2018.11.27

南半球最大の競馬レース「メルボルンカップ」観戦記

国中が固唾を飲んで見守るという、オーストラリアでもっとも注目されている競馬「レクサス メルボルンカップ」は、単純に馬のレースというだけではなく、おしゃれをして出かける社交の場でもありました。競馬場で見つけたアレコレ、そしてメルボルンという街の魅力。

CREDIT :

文・写真/秋山 都 取材協力/オーストラリア政府観光局(www.australia.jp)、ビクトリア州政府観光局(jp.visitmelbourne.com)

LEON.JP食いしん坊担当、秋山 都です。
この原稿を書いている11月25日はG1レース「ジャパンカップ」が開催された日。アーモンドアイ(鞍上クリストフ・ルメール)がコースレコードを更新しつつ優勝しました。まだ3歳の、それも牝馬だというのにすごいですね。有馬記念にも出るのかな? 楽しみです。

というわけで、私、ウマが大好き。競馬を見るのも、自分で乗るのも好きですが、そんな私に「メルボルンカップ」を観戦しに行きませんか? というありがたいお誘いが! 「メルボルンカップ」といえば、南半球でもっとも歴史ある、そして最大の競馬の祭典ではありませんか。メインレースの前後1週間は「メルボルンカップ・カーニバル」としてメルボルン周辺は休日となるほど、いわば国をあげてヒートアップするビッグイベントです。
会場はメルボルン郊外にあるフレミントン競馬場。この「メルボルンカップ」で4つのレースを擁し、30万人以上を動員します。
会場はメルボルン郊外にあるフレミントン競馬場。この「メルボルンカップ・カーニバル」で4つのG1レースを擁し、30万人以上を動員します。
「メルボルンカップ・カーニバル」のメインイベントである「レクサス・メルボルンカップ」は 芝3200mの長距離レース。賞金総額は730万豪ドル(約6億円!)と、ハンディキャップ競馬としても、長距離レースとしても世界最高水準の金額です。ただ、このイベントの面白さはシンプルな馬のレースにとどまりません。たとえばレースの前日には出走馬の調教師や騎手が目抜き通りをパレードし、レース当日にはサム・スミスなど世界的スターのライブも行われる、もはやこれはとエンターテインメントと社交の一大祭典なのでした。それでは、私の目で見た「メルボルンカップ」、そしてメルボルンの街としての魅力をお伝えしていきましょう。もちろん食いしん坊担当としてグルメ情報もね。
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「レクサス メルボルンカップ」の前日、街の目抜き通りを封鎖して行われなるのは、出走馬のジョッキーや調教師が練り歩くパレード。こどもたちや、ミュージシャンなどの楽しそうな表情に思わずこちらも笑顔になります。
「レクサス メルボルンカップ」に出走した日本馬、チェスナットコートに騎乗した川田将雅騎手の夫人とご子息たち。
「レクサス メルボルンカップ」に出走した日本馬、チェスナットコートに騎乗した川田将雅騎手の夫人とご子息たち。
勝負服に身を包んだミュージシャン。
勝負服に身を包んだミュージシャン。
ウマのお祭りだから竹馬?というわけではないのでしょうが(笑)。
ウマのお祭りだから竹馬?というわけではないのでしょうが(笑)。
アイリッシュダンスのようなステップを踏む美少女たち。
アイリッシュダンスのようなステップを踏む美少女たち。
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この「メルボルンカップ」は世界のすぐれた馬たちが集うレースはもちろんですが、競馬場に集まってくる紳士淑女のファッションも見もののひとつ。華やかな帽子やヘッドドレスを着用する女性をエスコートするため、自然に男性たちもスタイリッシュな装いになるのだそうです。では、ここで当日私が見つけた素敵なカップルをオリジナルアワードとともにご紹介。

ベストアートなカップル賞

まるでフリーダ・カーロの絵画から抜け出たようなヘッドドレスの女性に、あざやかなイエローのタイで色を合わせた男性。
まるでフリーダ・カーロの絵画から抜け出たようなヘッドドレスの女性に、あざやかなイエローのタイで色を合わせた男性。

ベスト自慢のワイフ賞

「なんてメディアに載るんだい?」「うちのワイフ、きれいだろ?」「正直、うちのワイフが一番美しいから日本の男に嫉妬されちゃうよ」と奥さん自慢が激しかったカップル。
「なんてメディアに載るんだい?」「うちのワイフ、きれいだろ?」「正直、うちのワイフが一番美しいから日本の男に嫉妬されちゃうよ」と奥さん自慢が激しかったカップル。

ベストポップコーディネイト賞

ときに曇ったり、雨が降ったり荒れ模様なお天気のレース当日にあって、このふたりの周囲だけはいつも晴れ渡っているかのように明るい雰囲気。でもこのカラフルな水玉のスーツ、ほかにはどんな時に着るんでしょう。
ときに曇ったり、雨が降ったり荒れ模様なお天気のレース当日にあって、このふたりの周囲だけはいつも晴れ渡っているかのように明るい雰囲気。でもこのカラフルな水玉のスーツ、ほかにはどんな時に着るんでしょう。

