• TOP
  • WATCHES
  • ドレスウォッチってどんな時計? その歴史や基本スタイル、時計としての魅力を解説

2025.08.02

ドレスウォッチってどんな時計? その歴史や基本スタイル、時計としての魅力を解説

大人なら1本は持っておきたい「ドレスウォッチ」。でも、一体ドレスウォッチとはどんな時計なのか。その条件や歴史を解説します。

BY :

文/渋谷ヤスヒト
CREDIT :

編集/岸澤美希(Web LEON)

ドレスウォッチとは本来、正装用の腕時計

ヴァシュロン・コンスタンタンを代表するドレスウォッチのコレクションが「パトリモニー」。1950年代に着想を得た薄型ケースとミニマルな美観が特徴。「パトリモニー・マニュアルワインディング」自動巻き、18KWGケース(39mm)、レザーストラップ。387万2000円/ヴァシュロン・コンスタンタン
▲ ヴァシュロン・コンスタンタンを代表するドレスウォッチのコレクションが「パトリモニー」。1950年代に着想を得た薄型ケースとミニマルな美観が特徴。「パトリモニー・マニュアルワインディング」自動巻き、18KWGケース(39mm)、レザーストラップ。387万2000円/ヴァシュロン・コンスタンタン
「ドレスウォッチ」は“タキシードウォッチ”とも呼ばれるように、燕尾服やタキシードなどフォーマルスーツを着るときに付ける腕時計のこと。

シンプルなデザインと機能、そして、ドレスシャツの袖口からのチラリと見える薄型ケースが特徴で、大人の男性ならぜひ1本は手元に備えておきたいものです。
PAGE 2
その起源は1930年代から40年代に遡ります。

それ以前は、“紳士の時計”といえば「ポケットウォッチ(懐中時計)」でした。スーツのベストやスラックスのウォッチポケットに入れて持ち運んだのです。

ただ、18世紀から20世紀初頭のポケットウォッチ時代にも、ドレスウォッチ── シンプルな機能とデザインで、しかも超薄型ケースのポケットウォッチ── は存在していました。

このように、フォーマルウエアを着用する際には、その上品さを損なわない時計が求められ続けてきたのです。
PAGE 3

“超薄型”は、時計愛好家も注目する大切なポイント

ドレスウォッチも得意とするブレゲの3針モデル。文字盤は、高い技術が必要とされる「グラン・フー」エナメル製。極薄自動巻ムーブメントを搭載し、ケース厚はわずか6.5mmと実に繊細な仕上がりだ。「クラシック 7147」自動巻き、18KWGケース(40mm)、アリゲーターストラップ。393万8000円/ブレゲ(ブレゲ ブティック 銀座)
▲ ドレスウォッチも得意とするブレゲの3針モデル。文字盤は、高い技術が必要とされる「グラン・フー」エナメル製。極薄自動巻ムーブメントを搭載し、ケース厚はわずか6.5mmと実に繊細な仕上がりだ。「クラシック 7147」自動巻き、18KWGケース(40mm)、アリゲーターストラップ。393万8000円/ブレゲ(ブレゲ ブティック 銀座)
腕時計になっても、ドレスウォッチの基本的なコンセプトやデザインは変わりません。超薄型でゴールドなどプレミアムな素材のケースに、特別な超薄型の機械式ムーブメントを搭載しています。

実は、コアな時計愛好家にとって、ドレスウォッチに搭載される超薄型ムーブメントは、何よりも見逃せない情熱と関心の対象でもあります。

部品点数は少ないけれど、薄型にするために歯車の厚みは1mm以下になります。そんな極薄の歯車を噛み合わせてきちんと動すことは、究極の時計技術のひとつだと言えるのです。

作るのがとにかく難しいため、超薄型ムーブメントを開発・製造できる時計ブランドはごくわずか。名だたるマニュファクチュール・ブランドでも、この超薄型ムーブメントだけは他社から供給してもらったりします。
PAGE 4

