2025.04.29

刺激と癒しで人を成長させる「メルボルン」への旅

かつて“世界でもっとも住みたい街”ランキングで7年連続1位を獲得していたメルボルンは、旅行者にとっても魅力的な街。ひとりで歩いて安心、どこを見ても新鮮なメルボルンの魅力を、心の癒しと知的刺激という2軸のバランスから切り取ります。

BY :

文・編集/秋山 都(編集者・ライター)
CREDIT :

取材協力/オーストラリア政府観光局、ビクトリア州政府観光局

「ぜったい失敗したくない」旅行者に推す街、メルボルン

「次の旅、どこへ行こうかな」と考える時、人はだいたいこんなことを願うのではないでしょうか。

1.直行便が飛んでいる都市(乗り継ぎは時間かかるからイヤ。大人は時間をお金で買うのです)
2.ごはんがおいしい(旅の楽しみはまず食、ですよね)
3.治安がよくて安全(これも言わずもがな)
4.アートやエンタメなどカルチャーを楽しめる(自分へのインプットも大切です)
5.英語が通じて人々がフレンドリー(旅先でのコミュニケーションも楽しみたい)

もちろん、20時間以上かけて飛んでいく地球の裏側や、ちょっと危険な香りのする街でのスリリングな旅の体験を否定するわけではありませんが、なかなか取れない休みをとって出かけるのですもの、ぜったい失敗したくない……と、そんなアナタにぜひおすすめしたい街、それがオーストラリアのメルボルンです。
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オーストラリア メルボルン
▲ メルボルン空港で友人を待っていた人。何故、力士コスプレなんでしょうか? とにかく歓迎の気持ちは伝わってきます。
メルボルンまではカンタス航空が毎日直行便を運航しており、およそ10時間程度のフライト。時差も1~2時間と少ないので、羽田空港を20時30分に発てば、翌朝8時前に到着します。「乗って、食事して、映画を2,3本見ながらうつらうつらしてたら、もう着いた」って感じ。到着日を有効に使えるのもありがたいですね。

筆者は7年前にも、「メルボルンカップ(南半球最大の競馬レース)」が行われていたメルボルンを訪れているのですが、その際はパレードのために道路は通行止めになるなど、街全体がお祭り騒ぎでした。メルボルンの華やかな表情を知ることはありがたいことですが、穏やかなメルボルンの日常も知りたい。そう考えて再訪したメルボルンは、心身の癒しと知的刺激をバランスよく与えてくれる街でした。ひとりで歩いて安心。目に見えるものすべてが新鮮。そう思える外国の街ってそうそう無いんですよね。
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癒し60%+刺激40%なホテル

「メルボルン・プレイス」

というわけで、今回のメルボルンは“心身の癒し”と“知的刺激”のバランスを軸にご紹介したいと思います。まずは旅の印象を大きく左右するホテルから。メルボルンには「グランド ハイアット」や「ザ・リッツ カールトン」などいわゆる最高級ホテルも多くありますが、今回推すのはインディペンデント系のスタイリッシュなホテル「メルボルン・プレイス」。
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昨年11月にオープンしたばかりという「メルボルン・プレイス」はオーストラリアの大地の色を思わせるテラコッタなどアーシーな色調とミッドセンチュリーなデザインテイストが落ち着いたマッチを見せる空間。1階にはポルトガルとスペインの海沿いの料理にインスパイアされたというレストラン「マルメロ」、ルーフトップにはテラスのあるバー「ミッド・エアー」があります。ともにかなりクオリティが高いので、フライトの疲れを残している初日にはぴったりかと。

癒し60%+刺激40%のバー

「ケアテイカーズ・コテージ」でカクテル

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旅の初日は疲れているものですが、どこか興奮を残していて、すぐには眠れないもの。そこで、「World’s 50 BEST BARS」にランクインしている人気のバー「ケアテイカーズ・コテージ」に出かけてみました。最近、この“50”に入っているバーは予約しないと入れない店が多いのですが、案の定、こちらも店の前に長蛇の列。ですが、気取らない、フレンドリーなサービスで「外で1杯飲んでったら?」とバーテンダーが勧めてくれたマティーニはとても美味しかった。今度はゆっくり腰を据えて飲みたい。

癒し50%+刺激50%のワイナリー

「モンタルト」でテイスティング&ランチ

オーストラリアにはいくつものワインの銘醸地がありますが、メルボルンのあるビクトリア州はオーストラリアでは珍しく州全域でブドウ栽培が可能な産地だそう。そのためオーストラリアで最も小さい州ながら、生産量は全土の25%を占めています。なかでも有名な産地はヤラバレーですが、もう1カ所、ワインの教則本などに出てくる高品質なワインの産地が「モーニントン半島(Mornington Peninsula)」。冷涼ながら日照条件に恵まれた気候と、石灰質の土壌というテロワールを生かして、主にシャルドネとピノ・ノワールが栽培されています。メルボルンからクルマで1時間くらいで行けるのも、旅行者にはうれしいポイント。
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モンタルト」は、創業1997年と比較的新しいワイナリーながら、多くのワインコンペティションでもアワードを受賞している実力派。広いワイナリーの中には彫刻などのアートピースが点在し、ピクニックを楽しめるスペースや、レストラン、カフェ、試飲・販売のためのセラードア、ファームを併設しています。私が訪れたのは平日のお昼どきでしたが、多くの人がメルボルンから訪れ、ゆっくりとランチとワインを楽しんでいました。いいなあ、こういうライフスタイル、憧れます。
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癒し90%+刺激10%の温泉

