2019.08.10

透明度バツグンの海、ヒリゾ浜に行ってきた!

ここどこ?とインスタなどで火が付いた絶景の海、ヒリゾ浜。じつは南伊豆にあるんです。ですが、その透明度は日本とは思えないレベル。その秘密は期間限定でオープンし、自然を守ってきたからなんですね。そんな近くの秘境に行ってきました!

CREDIT :

文/古関千恵子

荒々しい岩肌の断崖に守られた、澄み渡るブルーの海の画像に、「ここ、どこ?」と、SNSから人気に火が付いた「ヒリゾ浜」。たしかに、地中海の島々のように美しい!

きっと沖縄や小笠原のような遠方かと思いきや、これが静岡県の南伊豆。がんばれば、関東から日帰りだってできるんです。この海、7月から解禁になってますよ!
まるで地中海のような海の色、岩礁のフォーメーション。ヨーロピアン・バカンス気分を南伊豆で、しかも日帰りで。(C)野口正
まるで地中海のような海の色、岩礁のフォーメーション。ヨーロピアン・バカンス気分を南伊豆で、しかも日帰りで。(C)野口正

船に乗って、いざ、ヒリゾ浜へ!

伊豆・下田からクルマで南下すること、約30分。山間に入って行くにつれ、人々の暮らしから、自然の方が徐々に優勢になっていくのを感じます。いくつかのトンネルを抜け、中木(なかぎ)という集落へ。

ここの駐車場の入口付近に、期間中(7月第1週(土)~9月末の最終の日曜日)、ヒリゾ浜行きの船渡し受付テントがお目見えします。ここで、受付をしますが、事前の予約は不要です。
カーナビに従い、中木の集落へ。船渡しの拠点となる中木は、南伊豆ののどかな漁村。港のこの看板が目印。
カーナビに従い、中木の集落へ。船渡しの拠点となる中木は、南伊豆ののどかな漁村。港のこの看板が目印。
殿羽根丸(どんばねまる)と船名が書かれた小型船に乗り込み、出航!折り重なるように連なる断崖の合間を進むこと、わずか5分。ヒリゾ浜のすぐ沖で船長が海中を指差し、「ほらイワシの群れだよ」。

手で触れそうな距離で、キラキラと銀鱗を輝かせた魚の群れが横切っていくのが、見えます。でも、水深5メートルはあるそう。高い透明度が深度の感覚をマヒさせてしまうようです。
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  殿羽根丸の船長高野さん。10年ほど前からインターネットでヒリゾ浜を紹介し続け、それがSNSで拡散し、注目の的に。
殿羽根丸の船長高野さん。10年ほど前からインターネットでヒリゾ浜を紹介し続け、それがSNSで拡散し、注目の的に。
ヒリゾ浜は長さ100メートルほど。背後に断崖が立ち上がっていて、周囲から守られているような感覚。白砂ではなく、ゴロタ浜(大小の石や岩で形成された浜)ですが、それがまた透明度を高く保てる要因になっているかもしれません。
  沖から見たヒリゾ浜。100メートルほどのゴロタの浜の背後は断崖がそびえ、陸からはアプローチができません。安全のため、白いブイで遊泳区域は区切られています。
沖から見たヒリゾ浜。100メートルほどのゴロタの浜の背後は断崖がそびえ、陸からはアプローチができません。安全のため、白いブイで遊泳区域は区切られています。
浜は航行のジャマにならないように、そして激しい潮流に海水浴客が流されないように、安全な海域を白いブイで囲っています。その中ではシュノーケリングもOK。

美しいエダサンゴの回りでは、鮮やかなオレンジのキンギョハナダイやブルーのソラスズメダイが舞うように群れ、トロピカルな水中風景が楽しめます。

外洋に近いドロップオフはカンパチなどの大物も時に回ってくるので、上級者も満足度が高いはず。
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高い透明度の水中に乱舞するキンギョハナダイやソラスズメダイ。(C)d3_plus
高い透明度の水中に乱舞するキンギョハナダイやソラスズメダイ。(C)d3_plus
クマノミもイソギンチャクの陰に隠れていることも。(C)d3_plus
クマノミもイソギンチャクの陰に隠れていることも。(C)d3_plus
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偶然が重なって、無垢なまま守られている奇跡の海

南伊豆の最南端に位置するヒリゾ浜は文字通り、手付かずの海。それには、いくつかの状況が偶然にも組み合わさっています。まず地形的に、切り立った断崖に囲まれ、陸から行くことができません。

船でしかアプローチできないのですが、船渡しの乗り場の中木の港からも、巨大な大根島に目隠しされ、回り込んだ位置にあるため、ヒリゾ浜の存在は見えません。また、この周囲は国立公園であり、開発がされることもありません。

伊豆半島はフィリピン海プレート上にあります。繰り返された火山活動によって、かつて火山島だった伊豆半島は本州へとぶつかり、合体したそう。その欠片のように、南伊豆の周辺には、荒々しい岩肌を晒す断崖や小島が残されています。

中木の海岸に見る、柱状節理という岩のフォーメーションは、まさに過去の火山活動の印なのです。同じく火山活動が激しかったギリシャのエーゲ海の島々と似た印象を受けるのは、そのあたりが関わっているのでしょうか。このユニークな地勢から、日本ジオパークに登録されています。
度重なる火山活動によって本州と合体するまでは、火山島だった伊豆半島。そんな形成の過程も、このユニークな地形を生み出しているのかも。
度重なる火山活動によって本州と合体するまでは、火山島だった伊豆半島。そんな形成の過程も、このユニークな地形を生み出しているのかも。

透明度の高さは河川がなく、黒潮の通り道だから

透明度の高さにも、理由があります。周囲に河川がないこと。透明度を下げる原因の、土砂などが流れ込むことがないわけです。そして伊豆半島の南端のロケーションが幸いして、黒潮の通り道にも接しているのです。潮通りがよく、時に南方の魚を運んでくることも。

まさに理想的な条件がいくつも重なった奇跡の海なのです。日本であることを忘れてしまいそうな絶景スポット、ヒリゾ浜。9月末まで、夏だけのお楽しみです。

■ ヒリゾ浜渡し組合

営業時間/受付開始7:50、乗船時間8:00~、最終時間~16:30(9月は終了時間16:00)
期間/7月第1週(土)~9月末の最終の日曜日
船渡し料金/往復1500円、子供500円
問い合わせ/☎0558-65-1050

取材協力/殿羽根丸
住所/静岡県賀茂郡南伊豆町中木1263
URL/www.nakagi.jp/
問い合わせ/☎0558-65-0544

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