2025.07.19
“神の手を持つ時計師”のパーペチュアルカレンダーはクワイエット・ラグジュアリーな逸品です!
腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回、時計&モノジャーナリスト/編集者の渋谷ヤスヒトさんは「パルミジャーニ・フルリエ」の『トリック パーペチュアルカレンダー』を選びました! パーペチュアルカレンダーとは思えないシンプルなデザインで、今年いちばん注目されている複雑時計のひとつです。
BY :
- 文/渋谷ヤスヒト
- CREDIT :
編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:時計&モノジャーナリスト/編集者 渋谷ヤスヒト
“神の手を持つ時計師”によるミニマルなパーペチュアルカレンダー


彼が自身のブランドを創業したのは、高級時計ブームが始まった1996年。今回紹介するトリックはその創業時からのコレクションです。
なお、翌1997年のS.I.H.H.で筆者はパルミジャーニ氏の工房を日本で初めて取材して記事を書く幸運に恵まれた意味でも思い入れのあるブランドです。
「ミニマリズムを極めたパーペチュアルカレンダー」(渋谷)

ところが、“通好み=理解されにくい”というのは、残念ながらどんな世界でもあること。
古典時計修復のスゴ技などその背景やデザインコードがわからない人には、その魅力はちょっとわかりにくい。製品としては素晴らしいのに、その良さが理解されない、という残念な状況が続いていました。
もともとシンプルなスタイルを、シグネチャーアイコンであるローレット加工など、創業以来のこだわりのディテールを継承しながら、時計愛好家垂涎の至高のメカニズムをそのままに、よりミニマムにシンプルに磨き上げたのでした。
2つのインダイヤルに、それぞれ長さの違う2つの針を使ってカレンダー情報を表示。パッと見、とてもパーペチュアルカレンダーモデルには見えません。
このモデルの中にはミッシェル・パルミジャーニ氏とグイド・テレーニ氏、つまり、技術とプロダクトマネジメントでスイス時計界を代表するふたりの魅力が結晶しているのです。いやぁ、これには一本取られた!どころじゃない。降参です!


● 渋谷ヤスヒト(しぶや・やすひと)
時計&モノジャーナリスト・編集者。中堅出版社で文芸編集者、モノ雑誌編集者となり、1990年代から時計取材を開始して気がつくと30年超え。時計専門誌やウエブマガジンに、時計を中心にあらゆるモノについて、また現場インタビューを展開中。
■ お問い合わせ
パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com