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2020.07.19

世界三大ラグスポ時計ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」のルーツは…

2016年に第三世代へと進化したヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ」。1996年の登場から進化を続けるロングセラーモデルの歴史に迫ります。

CREDIT :

写真/蜂谷哲実(hachiya studio) 文/鈴木裕之

なぜ、"ラグジュアリースポーツ"が高級時計の定番となったか

近年の高級時計市場で一大ブームとなっている“スポーティウォッチ”。まるでSUVのようなオールマイティな性格とスタイリングの美しさによって、1本で何でもこなせる万能時計として人気を誇っています。そのルーツにある1ランク上の存在が、今や定番となった“ラグジュアリースポーツウォッチ(通称、ラグスポ時計)”。

その御三家と呼ばれるのが、約半世紀のロングセラーを誇るオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」パテック・フィリップ「ノーチラス」、ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」。

今回は、御三家の中で最もドラスティックな変化を繰り返してきた、ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」の歴史を振り返ります。
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創業222年を記念したモデルが原点

▲1977年に登場した「222」のオリジナル。
1972年に登場したオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」から始まったラグスポ時計の一大ブーム。その最後のフォロワーとなったのが、77年に登場したヴァシュロン・コンスタンタンの「222」でした。社内での開発コードがそのままモデル名となっているのは、このモデルが創業222周年記念として企画されたから。

先行したロイヤル オークや、パテック フィリップの「ノーチラス」が、主にイタリア市場からの強いリクエストから生まれたのと異なり、222はシンガポールを中心としたアジア市場からの要望が強かったといいます。

もうひとつ「222」で決定的に違うのはデザイナーです。当時のヴァシュロン・コンスタンタンは、このデザインを新進気鋭のヨルグ・イゼックに託しました。大先輩のジェラルド・ジェンタが2ピースケースを上下ネジ留めする手法を好んだのに対し、イゼックはもっとシンプルな解決方法に辿り着きました。それはベゼル全体をねじ込み式とすること。

222のベゼル外周にある無数の窪みは、専用工具を引っかけるためのミゾでもあったのです。そして何より、イゼックがねじ込みベゼルという手法を採ったことで、222には「シンプルなラウンドフェイス」という最大の特徴が加わりました。
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先行したロイヤル オークやノーチラスが早い段階でコレクションを確立したのに対し、アニバーサリーモデルという出自を持つ「222」の命脈はそれほど長くは保ちませんでした。同社はハードブレスレットを搭載したモデルとして「333」や「フィディアス」をリリース。

そして1996年に、222の直接的な後継機となる「オーヴァーシーズ」を誕生させるのです。新たな命を吹き込まれたオーヴァーシーズのコンセプトは、その名が示すとおりの旅時計でした。つまりトラベルウォッチに最低限必要なタフネスさこそが、オーヴァーシーズのデザインをスポーティにしている所以なのです。
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進化を続け、オンオフともに"より使える"モデルへ

▲2016年に発表された第3世代のオーヴァーシーズの新色。発表時には衝撃的だった6葉のベゼルデザインもすっかり目に馴染んできた。インターチェンジャブル式のブレスレットをいち早く採用するなど、今日的なスポーツラグジュアリーの規範となったモデルだ。「オーヴァーシーズ・オートマティック」自動巻き、SSケース(41mm)×ブレスレット、15気圧防水。208万円/ヴァシュロン・コンスタンタン
歴代のオーヴァーシーズは、1996年の初作のみ外部デザイナーとしてティノ・モドーロらも参加しましたが、一貫して社内デザインチームによってコンセプトがまとめられて来ました。

2016年に第3世代へと進化した現行オーヴァーシーズは、スポーツウォッチらしいゴリゴリしたエッジ感を持っていた第2世代を、より現代的にソフィスティケートしたものだと彼らは語ります。同時にインターチェンジャブル式のブレスレットをスポーツラグジュアリーにいち早く採り入れるなど、時代を先取りする感性も優れていたのです。
▲SSケースのオーヴァーシーズには、剛性感と上質感を両立させたメタルブレスレットの他、ブラックカラーのアリゲーターストラップ、ラバーストラップが付属。別売のストラップと組み合わせることで、さらにカラーコーディネートの幅も拡がる。ブティックや一部正規取扱店等ではオーダーストラップも製作可能だ。
1990年代の第1世代から最新の第3世代まで、同じメンバーを数多く擁する社内デザインチームによって育て上げられてきたオーヴァーシーズ。表層的なデザインに大きな変化があったとしても、その本質は変わらない。スポーツラグジュアリー御三家の中でも、最も明確な「デザイン血統書」を持っているのは、ドラスティックな変化を繰り返してきたオーヴァーシーズなのかもしれません。
※掲載商品はすべて税抜き価格です

■ お問い合わせ

ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755

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