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2020.11.28

【第32回】

「完璧な男性よりダメンズが好き」と語る美人OL。その理由とは?

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第32回のゲストは、IT系企業にお勤めの未来さん(32歳)です。
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酒・ギャンブル・女と、ダメ三拍子揃ってても嫌いにならないんです

── はじめまして、林です。今日はよろしくお願いします。

「はい。よろしくお願いします。素敵なお店ですね。私、お酒が好きなので、今度営業時間に来たいです」

── うれしいです! ぜひいらしてください。この連載では似ている芸能人の名前でお呼びすることになっているんですけど、パッチリした目が志田未来さんに似ているような気がするので、今日は未来さんと呼ばせてもらいます。

「それはありがとうございます(笑)」

── 早速ですが、未来さんに初めて彼氏ができたのはいつでしたか。

「高校生の時でしたけど、3カ月くらいで別れてしまいました。2人目は、大学生になってから。東京に上京してから、同じ高校だった人と付き合いました」

── あ〜、それはよくあるパターンですよね。東京に出てきた仲間意識もあるだろうし、地元が同じって安心感ありますよね。彼はカッコよかったですか?

「カッコいいと思います。背が高かった」
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── で、彼と付き合うことになって、どうでした? お互い一人暮らしだと関係もどんどん進みますよね。

「ん〜、私まだその時にHはしたことなくて、なんかいざとなったら怖くなっちゃった(笑)。だから私、20歳くらいまで未経験だったんです」

── なるほど、怖かったんですか。

「なんか、怖いの半分と、すでに彼に対してちょっと冷めてたのが半分。それもあって体が拒否しちゃったのかなあ。やっぱり半年くらいで別れました。結局初めての経験は、その後にできた彼です」

──その彼とは楽しく付き合えましたか?

「それがですね、その彼は結構なダメ男で(笑)」

── あらら、どうダメなんですか。
「酒・ギャンブル・女って、もうダメなやつが三拍子揃ってたんですよ!」

── えええ〜? 大学生ですよね、彼も。ギャンブルって何をするんですか!?

「パチンコとかスロット。私の家で一緒にいても、なんかコンビニ行ってくるみたいな感じで出かけて、8時間帰って来ないみたいな」

── え? え?

「全財産スっちゃったとか言われて、お金を貸したこともありました。風俗にも行くし、浮気もするし。その浮気が原因で1回別れたんですけど、また復縁して……。結局、一番長く付き合ったのはその彼なんです」

── え〜〜! なんで! 凄くダメな人じゃないですか。

「そうなんですけど、好きだからそれで嫌いになることがなかったんですよね〜」

── それ、周りに止められませんでした?

「もちろん、なんで付き合ってんの? と言われてました。でも彼のこと嫌いかって聞かれたら、今でも嫌いではないです」
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完璧な人の前だと、ありのままの自分でいられないから

── どうしてそういう男に惹かれるんですかね〜。ハマっちゃうと抜けられないってことなんですか?

「こういう人はよくないって、頭では分かっています(笑)。だから、優しくて誠実な人と付き合おうと思うんですけど、自分の好きなタイプがちょっとダメなところがある人、なんですね」

── ダメなところがいいと(笑)。それ、もうちょっと、詳しく教えて欲しいです。

「ダメな人が好きというよりは、完璧な人が苦手といいますか」

── あ、そうなのか、そっちなんだ。でもどうして?

「それは私自身、自分がちゃんとしてない、だらしないところがあるって思ってるから。ちゃんとした人に会うと劣等感を持ってしまうというか……、良く見せなきゃって思って頑張ろうとしちゃう。私と同じようにダメなところがあって、それを見せてくれる人だと、私もありのままでいられる。私もこういうことがあってダメで、って素の自分を出したいんですね、きっと」

── ほう〜なるほど〜、面白いですね。

「ダメな人が好きというより、完璧な人が苦手。自分が猫かぶっちゃったりとかして」

── 無理しているのが嫌なんですね。

「はい、完璧な人だと会うのに頑張らなきゃいけなくなるから。そうすると会うのが面倒くさくなる。で、会いたくなくなる、別れたい、ってなる(笑)」

── あ〜そういうことなんだ。彼の前で頑張ってる自分や無理してる自分が嫌だから、それよりもさらけ出せる楽な人がいい。そしたらダメな人が好きになっちゃうんですか。その彼とはどうなりました?

「社会人になって彼と別れたんですけど、最後は自然消滅でした。また浮気したんですよ。私、もう浮気ぐらいで嫌いにならないので、真実を知りたかったんですね。説明して? って言ったら逃げられました(笑)」

── あ〜それで連絡が取れなくなっちゃったんですか。本当にダメですねその人。その次はちゃんとした人と付き合おうとしました?

「はい、ちゃんとした人と付き合おうとはしましたよ。かなりハイスペックな、高身長・高学歴・イケメンの同期と」

── おお! 期待できそうな人(笑)! その彼とどうなったかは、後編でお聞きしましょう。

後編では、男性に対する未来さんのもうひとつのこだわりを告白していただきます。
▶続きはこちら

■ BAR BOSSA(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。初の小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)も話題。

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