ベストヤングカップル賞

まだつきあいはじめたばかりなんでしょうか、初々しい雰囲気のふたり。ピンク~ベージュのやさしげなトーンでそろえて、幸せオーラを発散していました。
まだつきあいはじめたばかりなんでしょうか、初々しい雰囲気のふたり。ピンク~ベージュのやさしげなトーンでそろえて、幸せオーラを発散していました。

ベストそっくり賞

黄色いバラはメインイベントである「レクサス メルボルンカップ」の日に男性が胸につけると決まっています。ひげ、サングラス、そして両手に「ジムビーム」の缶を手にしているところまで気が合っているカップル。
黄色いバラはメインイベントである「レクサス メルボルンカップ」の日に男性が胸につけると決まっています。ひげ、サングラス、そして両手に「ジムビーム」の缶を手にしているところまで気が合っているカップル。

ベストおしゃれカップル賞

競馬場内はチケットによって入れる区域が制限されていますが、このおふたりはセレブリティが集まる「バードケージ」でゲット。糸巻をモチーフにした帽子の女性と、黄色のバラ、ボウタイ、日傘をアクセントにした男性。私的にこの日のNo.1おしゃれカップルに認定!  日本の競馬場では、パドックを見て、馬券を買い、そしてレースを見る、合間にちょっと食べたり飲んだり、というのが一般的な過ごし方ですが、こちら「メルボルンカップ」ではまずドレスアップして、おしゃべりをし、スパークリングワインなどお酒も楽しみながら、レースの合間合間にファッションショーやライブなどのイベントを楽しむのでした。
競馬場内はチケットによって入れる区域が制限されていますが、このおふたりはセレブリティが集まる「バードケージ」でゲット。糸巻をモチーフにした帽子の女性と、黄色のバラ、ボウタイ、日傘をアクセントにした男性。私的にこの日のNo.1おしゃれカップルに認定!
日本の競馬場では、パドックを見て、馬券を買い、そしてレースを見る、合間にちょっと食べたり飲んだり、というのが一般的な過ごし方ですが、こちら「メルボルンカップ」ではまずドレスアップして、おしゃべりをし、スパークリングワインなどお酒も楽しみながら、レースの合間合間にファッションショーやライブなどのイベントを楽しむのでした。
とまあ、競馬を見たり、ピープルウォッチングしたり、忙しく過ごした1日でした。レース前後の8日間におよぶ「メルボルンカップ・カーニバル」の経済効果は実に4億4450万豪ドル(約3億5000万円)ともいわれる勢いの一端に触れ、このイベントがいかにメルボルンの人々の拠り所になっているのか理解できたように思います。
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食いしん坊、メルボルンを行く

さあLEON.JP食いしん坊担当としては、やはりメルボルンの食事情に触れなくては。さまざまな移民を受け入れてきた歴史を背景に多様な食文化を持つメルボルン。2017年には「世界のベストレストラン50」の審査会場となるなど、国際色豊かなグルメシティとしてすっかり定着した感があります。不動のスターシェフや新進気鋭のシェフが率いる魅力あふれるレストランが続々とオープンする傍ら、カジュアルなローカルフード店、おしゃれなカフェやバーも星の数ほどあるというこの街で美味しかったもの、ランダムにご紹介しましょう。
そして忘れてはいけないのがメルボルンのカフェカルチャー。イタリアやギリシャから多くの移民を受け入れてきたメルボルンでは、古くからコーヒー文化が発達してきました。そのコーヒーのレベルの高さは、街中にほとんどスタバが見当たらない、といえばおわかりいただけるでしょうか?
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コーヒーはカフェラテのようなフラットホワイトが人気です。これはエスプレッソの上にフォームミルクを乗せるという点ではカフェラテと同じなのですが、そのミルクのキメがより細やかでクリーミーなのが特徴。また、ミルクを入れず、エスプレッソをお湯でのばしたものをロングブラックと呼びます。こちらもしゃっきりとしておすすめ。いずれにせよ、メルボルンのコーヒーは浅煎りでフルーティなのが特徴でした。これ、世界的なトレンドなんですね。
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最後に街を歩いていて気付いたことを。
メルボルンは1800年代に建てられた歴史的建造物と、近代的な建築が融合する美しい街でした。そして街の随所に大小のアートが点在しているのも、散歩を楽しくするポイント。
食べておいしく、歩いて楽しいメルボルン、いかがでしたか? 私、実はメルボルンは初めて訪れたのですが、なんとなく抱いていた私のオーストラリア観がまったく間違っていたことに気づかされました。繊細な美意識とフレンドリーなフレキシビリティをあわせ持つメルボルンは、オーストラリアのおおらかさをベースに新しいものをどんどん飲み込み、進化・変容しているようです。メルボルンの現在、そして未来から目が離せません。
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◆ メルボルンへのアクセス

オーストラリア、メルボルンへはカンタス航空の直行便が1日1便就航しています。フライト時間は約10時間。時差は2時間(サマータイム以外は1時間)なので、成田空港を19時20分に発つナイトフライトに乗れば現地に翌朝(8時)到着し、無駄なく動き出せるから便利。
*2018年11月26日現在のスケジュールです。スケジュールは予告なく変更になる場合があります。
URL/www.qantas.com

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