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2021.02.14

【第40回】

カトパン似の美女「田舎から出てきたばかりの私に、夜の業界の人たちは優しく親切にしてくれました」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

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取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第40回目のゲストは、前回(こちら)に引き続き、ウェブコンテンツ制作会社勤務の綾子さん(27歳)です。前編ではアドレス交換に行列ができるほどモテた高校時代のエピソードを伺いましたが、後編ではその後の私生活についてアレコレ伺います。

体験入店で指名がついたのに、雇ってもらえなかったワケ

── 綾子さんは、高校を卒業してからはどうしてたんですか。

「卒業してから、1年間でお金を貯めて東京に出ることを目標にして、朝から夜まで働いてました」

── 凄くしっかりしてる。それは何が目的で? 仕事とか進学とか。

「上京する時にははっきりとした目標はありませんでした。実は、私が高校生の時に、いろいろあって父が蒸発してしまったんです」

── えっ! そんな……。ずいぶん辛いことに……。

「それで母はとても苦しい思いをしたので、経済的な負担の大きい大学には行きたくなくて。自分の費用は自分で稼げるようになろうと、一生懸命に仕事して、お金を貯めました。でも何も決まってない状態で東京に出てしまい、本当に仕事が見つからなかった」

── とにかく東京に出てきちゃったんですね。大変だったでしょう。

「はい、カラオケ屋のバイトの面接の時にモラハラされたり。『立って、じゃあそこで回って、ワンって言って』って笑いながら言われたんですよ」

── うわっ、嫌な奴! なんですかそれ。

「本当に! まぁそんな嫌な目にも合い、仕事も決まらず、貯めてたお金もどんどん減っていくので、焦って歌舞伎町のキャバクラの体験入店に行きました(笑)」

── 歌舞伎町! またディープなところに。でも、東京に出てきたばかりじゃよくわからないか。
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「そう、何も知らないので(笑)。そこで2回お客さんについて、2回とも場内指名というのをもらえたんですね。それで”あ〜よかった、もしかしたらここに入れてもらえるかもしれない”って」

── それはそうでしょう〜。綾子さんが体験入店したら、お店だって手放しませんよ!

「それがですね、断られたんですよ」

── えっ! そんなことあります? 何か理由があったんですか?

「店長さんに『今日は2回とも指名をもらえるなんてよく頑張った、偉かったと思う。でもあなたはここに来る人じゃないよ』って言われて」

── おおお〜!偉い! すっごく偉いその店長! 自分の利益を考えたら、人気の出そうな子は黙って採用したでしょう。

「本当に。19歳でよく勇気出して歌舞伎町の門を叩いたなと思うけど、あなたは昼の仕事をしなさいって」

── いや〜、歌舞伎町にもいい人がいるなあ。ちょっと泣きそうになっちゃった。

「そうなんですよ! 田舎から出てきたばかりの見ず知らずの私に、夜の業界の人たちは優しく親切にしてくれました。いい経験をしたと思います」
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19歳。まだ、恋はよくわかっていなかった

── 本当に良かったですね。その後、仕事は見つかったんですか。

「はい。なんとか食いつないでいる時に、私が好きな記事を扱っているウェブコンテンツ制作会社がアルバイトを募集していて、チャンス! と思って応募したら受かったんです。2年ほど続けていたら、正式に入社しないかと言ってもらえて、今に至ります。でも後から聞いたら、バイトから正式に雇用されるのは稀だよって言われて。本当にありがたく、やっと苦労が報われたなという実感があります」

── 良かった〜!!

「上京したばかりの頃は、母に負担をかけたくないという思いの他に、実は嫉妬心もあったんです。普通に希望すれば大学に行ける、親にお金を出してもらうことに何の罪悪感をもたない友人などに対して、なんか悔しくて」

── そうか。どうしたって比較しちゃうし、嫉妬もしますよね。綾子さんの状況では当たり前です。

「はい。だから友人たちが大学を卒業して就職する頃には、みんなより稼いでやりがいのある仕事をしている自分でいたい、その一心でやってましたね」

── 本当に大変。でも今思いが実って良かったですね。その頃恋愛はしていなかったんですか。

「こっちにきてから3年くらい付き合った人がいました。でも、好きというより、ホームシックにならないように、同郷で安心できる人とお付き合いしたって感じかな」

── それは、同郷の人と偶然出会ったってことですか?

「いえ、実は田舎でアルバイトしてたお店にお客さんで来てた人だったんです。その人が東京に住んでることは知っていて、……ちょっと怖く聞こえるかもしれませんけど、その時から『私、この人と付き合おうって』決めてました(笑)」

── あ、東京に行ったらって?  カッコよかったんですか。

「ん〜、“東京にいるんだ、彼氏としていいじゃん”みたいな感じです。恋愛ではなかったと思う」

── え〜、それで良かったんですか。

「私、“好き”ってよくわからなかったんです。子供の頃は、周りの女の子が『あの人が好き』とか言ってるのを聞いて、“私も仲間に入らなきゃ”って思ってました。だから誰ともかぶっていない、文句を言われそうもない男子を決めて、『私はあの子が好き』って言ってました」

── あ〜〜なるほど〜!

