモデルに類を見ないユニークな見た目をもたらしました。本作は、その個性的なレイアウトを強調したもの。
クロノグラフを作動させると、秒針は10秒で1回転するだけでなく、クロノグラフ用の心臓部であるテンプも超高速で動き出します。単なるスケルトンではなく、動きも楽しめる本作は、今を代表する見てときめく時計です。
◆ ウブロ
これぞ、次世代スケルトンウォッチ
対して、ここ10年間で発表されたいわゆる“モダンスケルトンウォッチ”は、スケルトン専用の設計をもつため、以前に比べて「ヌケ感」が大きく増しました。その代表例が、ウブロのビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック オレンジサファイアです。
本作の強いヌケ感の理由は、ムーブメントの要素を可能な限りコンパクトにまとめ、さらにムーブメント自体にもサファイアを多用しているから。例えば、針を合わせるための歯車をあえて小さなものだけで構成することで、普通のスケルトンでは埋まってしまう9時位置にも、大きな余白を作り出しています。
また、オレンジの人工サファイアクリスタル製ケースでも時計全体のヌケ感を強調しています。最近は余白の多いスケルトンウォッチが増えていますが、これは別格中の別格。歯車の動きを、これほどはっきり見られる機械式時計は、おそらくこれ以外になさそうです。
◆ ブレゲ
古典機にはいぶし銀の味わいがある
しかも、現在ある多くのトゥールビヨンは、本作を参考に生まれたものなのです。いわば、腕時計トゥールビヨンの祖とも言える3357。長く支持されるのも、時計を見れば納得できるはず。
文字盤の上面を覆うのは、昔の手法であるギヨシェ彫り。さながらアンティークのような趣は、職人が手作業で彫り込んでいるからこそ。ハイテクで武装する現在の「ブレゲ」にあって、本作は19世紀のトゥールビヨンのような雰囲気を今に残しています。
正直、価格は安くありませんが、これだけの手間がかかっていると考えれば、むしろリーズナブル。お酒を飲みつつ、楽しむには最高の一本です。
◆ オリス
手の届く価格帯にも傑作あり
アンダー100万円という価格もあって仕上げは控えめですが、それ故に、ムーブメントの持つ機能美が強調されています。また、1つのゼンマイだけで約10日間のパワーリザーブを与える香箱も同様にスケルトン化され、リュウズを巻く度に、ゼンマイが縮んでいく様が分かるのもおもしろい。
直径は44mmとやや大きいものの、チタン製のため装着感も抜群。シチュエーションを問わず、メカの面白さを楽しめるのです。
■ お問い合わせ
ウブロ 03-5635-7055
オリス ジャパン 03-6260-6876
コマ 03-6383-5585
ゼニス 03-3575-5861
ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211