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2020.08.06

■ 長瀬次英/マーケター

オープンマインドで世の中を変えていける大人はカッコいいと思う

インスタグラム・ジャパンや日本ロレアルを始め名だたる企業でのキャリアを経て、今や日本のトップマーケターとして注目される長瀬次英さん。とりわけ学生から若手起業家まで若い世代に強く支持される新時代のカリスマ経営者にとって、大人が持つべきカッコ良さとは?

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文/井上真規子 写真/中田 陽子(Maettico)

LEONは創刊以来、大人のカッコよさをとは何か? を真剣? に考えてまいりました。その口上は時代に応じてちょっとづつ進化してきたわけですが、根底にある思いはずっと変わっていません。それ、つまり、大人がカッコイイと思い、思われる世の中ってピースじゃないかな、ってこと。というわけで、年齢性別は問わず、LEON.JPがカッコイイ! と思う11人を直撃。皆さんに伺いました「大人のカッコ良さってなんでしょう?」。第4回にご登場頂くのは、この方!

ありのままの経験値や考え方、自分自身のストーリーをオープンに話せる大人

インスタグラム・ジャパン初代日本事業代表責任者、日本ロレアル初CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)、LDH JAPAN CDOなど名だたる企業でのキャリアを経て、経営コンサルティング会社とコミュニティーマネジメント会社を自身で設立。同時にコスメ、アパレル、ブランドコンサルティング会社のCEOも務めながら、パラレルキャリアの実践を目指す、新時代のカリスマ経営者、長瀬次英さんです。

長瀬さんは、学生から各業界で活躍する若手起業家まで、若い世代から非常に人気が高いことでも知られています。世代を超えて男女からモテ続ける長瀬さんの、カッコ良くあり続ける秘訣はどこにあるのでしょうか。詳しくお話を伺ってみました!

自分の価値を維持するために、年上の人たちに必要とされるよりも若い男女にカッコいいと思われたい

── LEONでは、覚悟や責任を持った生き方ができる大人はカッコいいなと考えています。そういうカッコいい大人が日本にもっと増えてほしいと願って今回の特集を企画したのですが、長瀬さんが思うカッコいい大人とはどういうものなのでしょうか。

長瀬 カッコつけずに、ありのままの経験値や考え方、色々な物事に対するストーリーをオープンに話せる大人ですね。Facebook時代の上司で、すごく豪快な生き方をしている人がいて。自分のことをありのままになんでも話してくるので驚きつつ、彼の生き方やオープンな姿勢がすごくカッコいいと思ったんです。それから自分もオープンでいたいと思うようになって。

僕はトップマーケターと呼ばれる大人の中でも、ダントツで若者に人気があると思っています。僕の家は常に開放していて、ありがたいことに若者がたくさん集まってくるんです。多い時は20人近く集まることもあるんですよ。

そこで、お酒を飲みながらみんなで色々なことを話すのですが、僕自身は彼らに「俺って偉いだろ」とか、「俺がやったマーケティングやメソッドはこうだ」とか、そういう話は絶対しません。そうではなくて、自分のありのままを見せることを大切にしています。

僕が若い世代に人気があるとしたら、その理由はきっとやってきた実績とかというより、世の中に貢献していきたいという気持ちと、お金をしっかり稼ぐというリアリティの部分を、若い人たちに対してそのまま伝えているからだと思うんです。彼らを家族として守っていきたいと思っているし、エモーショナルな部分で繋がっていたいと思っているので、そういうことがもしかすると伝わっているのかな、と。

僕自身は自分の価値を維持するために、年上の人たちに必要とされるよりも若い男女にカッコいいと思われたい、モテたいと思っている部分もあるんですよね(笑)。彼らにカッコいいと思ってもらうために、どこへ行ったらいいか無意識に考えているんでしょうね。“モテたい”がキャリアのスタートになっているので、そういうことに鼻が効くんです(笑)。
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言うだけでなく、実行できて結果が出せる、それでいてバランスよく楽しそうに生きている大人がカッコいい