「ペニンシュラ・ホット・スプリングス」で入浴

モーニントン半島へ出かけたなら、ぜひ足を伸ばしてほしいのが「ペニンシュラ・ホット・スプリングス」。ホット・スプリング……つまり温泉⁉ 緑豊かな山を切り開いた土地に、多種多様な温泉やサウナなどの温浴施設がひしめく様子に、到着してすぐ気づきました。ここ、「アップルサイダービネガー」のロケ地だった! と。「アップルサイダービネガー」は実在のインフルエンサー、ベル・ギブソンの人生をドラマ化した6話限定のドラマシリーズ(Netflixで配信中)でして、ものすごく面白いのでぜひ見ていただきたいんですが、ドラマの中でキーとなる人物が入浴していたのが、まさにこちらの温泉でした。

予期せぬ聖地巡礼に興奮しましたが、東京ドーム約4個分という広大な敷地に70を超える入浴施設があると聞き、「どれから入る?」とさらに興奮。まさに温泉テーマパークの趣です。
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こちらは群馬の草津温泉に感動したオーストラリア人オーナーのチャールズ・デイヴィッドソンさんと日本人である妻のユキさんがふたりで創業した温泉施設なのだそう。「オーストラリアで日本の温泉を再現しよう」と、8年かけて地下637メートルに天然温泉を掘り当て、2005年に国内最大級の温泉施設としてオープンしました。

露天風呂はもちろんのこと、洞窟風呂や歩きながら足裏を刺激できる足つぼ風呂、ハイドロ風呂、スチームサウナ、ドライサウナ、360度の眺めが楽しめる眺望風呂まであり、半日いてもすべての風呂には入りきれません。こんなビッグな温泉、日本にもあれば楽しいのになぁ。

癒し80%+刺激20%の美食体験

「ルーン」の世界一クロワッサン

さて、メルボルンは美食都市として有名な街。今回もたくさんの美味をいただきましたが、これは日本ではなかなか食べられない、というものに焦点を絞ってご紹介しましょう。
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まず、「ルーン」のクロワッサン。「NYタイムス」で世界一と評されたこともあるクロワッサンは、毎朝お店に併設のベーカリーで焼きたてをいただけます。一見、大きくて食べきれないかも? と感じますが、外はサクサク、中はシットリで食感軽く、10分ほどでペロリ。バターの香りが濃厚で、心地よい余韻が口中に長く残ります。朝食代わりに「ハム&チーズ」をオーダーしましたが、あまりのおいしさに甘いタイプもお代わりしたかったくらい。1個800円~1000円以上と少々高価なのですが、生地を3日間かけて仕込むというのだから、その価値はあるかと。
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美食都市としても名高いメルボルンにはまだまだ他にも素晴らしいレストランがあります。たとえば「ファーマーズ・ドーターズ」は、メルボルンから南東へ車で2~3時間ほどのギプスランド産の食材にこだわるFarm to Tableなレストラン。ギプスランドは小規模ながら哲学をもって食材に向き合う生産者が多い酪農エリアで、ヨーグルト、チーズなどの乳製品のほか、野菜やフルーツも非常にクオリティが高いのだとか。気になるぞ、ギプスランド。
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オーストラリア メルボルン
▲  ギリシャ料理の老舗「Tsindos」にて、フェタチーズにオリーブや玉ねぎをのせた前菜。
他に前回来た際に美味しかったものもリピート。ギリシャやイタリアからの移民が多いメルボルンならではのギリシャ料理や、「サウスメルボルンマーケット」での新鮮なシーフードやスペシャリティコーヒーを楽しみました。
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オーストラリア メルボルン
▲ 朝水揚げした牡蠣をそのまま生で食べられる「サウスメルボルンマーケット」。有名なコフィン湾やタスマニア産の牡蠣にレモンや塩、お好みでタバスコをかけて。
メルボルンを旅していてすごいなと思うのは、ひとりで歩いていてもまったく不安に感じない治安の良さと、街のわかりやすさ。自分の生まれ育った街で休日を過ごすのと同じような安心感を持ちながら、新しいことを知り、味わい、楽しむ……適度な刺激と癒しで自分へのインプットができる街、それがメルボルンの魅力だと感じています。
オーストラリア メルボルン
▲ カフェカルチャーの発信地としても知られるメルボルン。有名カフェ「ST.ALi COFFEE」のフラットホワイトを空港で飲み、メルボルンに別れを告げました。
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クイーンズランド州政府観光局

■ お問い合わせ

オーストラリア政府観光局
HP/https://www.australia.com

ビクトリア州政府観光局
HP/https://jp.visitmelbourne.com

秋山 都(編集者・ライター)
東京生まれ。 富裕層向けライフスタイル誌「セブンシーズ」、「Harper’s BAZAAR日本版」、「東京カレンダー」誌で編集長を歴任。 アマゾン・ジャパンでファッション・エディトリアル・ディレクターを務めたのちに独立。「WebLEON」では食いしん坊担当として、食・酒・旅など人生の快楽的側面を追求しております。好物はハイボールとタルタルステーキ。趣味はハシゴ酒。

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