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2019.11.26

【クロノス日本版×LEON.JP編集長・対談】時計はメカか?オシャレか?

腕時計をスペック重視で選ぶ人もいれば、見た目重視で選ぶ人も。それは、時間を知る道具であると同時に、装身具である腕時計にとって、宿命なのかもしれません。では、いま腕時計を選ぶなら何が正解? LEON.JP編集長・石井 洋と、時計専門誌『クロノス日本版』編集長の広田雅将氏が対談しました。

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写真/石井 裕 文/安岡将文 

ラグジュアリー×ストリート然り、ボーダーレス化が顕著な昨今のファッションシーン。そんな中、時計選びにおいても変化が。ファッションとしての時計と、プロダクトとしての時計が隔絶されていた時代を経ていま、両者はかつてなく接近しているのだとか。

その関係性について、時計専門誌『クロノス日本版』編集長・広田雅将氏を迎え、LEON.JP編集長・石井 洋が本音で語り合いました。

ファッションとして時計を楽しむ文化は、イタリアが源流!

広田 石井さんがファッションと時計の関係性を意識するようになったのって、いつ頃からですか?

石井 90年代頃です。G-SHOCKが流行した時に、ファッションアイテムとして時計を意識し始めました。いわゆる高級時計においては、LEON編集部に所属してから。編集部に入って間もなく、ボーム&メルシェを購入したんです。

それを着けてイタリア出張に行った時、空港で職人に「ナイスウォッチ!」って声を掛けられたのですが、その時から時計を着こなしとして楽しむことの面白さを実感しました。イタリア人は、その辺りの感覚もやっぱり上手なんですよね。
広田 80年代以前の時計は、実用としての存在か、もしくは一部の時計オタクのアイテムでした。それが80年代の初め頃に起きたアンティークブームをきっかけに、機械式時計への関心が高まったのです。その時に、スイス時計業界では「デザインではイタリアに、技術では日本に認められたら誉れ」と言われ、イタリアはまさにファッションとして時計を楽しむ先駆者なんです。"ファッションとしての時計"という認識もその頃から広まりました。

石井 ファッションと時計がシンクロしはじめたのは、そんなに最近のことなんだ!

広田 1974年生まれの僕たちで、第2世代ってところですね。もちろん、それ以前にもファッションにおいて時計は重要なアイテムでしたが、より自由で幅広いファッションとのシンクロは、ごく最近なのです。

石井 ファッションを意識した付け方といえば、ジャンニ・アニェッリ氏はニットの袖の上から時計を付けていましたね。それを初めて見た時、すっごいカッコいいと思っちゃいました。
広田 その点、LEONはかなり早い段階からファッションと時計の新しい関係性を訴求していましたよね。

石井 そうですね。確かにプロダクトとしてだけでなく、スタイルとしての提案はどこよりも早くやったと思います。
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ファッション視点とオタク視点、実は結構共通点あり?

広田 石井さんが考える、ファッションと時計の理想的なバランスは?
石井 着こなしを加速させる、もしくはハズしになる。この2つが条件かな。例えばウブロは、編集長として公に立つ際、そのポジションに説得力を持たせてくれます。反対にティファニーは、名門時計ブランドを期待されるような時に、あえてジュエラーが作った時計というハズしになります。

あっ、あとモテるかどうかも大事(笑)。ティファニーのイーストウエストって、カウンターで女性が隣に座った状態だと、女性の側からの方が時間を確認しやすいんですよ。そこから「その時計、ティファニーなんですね!」っていう具合に会話が始まったりとか(笑)。そんな視点も、ファッションっぽくありません?
石井 洋が愛用する3本。それぞれキャラクターが違うので、シーンや着こなしに合わせてチョイスしている。
広田 確かに(笑)。いわゆる時計オタクの場合は、他人に見せる気がないですから。自分が愛でることができればそれでいいんです。「時計を見ながら、ひとり自宅で晩酌しちゃう」みたいなね。

ただ、トレンドを追うというのは、ファッション視点の人もオタク視点の人も共通はしていると思います。時計オタクの世界にも、流れはありますから。

石井 そうそう! 時計オタクな方と意見が一致する時って、結構あります。カッコイイと思う気持ちはどこかでシンクロするのかな。

僕としては、"時計オタク目線でどの時計がイケているか"は知っておきたいといつも思っています。僕も、選びに困った時は広田さんに相談したいですし。いきなりですけど、僕はどんな時計が似合うと思います?