長瀬 僕はビジネスをしていく上で、クライアントのお金を使って“世の中を良くしていく”という裏ミッションを設定しています。例えば業績をV字回復するという目的はもちろん重要なんですけど、それを通じて世の中にあるマイナスなこと、おかしいと思うことを解決していくことの方がむしろ重要だと思っています。コスメを一つ生み出すにしても、ブランドの戦略やクライアントの活動、プロジェクトをそこにうまく重ねながら社会の課題解決を目指しています。

今の若者は業績がどうのこうのよりも、そういったストーリーに惹かれるようです。世界一周して何かをした人がカッコいいとか、貧乏でも好きなことやっている人がカッコいい、とか。今の若者って、大人に対して、夢だけじゃなく現実的な部分を求めているんですよね。

言うだけでなく、実行できて結果が出せる、リアリティとアクションを持つ大人です。それでいて、バランスよく楽しそうに生きている人ってそんなに多くない。だから、そういうことが段々カッコいいと思われるようになっているんじゃないかな、と。

終身雇用の時代が終わった今を生きる若者にとって、ただ単に仕事をすればいいという感覚ではもうダメなんですよね。仕事や会社の選び方にもポリシーを持って、筋を通さなければカッコ悪いと感じているんです。
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僕は、若者にわかりやすく夢を持ってもらいたいと思って青山のこの家を開放しているんです

–— 長瀬さん自身は、若い時にどんな大人をカッコいいと思っていたのでしょうか? やっぱり今とは違いますよね。

長瀬 僕が若い頃は、ソニーの出井社長やパナソニックの松下社長といった大企業を束ねて日本を強くしてきたカリスマ社長が群雄割拠していたんですよね。出井さんなんて“ウォークマンを作った人”ってすごい肩書きがあって、一緒にいてすごく夢があったし、とにかく憧れていましたね。

でも今は時代が違って、そういう日本を強くする起業家や、若者に夢を持たせてくれる社長がほとんどいなくなってしまった。だから当時を知る僕は、カリスマ社長たちにご飯を食べさせてもらったり、飲みに連れて行ってもらってカッコいいなと思った時のように、今の若い世代にも同じことをするべきだなと思っていて。

若者にわかりやすく夢を持ってもらいたいと思って青山のこの家を開放しているんです。例えば起業家が生活感のあるアパートに住んでいたり、田舎に住んでいたりすると、若者たちは「あれ?」「ドラマと違うな〜」と、夢を持てなくなってしまうじゃないですか(笑)。

もちろん起業家とひと言にいっても年収も色々ですからね。素敵な家に住むのが成功の形というわけではないし、カッコいいに直結するわけでもないですが、一つのわかりやすい指標にはなりますよね。この家に遊びに来て、「表参道に住みたい!」とか「もっといい場所に住みたいから頑張ろう!」となる若者が増えてくれる方が、日本も元気になっていくじゃないですか。

そして、今はこれを維持できているけれど、当然リスクも含んでいるわけで。いつも余裕があるように見えても、いつまでこの場所を維持できるかわからないじゃないですか。それを見せるか見せないか、どう見せるのかといったこともありますが、一生懸命生きている姿を見せるのは重要じゃないかな、って思っています。

そこに憧れて、今のまま一社だけで働いていたら無理だから副業しようと考え出す人とか、転職を5回ぐらい頑張らないとダメだと思う人も出てくる。それで背伸びしてでもいい所に住んだら、この生活を維持するためにもっと頑張ろうとなる。そういうきっかけで、先を目指して考えてチャレンジして、アクションを起こしていく人が増えてくれたらいいなと思っています。この生活を維持することで若者に発破をかけているんですよね(笑)。
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女性だけでなく男性からカッコいい! と思われることも必要ですよね