シンプルウォッチの究極形

ドレスウォッチはシンプルだからこそ、その仕上げが重要。ブレゲが得意とするギョシェ装飾は、手作業で施されている。「クラシック 5157」自動巻き、18KRGケース(38mm)、アリゲーターストラップ。343万2000円/ブレゲ(ブレゲ ブティック 銀座)
▲ ドレスウォッチはシンプルだからこそ、その仕上げが重要。ブレゲが得意とするギョシェ装飾は、手作業で施されている。「クラシック 5157」自動巻き、18KRGケース(38mm)、アリゲーターストラップ。343万2000円/ブレゲ(ブレゲ ブティック 銀座)
ドレスウォッチは、袖口からチラリと、さり気なく時刻を読み取る。そんな使い方をする腕時計です。

文字盤もインデックスも針もこれ以上ないほどシンプルで控え目なのは、目立たぬことを美徳とするドレスの思想に基づくため。

ただ、シンプルなデザインほど、造りの良さが問われますし、視認性も大事です。だから、ディテールも一般的な腕時計よりもずっとずっと繊細な造りになっています。

つまり、ドレスウォッチとはあらゆる意味で、ケースの大きさと厚さで存在感を主張する“デカ厚”系のスポーツウォッチとは対極にある存在。さまざまな時計を楽しんできた時計愛好家が最後にたどり着く“究極の腕時計”とも言われています。
PAGE 5

ドレスウォッチのディテールとは?

薄型ドレスウォッチといえば、A.ランゲ&ゾーネの「サクソニア・フラッハ」も見逃せない。こちらの文字盤は、シルバーの地板にダークブルーのゴールドストーン層を重ね、星空のような美しさ。ドレスウォッチでさりげない差別化を狙うならぜひ。「サクソニア・フラッハ」手巻き、18KWG(39mm)、アリゲーターストラップ。価格用問い合わせ/A.ランゲ&ゾーネ
▲ 薄型ドレスウォッチといえば、A.ランゲ&ゾーネの「サクソニア・フラッハ」も見逃せない。こちらの文字盤は、シルバーの地板にダークブルーのゴールドストーン層を重ね、星空のような美しさ。ドレスウォッチでさりげない差別化を狙うならぜひ。「サクソニア・フラッハ」手巻き、18KWG(39mm)、アリゲーターストラップ。価格用問い合わせ/A.ランゲ&ゾーネ
最後に、ドレスウォッチのディテールを具体的に4点挙げておきましょう。

(1)丸形あるいは角形のケースでサイズは直径35mm前後。ドレスシャツの袖口に引っかかることがないよう、に、ケース厚は10mm以下。

(2)ストラップは“革のダイヤモンド”とも呼ばれる薄いクロコダイルレザーが基本。

(3)文字盤はシンプルなバーインデックスかローマ数字インデックス、あるいは小さくて目立たないドットインデックスで、針もシンプルなバトン針やリーフ針。

(4)搭載ムーブメントは、超薄型の手巻き、あるいは自動巻き。
PAGE 6
こうした条件を満たしているのが、正真正銘のドレスウォッチと言えます。

正装用に生まれた腕時計ですから、フォーマルやスーツの装いに完璧にフィットしますが、せっかく手に入れたなら、それだけじゃもったいない。

ニットやTシャツなどカジュアルスタイルを品よく格上げするために使ったり、いつものスポーツウォッチにはない軽やかな付け心地で気分を変えたり……。そんな使い方もオススメです。
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ 

ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755
A. ランゲ&ゾーネ 0120-23-1845
ブレゲ ブティック 銀座 03-6254-7211

コチラの記事もオススメ!! 

PAGE 7

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        ドレスウォッチってどんな時計? その歴史や基本スタイル、時計としての魅力を解説 | メンズウォッチ(腕時計) | LEON レオン オフィシャルWebサイト