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2019.04.24

パテック フィリップが見せた、老舗の実力と時代の新風

世界の時計愛好家が注視するバーゼルワールド2019が、3月21日から26日にかけてスイス・バーゼルで開催されました。1世紀以上の歴史を誇る、世界最大級の国際時計見本市が今年は大激震。そんな中でも魅力が際立った10ブランドと新作を紹介します。

CREDIT :

文/柴田 充

過渡期にあるバーゼルワールド、リスタートの兆し

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世界最大級の国際時計見本市と称されたバーゼルワールドが今年ほど注目を集めた年はありませんでした。というのも昨年夏にスウォッチグループが出展中止を発表。ロレックスやパテックフィリップ、ショパールといった独立系ブランド、ウブロやブルガリ、タグ・ホイヤー、ゼニスなどを擁するLVMHグループと比肩するこの一大勢力が不在になったことでその存続さえも危ぶまれたのです。

いざ開催してみると、これまでスウォッチグループの各ブランドが占めたメイン会場の奥座敷には、ブライトリングが陣取ったものの、レストランやプレスルームになり、鳴りモノ入りのネットスタジオも閑古鳥。さらに空きスペースにはベンチが置かれるといった有り様でした。
結果、出展ブランドは520にとどまり、来場者は8万1200人で昨年に比べて22%減になったことが発表されました。バーゼルワールドはこのまま地盤沈下を続けるのか。

それでもいくつかの光明が見られたのも事実です。これまで出展を断られてきた中小ブランドに門戸が開かれ、さらに会場設営でも手厚いホスピタリティがあったと某ブランドトップは語りました。これまでのメジャーブランドに偏重した運営や豪華さを求めた会場設営など拡大志向を見直し、スイス時計の本質的な魅力や、豊かな多様性に触れる見本市本来の楽しさにこそ目を向けるべき時期が訪れたのです。
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◆ パテック フィリップ 

次世代に向けた、名門の新たな芽吹き

たとえバーゼルワールドが嵐のような状況にあっても、つねに大樹のように揺らがぬ存在であり続ける。それがパテック フィリップといえるでしょう。しかし、それはけっして不動ということではありません。時代の養分を吸収し、根を張り、幹を太くし、さらに枝を伸ばす。その強みは、時代が移り変わる時こそ本領を発揮し、新作はまさにそれを裏付けたのです。
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発表されたのは、メンズ10種とレディース5種という15モデル。いずれも伝統に現代性を吹き込み、タイムレスを再定義します。

とくに注目したのが、ウィークリー・カレンダーを搭載したカラトラバ5212Aです。一見するとクラシカルな5ハンズですが、ウィークリー・カレンダーは1年という長大な時間を指針で可視化し、時計の本質に迫ります。

その書体は手描き文字を転写印刷することで、クラフトマンシップと量産を結びつけ、さらにSSケースの採用によって昨今の新素材偏重に対するアンチテーゼと従来素材の可能性を示唆するのです。
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またノーチラスやアクアノートといった人気モデルは、時代感に満ちた新鮮なカラーリングを投入し、さらにファンを広げます。こうした新作からは次世代に向けたパテック フィリップの新たな芽吹きが確実に感じられたのです。
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クラフトマンシップ薫る革新カレンダー

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「カラトラバ・ウィークリー・カレンダー」自動巻き、SSケース(40mm)、カーフストラップ。365万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター) ※今秋発売予定
欧米では宗教祭事や社会慣習から広く使われているウィークリー・カレンダーを採用。通常の年52週に対し、数年毎の年53週にも対応し、さらに時間帯を気にせずカレンダー調整可能など現代的な実用性を追求しました。

また新開発の自動巻きキャリバーは、センターセコンドの振れをなくすアンチバックラッシュ歯車の導入やストップセコンド、巻き上げ機構の見直しなど、まさに次世代のスタンダードムーブメントの実力を備えます。

人気ラグスポに待望のブルー文字盤が登場

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「ノーチラス」自動巻き、SSケース(40.5mm)×ブレスレット、12気圧防水。501万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター) ※今秋発売予定
年次カレンダーは1996年にパテック フィリップが開発し特許を取得した機構であり、優れた実用性から多くのフォロワーが続きます。

この年次カレンダーとムーンフェイズがノーチラスに初めて採用されたのは2010年であり、9年目となる今年、初代オリジナルモデルと同色のブルー文字盤が満を持してレギュラーコレクションに登場しました。周縁へのブラック・グラデーションによる深みのある色彩は、アクティブな中にもシックなテイストを演出します。

ジャンボがさらにスタイリッシュになった!

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「アクアノート」自動巻き、18KWGケース(42.2mm)、コンポジットストラップ、12気圧防水。433万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター) ※今秋発売予定
アクアノート誕生20周年を迎えた2017年、シリーズ最大の42.2mm径ケースにWGを初採用した記念モデルが登場しました。この愛称“ジャンボ”に新色カーキグリーンの文字盤が追加。

ストラップと統一したカラーリングには、アドベンチャーテイストが漂い、アクアノートの世界観をさらに魅力的に演出します。さらに折り畳み式バックルは、独立した4つの止め金でより安全性を向上するなど細部も熟成を重ねました。

パテック フィリップの根底にあるのは、ブランドの価値を守り、育んでいく強い意志であり、それは相対比較ではなく、自らを超えていく絶対的な成長と革新に向けられます。それはスイス時計本来の姿なのです。
※掲載商品はすべて税抜き価格です

■ お問い合わせ 

パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109

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