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2023.05.24

いま、なぜネイビー時計は人気があるのか!?

狂想曲ともいえるほど、空前の時計ブームが訪れている昨今。だからこそただ人気だから買うのではなく、時計の歴史を知り、その価値を理解することが大切です。ここではネイビー時計の歴史を紐解いていきます。

CREDIT :

写真/蜂谷哲実(hachiya studio) 文/篠田哲生 編集/津坂泰輔、市村広平(ともにLEON)

ダイバーズから進化したネイビーダイヤル

かつてはコンサバな印象があった高級時計ですが数年来、ファッション的に楽しむためのカラーダイヤルが人気を集めています。今年の新作時計の展示会「ウォッチズ&ワンダーズ」でも、グリーンやピンクなど、目を引きつけるカラーリングの時計が多く誕生。その元祖ともいうべき時計のカラーリングが「ネイビー」ではないでしょうか。

ネイビー時計の人気の理由

【01】 昔から存在する普遍的なカラー
【02】 フォーマル・カジュアルを問わない
【03】 どんな色の服とも相性抜群!

◆ オーデマ ピゲ

ネイビー×ラグスポの原点はこのモデル

『ロイヤル オーク オートマティック』自動巻き、SSケース(41㎜)×ブレスレット。50m防水。346万5000円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
▲ 1972年に誕生したラグスポの原点は、八角形ベゼルやケースのフォルム、エッジの磨きなどを今も丁寧に守り続けています。初代モデルにて採用していた深みのあるダイヤルカラー「ナイトブルー、クラウド50」カラーは、傑作の高級感を引き出しています。生産にとても手間がかかるため、入手は今も困難です。『ロイヤル オーク オートマティック』自動巻き、SSケース(41㎜)×ブレスレット。50m防水。346万5000円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
そもそも時計×ネイビーの組み合わせは、今に始まったものではなく、ダイバーズウォッチに多く見られるスタイルでした。ネイビーは言うまでもなく紺碧の海の色でもありますから、ダイバーズウォッチと相性が良かったのです。さらにネイビーはフォーマルでクラシカルな色でもあるため、ドレスウォッチに取り入れられることも増えました。

メンズファッションの定番色であり、ネイビースーツだけでなくグレースーツやサックスブルーのシャツとも好相性。場をわきまえたアンダーステイトメントな存在でありながら、ブラックやホワイトのような定番ダイヤルとは違った、さり気ない個性を表現できるとあって、これまた人気を博すのでした。
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ロイヤル オークから進化したネイビー×ラグスポ

そして今は、ラグスポ×ネイビーという組み合わせが大人気。そもそもラグスポの原点であるオーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」のファーストモデルは、「ナイトブルー、クラウド50」と呼ばれるダイヤルカラーを採用していました。この名前の由来は、黒の色素(NO.50)を数滴たらしてできた色からきています。この色の重厚感と高級感、そして色気がロイヤル オークのコンセプトに合っていたのです。とはいえ、当初はラグスポも白と黒が大半。それが男性ファッションのカジュアル化が進むことにより、ネイビーへの需要が高まってきたのでした。

最近では2022年のロイヤル オーク誕生50周年に合わせてナイトブルー、クラウド50のダイヤルが復活。グランドタペストリー装飾と組み合わせることで立体的かつ光沢感が加わり、ラグジュアリーさを引き出しています。

◆ ゼニス

技術面とデザイン面で歴史を継承しています

『デファイ スカイライン』自動巻き、SSケース(41㎜)×ブレスレット(ブルーのラバーストラップが付属)。10気圧防水。107万8000円/ゼニス
▲ 1960年代に発表した多面ベゼルモデル「DEFY」を継承したこちらのモデル。このネイビー系のダイヤルも初代から愛されてきたスタイルです。搭載ムーブメントは毎時36,000振動のハイビート仕様。スモールセコンドの秒針が10秒で1周する仕組みは、時計の性能を可視化させた自慢ポイントです。『デファイ スカイライン』自動巻き、SSケース(41㎜)×ブレスレット(ブルーのラバーストラップが付属)。10気圧防水。107万8000円/ゼニス
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◆ ブルガリ

美しいケースフォルムに古代ローマの美意識を宿す

『オクト ローマ クロノグラフ』自動巻き、SSケース(42㎜)×ブレスレット。100m防水。125万4000円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン)
▲ 古代ローマの建築物にも見られる豊かな歴史を象徴する八角形のモチーフをケースに取り入れ、自社製ムーブメントのクロノグラフを操作するためのプッシュボタンは、ケースサイドになじませるようにデザインしました。柔らかで優美なフォルムと洗練されたネイビーダイヤルのコンビネーションで、腕元に個性を作ります。『オクト ローマ クロノグラフ』自動巻き、SSケース(42㎜)×ブレスレット。100m防水。125万4000円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン)
また、他ブランドでもラグスポ×ネイビーは大人気。ゼニスの「デファイ スカイライン」は、星の彫刻とサンバースト仕上げを組み合わせており、“天頂に輝く星”を意味するブランド名「ゼニス」のブランドコンセプトを美しく表現しています。

ブルガリの「オクト ローマ クロノグラフ」は、ダイヤル面にはクル・ド・パリ装飾を取り入れ、インダイヤルにはサークル模様を施すことで、同じネイビーであっても光の反射によって色調を変化させています。そしてベル&ロスの「BR 05 ブルー スティール」は、機能的にデザインされたダイヤルにサンレイ仕上げを加えているので、光の加減によってネイビーの濃淡が美しく変化します。

かようにしてネイビーは、白と黒の一辺倒だったダイヤルの第三勢力としての地位を築き、ラグスポの分野において今では、第一勢力にもなる勢いなのです。
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◆ ベル&ロス

都会系ラグスポは洒脱な色が似合います

『BR 05 ブルー スティール』自動巻き、SSケース(40㎜)×ブレスレット。10気圧防水。66万5500円/ベル&ロス(ベル&ロス 銀座ブティック)
▲ 航空計器をイメージソースとするシリーズが、より都会的に進化しました。フラットなケースからブレスレットへと一体化するデザインや、斜面をポリッシュ仕上げして立体感を際立たせる手法は、まさにラグスポのスタイルを踏襲したもの。強靭ですがどこか洒脱な雰囲気があり、ネイビーダイヤルが似合います。『BR 05 ブルー スティール』自動巻き、SSケース(40㎜)×ブレスレット。10気圧防水。66万5500円/ベル&ロス(ベル&ロス 銀座ブティック)
ただし、それだけで飛びつくのは少々短絡的かと。高級機械式時計ブーム冷めやらぬいまだからこそ、投機的目的よりも、入手困難な稀少性よりも大切にしたい価値があります。それすなわち、時計とネイビーのロマンな歴史への理解。同じネイビーダイヤルでも、モノゴトの価値をしっかりとわかっているオヤジが付けると何かが違う……とは、こうした奥行きこそが成せる業なのではないかと思う次第であります。というわけで、オヤジは時計でもやっぱり「やったぜ! ネイビー」なのですよ。
2023年6月号より
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000
ゼニス 03-3575-5861
ブルガリ ジャパン 03-6362-0100
ベル&ロス 銀座ブティック 03-6264-3989

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