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2021.01.08

【第34回】

Mっ気強め大和撫子の恋は「恥じらいこそセクシー」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第34回のゲストは、経理事務の彩芽さん(32歳)です。
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性の目覚めは小学5年生でした

── こんにちは、林です。

「こんにちは。今日はよろしくお願いします」

── こちらこそ!  ここではニックネームでお話を聞くことになってるんですけど、誰かに似てるって言われませんか?

「たまにですが、剛力彩芽さんに似てると言われることがあります」

── あ〜確かに、健康的な笑顔が似ています。では彩芽さんでいきましょう。今日は彩芽さんの、これまでの恋愛に関するあれこれや恋愛観、初恋とか性の目覚めなんかにまで遡って話を聞いていきますので、赤裸々にどんどん語ってくださいね(笑)。

「はい承知しました(笑)。あ、性の目覚めについては、私はっきり覚えている出来事があるんです。小学5年生の時の授業中でした」

── えっ!? 授業中……。って、どういうことですか?

「確か国語の授業だったと思うのですが、黒澤明の『羅生門』をみんなで観たことがあったんです。冒頭で女の人が侍に無理やりキスされるようなシーンがあって、それをみた時に初めて子宮が“ズキン”とするのを感じました。それは強烈に覚えています」

── へえ〜。そんな風に始まるんですね。

「でも、そのまま性欲みたいなものにつながったとか、そういうわけじゃないんです。なんか、初めての体感、みたいな」

── その体験が気になって、何か調べたりはしました?

「何も。でも、直感でこれは“いけない感情”だっていうのはわかったので、どちらかというと蓋をするようにしました。悪い女になってしまう、大和撫子でいなきゃいけないって(笑)」

── 大和撫子……(笑)。それは親の影響ですか。

「なんですかね、親じゃないと思うんですよ。私、子供の頃から周りの人に『変わってるね、外国の人みたい』って言われることが多かったんですね。それでなのか、逆に日本の女の子っぽいものに憧れがあるというか、そうでなければいけないと思っていたように思います」

── えっ、小さな頃からそんなことを?

「はい、今でもプラトニックな女性じゃないといけないって気持ちが無意識にあって」

── そうか、意識的にそうしているのではなく、自分の中にある思いなんだ。それはその後の恋愛に大きく関係しそうですが、彼氏ができたのは何歳くらいでしたか。
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「ちゃんとお付き合いをしたのは高3です。同じ部活の後輩で、彼は高1でした。初体験もその彼です」

── えっ!?  高校生で年下って珍しいですね。同級生でも男子は子供っぽく見える年齢なのに。彼は可愛かったんですか。

「いえ、カッコいい人でした。私を先輩扱いしなかったので、恋愛対象になったのかもしれません」

── 中学を卒業したばかりの男子が高3と付き合うって凄い。初めての時はどうしたんですか。

「クリスマスイブにラブホテルに行きました。で、する流れになるじゃないですか。でも痛くて痛くて、その日はできなくて帰ったんです」

── そういう話はよく聞きます。

「そうなんですね。本当に痛すぎて、泣きじゃくって、もうしたくないから、私にはできないから別れてって言いました」

── あ~、それは深刻ですね。

「でも彼はそんなこと気にしなくて、翌日のクリスマスも行こうって(笑)」

── またそれは(笑)。さすが高1ですね〜。

「性欲旺盛ですもんね(笑)。でもね、やっぱりできなかったんです。3カ月くらいかけて30回くらいしたけどできなくて、そのうちに彼は私から気が逸れて、他の子のところに行っちゃってた」

── ひどいですね〜彼。じゃあ、しないまま別れて。それはコンプレックスになりそうですね。そういうのは誰かに相談しました?

「いえ、しなかったです。言えなくて……」

── ですよね、なかなか言えない。だけど気になりますよね。

「うん、だからといって一人で、自分でしてみるのは嫌だったし。それは大和撫子じゃないから」

── アハハ。そうか、大和撫子はしないか〜。
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“自分が合意した感じ”はイヤなんです

「私、自分でしたらエロくないというか……、イヤなんですよ。されたいんです。」

── あ、人にされるからこそエロいんですか。

「はい、されるのが好き。歯医者さんで寝かされて処置されるとか、美容院でシャンプーされるとか、そういうのも凄く好き」

── え? えっと、これちょっと面白い方向にきたというか(笑)、なんか凄い話ですね。されるのが好き。

「そうなんです。あまりそういった機会はないですけど、例えばホテルに誘われたとして、その人のことを良いなと思っていても、まずは断ります。その上で『部屋は取ってある、もうキャンセルはできないよ』みたいにちょっと強引に誘われたい(笑)」

── 強く言われて落ちる感じが好きなんですか。

「はい、自分が合意した感じとかが嫌なんです」

── えええ〜〜! そうなんですか。なんでなんですか?

「女性の、性に対する本質ってそこなんじゃないんですか? 少なくとも私はそう。恥じらいがあるというか、ちょっとやられてる感があるのがセクシーだと思うんです」

── いや、本当に、性にはグラデーションがあるので、皆さんそれぞれではありますが、同意する人もたくさんいると思います。
後編では、その後の恋愛遍歴について告白していただきます。
続きは、こちら

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。

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