「それがずっと続いちゃってたんですよ。よく言うじゃないですか、恋はするものじゃなくて落ちるものって。でも私にとって恋はするものだったんですね」

── あ〜そうか〜。
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お互いのことを話すだけでいい。その時間が好きでした

「でもそれは違うってわかったのは23歳の時でした。これが好きってことなんだと思える人と出会ったんです」

── おお〜いいですね〜! どんな人ですか。

「居酒屋でバイトしていた頃に来たお客さんです。お席の案内の時にやりとりをして……私の一目惚れ。私のアドレスを書いた紙を渡して、デートするようになりました」

── 一目惚れってあるんですね〜! デートはどうでしたか?

「なんか凄く良かったんですよね。あ〜これがデートってもんなんだって。彼からも私が好きって気持ちがなんとなく伝わってきますし、私も初めて好きってことを自覚して」

── よかったよかった!!

「これまでの彼は、父がいなくなった穴を埋めてもらうための存在でした。だから、『こんなことをされました、こんな家庭に育ちました、かわいそうでしょ、ちゃんとよしよしして』と、傷を癒す役割を男性に求めてたんですけど、その彼には一ミリも家庭の話はせず」

── 彼のことが好きで?

「そう。彼が好きなことや気になってること、私の好きなことをお互いに話すだけでいい。そういう時間が好き、というのを初めて感じたので、あ〜これが好きってことなんだなと」

── 恋人同士の甘い時間ですね。

「はい。でもね、なんか変なんですよ。まだ付き合ってるわけでもないのに、スケジュール帳を見せてくるんです。私としか会ってないよって。そんなこと求めてないのに」

── 彼女になってない状態で? 何だろうそれ。

「どうやら元カノの束縛が狂気じみていて、その名残だったみたいです。彼女とは同棲していたそうなのですが、24時間・365日監視が続いていたと。『今までの人生で感じたことのないくらいの怒りが湧いたし、結婚とか付き合うとかがよくわかんなくなった』と言ってました」

── あ〜そういうことでしたか。彼、気の毒ですね。相当だったんだなあ。

「そうなんです。それで、私たちが付き合うかどうするかの話になった時、『本当にあなたは素敵な子だし、好きなんだけど……。今は一緒に笑い合えているけど、いつか元カノのときのように笑えなくなってしまうんじゃないかと思うと怖い。だから付き合うのが怖い』って言われてしまい……。それでもデートはしてたんですけど、中途半端は良くないって言われ、それきり連絡が途絶えました」
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── そうか〜。彼も真面目だ。連絡は一切してないんですか?

「たまにしますけど、既読になっても向こうからの返信はないですね。その後何年も彼への思いを引きずってしまい、もういい加減吹っ切らないと、と思って、彼に最後の連絡をしたんです。そしたらそれにだけ既読がつかない」

── そうか。それが彼の答えなんですかね。

「ただ、最後に会った時に『僕がLINEを未読のままにした時は、あとで連絡するのを忘れないためだよ』って言ってたんです」

── え〜! じゃあまだ待ってる途中なんですか。

「いや(笑)、さすがに待ってないですけど、その言葉は心に残ってる」

── そうか〜。彼にとって元カノは事故にあったようなものですね。恋愛って本当に難しいな。タイミングが違えば、今もう結婚してたかもしれないのに。

「めちゃめちゃ好きでしたからね。でも、もう前に進まないと」
── そう思いますよ。次はどんな人と巡り合いたいか教えてもらえますか。

「やっぱり、凄く好きになった人と一緒にいたいなって思います。どれだけ時間がかかっても、50歳になってもいいから、特に結婚はそういう人としたいですね」

── ということは、このまま良い人が現れなかったら、30歳でも40歳でも独身で通すつもりですか?

「もちろんです」

── え〜凄い! でも大丈夫、綾子さんは素敵だし、僕の知り合いでも53歳で結婚した人いますから。

「それが理想ですね。ちゃんと好きな人と付き合って結婚したいなって思います」

── 良い時が巡ってくると思いますよ。今日はお話ありがとうございました!

【林さんから〆のひと言】

いやあ、すごくモテてモテてしょうがない人生でも、大変な男性にあたってしまえば、大変なことになってしまうし、でも、いい人と出会えれば、そこで人生は好転するし、人生って本当に不思議ですね。今、幸せそうで何よりです。頑張ってくださいね。

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。

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