—— 長瀬さんは、若者が憧れるような素晴らしいキャリアをお持ちですが、初めから計画を立てていたのでしょうか。

長瀬 若くして偉くなりたかったので、そのためのキャリア構成を早くからヘッドハンターに任せてきました。今は20代、30代の社長がゴロゴロいる時代ですが、当時は大企業が主流で終身雇用の時代でしたから、若いうちに偉くなるには転職でステップアップしながら役職と給料を上げていくしかなかった。何も知らない若者がその進路を自分で選択していくのは不可能だと思ってプロに依頼したんです。はじめに就職したKDDIも最初から3年で転職する予定でした。

若い出世にこだわったのは、雄(オス)として若いうちからモテたかったからです(笑)。年取ってから、スポーツカーに乗るんじゃなくて、若いうちに乗っていっぱいカッコつけて、いっぱいモテたかった(笑)。今は社長になりたいという目標は達成していますが、それがあったからこそ頑張ってきた部分があります。

だから僕は、若い子たちにも「モテなきゃ!」って言っています。体の関係を持つとかってことじゃなくて、一緒に過ごすとか、いろんなアイデアをくれるとか、呼べば話を聞いてくれるとか、そういう女性がたくさんいるって楽しいし、幸せだよねって。

あとは、女性だけでなく男性からモテることも必要ですよね。悲しいことに日本はまだまだ男社会で、男がはびこっている。だからメスのハーレムで暮らす雄ライオンではいられないんです(笑)。

実際、僕のコミュニティには実は女性がほとんどいないんです。夜に女性が男性の家に来るのは良くないっていうこともあるし。その考え自体がもう古いんですけど(笑)。ただ、男にモテると、彼らが女性に「長瀬さんはカッコいい!」って言ってくれんですよね(笑)。実はそれが一番効果的だったり(笑)。
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俯瞰して見ると、カッコいいの芯の部分は変わっていなくて、バリエーションが増えているだけなのかなと思っています

—— 当時と今で、カッコいいの概念もだいぶ変わっていますね。

長瀬 僕らの若い頃は、女性からモテる価値基準として“3高”なんてフレーズもあって、ロレックスつけるだけでモテる時代だったんです。でも女性の価値観も変わってきているし、今はそうじゃない。男性だって時計買うにしても雑誌が言っていることを鵜呑みにはしないですよね。

今の若い男女は、そこにストーリーがあることを大切する。このあいだ遊びに来た若い子がG-SHOCKの透明スケルトンを付けていて、いいなと思って真似て買ったら「長瀬さん、カッコいい!」って言われてちょっと驚いたんですけど。なぜかな、って聞いてみると、そこにストーリーがあったからみたいなんですよね。

今までなら何百万の時計買うのがカッコいいって時代だし、年下の真似なんてダサいと言われそうなんだけど、今は違うのか! と勉強になりました(笑)。僕は腕時計を何本か持っていますが、なぜそれを買ったのかというストーリーと、出会い方、物へのこだわりは縁まで一つ一つ話すことができます。今はやっぱりそういう個の思いが大事なんだなって思いますね。

—— コロナ禍ではニューノーマルという新しい言葉も浸透してきています。カッコいいはさらに変わっていくのでしょうか。

長瀬 もちろん新しい価値観や新しいカッコ良さは出てくると思います。ラグジュアリーの意味合いも、高級品ではなく、時間そのものや直接会うことに変わっていったり、リモートではなく直接会って一緒に飲んでくれる人がカッコいいとなっていったりするのもそうですよね。

社長のカッコ良さも、ロハスやオーガニックという価値観が入ってきて変わりつつあります。僕が若い頃なんかは、金・女・飯がすべてみたいな社長も勢いのある時代だった(笑)。今、そういうゴリゴリの人を見ると、ちょっと痛いと思ってしまうけど、そこの変化についていけるかどうかは、若い世代と接しているかどうかだと思います。

若者たちの話を聞いていると、高級車じゃなくて自転車がカッコいいんだ、とかたくさん学ぶことがあって。時代を作っているのが誰なのかということに敏感な人は、世の中を作っている大事な人たちと居られるんですよね。

ただ、俯瞰して見ると実は芯の部分は変わっていなくて、バリエーションが増えているだけなのかなと思っています。一緒に飲んで豪快におごってくれる先輩は、昔からカッコいいじゃないですか。リーマンショックでもコロナ渦でも、困っている時に助けてくれる人、いつも大切にしてくれる人はいつだってカッコいいし。だから実は振れ幅はそんなにないんじゃないかなとも思います。
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新しい枠組みを作ろうとしている企業はカッコいい!