広田 石井さんにはパテック フィリップのゴールデン・エリプスですね。それもゴールド×ブラックが一押し! フォーマルだけどユニークさも備えていて、イメージにぴったりです。

石井 なるほど(メモメモ)。ちなみに、広田さん自身が今気になるブランドは?

広田 グッチの時計はいいですね。すごくいい。時計のトレンドをきちんと理解している印象です。実は時計オタクたちからも、評価が高いんですよ。特にアンティークウォッチをモチーフにしたデザインに注目が集まっています。当時のままではなく、絶妙に今っぽさを融合させている点がニクい。

そういえば、名門時計ブランドの定番モデルも、実は時代に沿って微妙なチューニングをし続けているんですよ。

例を挙げるなら、オーデマ ピゲのロイヤル オーク。最近のモデルは以前に比べてベゼルが細くなり、スッキリとIQ高めな印象です。全体の印象はそのままに、細部を巧みにブラッシュアップしているんです。時代のトレンドをちゃんと捉えていることが、名作と呼ばれる所以なのかもしれませんね。
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結局、時計ってどう楽しむのが正解なのか?

石井 広田さんは、時計においてどんな選び方をしますか?

広田 加点方式と減点方式があると思いますが、僕は加点方式です。減点の方が失敗がなく安心できますが、それではやっぱりつまらない。自分自身にとって、良いな!とか好き!というところがたくさんある時計の方が、付けていて楽しいですよね。ファッションも一緒なんじゃないですか?
石井 はい。どの点においてもソツのないコンプリートファイターは確かに魅力的。でもその一方で、"良くないところはあるけど、ココは他の追随を許さないぐらい最高!"ってな個性がある時計に、やっぱり惹かれてしまいます。

広田 そうそう。それと重要なことが、もう一点。最近、弊誌でも推奨しているんですが、最終的には着け心地が一番大事かな、と。着けていて違和感を感じる時計は、結局着けなくなるんですよ。

そういった感覚は、ファッション視点で選ぶ人の方が上手な印象があります。元々ファッションが好きだと、時計もサイズ感や装着感に敏感になるのかもしれませんね。

石井 そうですね。とはいえ、広田さんみたいに時計の重心の位置まで鑑みる人は少ないとは思いますが(笑)。しかし、こうしてお話ししてみると、ファッション視点もオタク視点も、結構共通点がありますね。
広田 ファッションも時計も、今は全て出揃った時代。ラグジュアリーとストリートが近づいたように、垣根がなくなっていると思います。ファッションと時計は、史上最高に距離が近づいていると言っても良いと思いますよ。

石井 はい。ファッションのトレンドが一元化されない現在において、どんな着こなしをするかは自分次第。時計も同様に、自分のスタイルにハマるものを見つけ出すのが、イマドキな選択かもしれません。

広田 そして最後に。熱心な時計オタクがいる一方で、時計不要論がでてきているのも事実です。それに対する僕の考えは、"時計は、あったら生活がもっと楽しくなる存在"ということ。確かに、時計がなくても生きていけます。現代は時間を知ることも容易ですし。

でも、自分が生きる時間を確認するための道具にこだわるって、単純にカッコいいじゃないですか。好きじゃなければ着けなければいい、でも好きならこだわる方が楽しい。それは、ファッション視点でもオタク視点でも、変わらないと思います。

● 石井 洋(いしい・ひろし) 左
1974年生まれ。フリーランスのエディター・ライターとして多岐にわたり活躍した後、『LEON』に参画。2017年3月より同誌編集長に就任。2018年12月より、オフィシャルWebサイト『LEON.JP』編集長を兼任。モードからクラシコまで精通するファッション博愛主義者。週末は趣味のゴルフ、格闘技観戦にいそしむ45歳。

● 広田雅将(ひろた・まさゆき) 右
1974年生まれ、大阪出身。時計専門誌『クロノス日本版』編集長。サラリーマンを経て2004年からフリーのジャーナリストとして活躍し、2016年より現職。関連誌含め連載を多数抱える。また、一般・時計メーカー・販売店向けなど、幅広い層に対して講演も行う。
高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]

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