── 今は企業にも、カッコいいと思われる要素が必要なんじゃないかと言われていますよね。長瀬さんが思う企業のカッコ良さってなんですか?

長瀬 新しい枠組みを作ろうとしている企業は、カッコいいと思いますね。僕が関わっているプロジェクトでは、今までと違うエネルギー資源を提供することで、電力会社も争いもなくなると考えて頑張っている会社があって。

ぽっと出の小さなベンチャーでありながら、資源の枠組みを仕切ってきた商社とバリバリに戦って、叩かれても負けじと特許を取って世の中に出していこうとしている。そういうゲリラ的な企業が少しずつ出てきています。僕はそういう企業がすごくカッコいいと思うし、関わっていきたいと思っていて。

コロナ渦では飲食業界がとても厳しい状態ですが、従来の枠組みに囚われて、その中で威張ってがんじがらめになっている人たちがいっぱいいます。それってやっぱりカッコ悪いし、対応できなくなって、今、泣きを見ているじゃないですか。

その一方で、それに気づいていち早く新しい枠組みや業態を作ろうとしている人たちもいるんです。レストラン事業にこだわっていたら難しいけれど、例えばどんな時でも国民全員が絶対に最低限の食事ができるようにしたら、日本は強くなるんじゃないの? と考えたり。ホームレスも低所得者も毎日人数分おにぎりは支給されるみたいな、仕組みができたらすごいじゃないですか。

日本は海外と比べても、規制が厳しいし、中間業者も多いから難しい部分がたくさんあります。フルーツひとつ買おうとしても、間に協会やら組合やらいっぱい入って価格も上がってしまう。110円のコンビニのおにぎりも本当なら20円切ると思います。そしたら国が100億支給すれば、国民全員分のベーシックインカムならぬ、ベーシックおにぎりが実現する。そういう新しい枠組みを考えるカッコいい大人や社長が増えるといいなと思っています。
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── 今は色々なプロジェクト抱えていると思いますが、長瀬さん自身がこれから変えていきたいことはありますか?

長瀬 世の中に新しいインパクトをもたらすような事業には関わっていきたいですね。今お話したエネルギー産業や食産業もそうで、自分もすでに関わりつつあります。その実現に向けてメンバーに呼んでもらうことも多くなってきて、そういうところに求められているなと感じています。

今までは大企業を貫いてきましたけど、今度は社会的に大きなインパクトを与えるビジネスに身を投じていきたいですね。時代の流れでもあるし、そういう方が若者にモテる(笑)。みんなもやりたいって言ってくれて、それを繋いでいけたらなおいい。そういうったところに自分の身を置きたいですね。

● 長瀬 次英 (ながせ つぐひで)

1976年、京都府生まれ。マーケター、経営コンサルタント、俳優/モデル。インスタグラム・ジャパン初代日本事業代表責任者、日本ロレアル初CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)、LDH JAPAN CDO等を歴任。PENCIL&PAPER.COM㈱ とVisionary Solutions㈱ を設立しCEOに就任。他アパレルブランドCEOやコンサル会社のCSO、社外取締役や顧問業を平行して務めるパラレルワーカー。「AdTech Tokyo」登壇スピーカーで、2017年、2018年2年連続1位受賞。「Forbes Japan」でカリスマ経営者の一人として称された。
写真は2020年8月29日発売予定の新著『マーケティング・ビッグバン インフルエンスは「熱量」で起こす』(CCCメディアハウス)

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