2025.07.05
松本幸四郎(52)「若々しいオーラの秘訣は、毎日でも食べたい肉!?」
歌舞伎界のプリンスと呼ばれた時代を経て、いまではエンタテインメントとしての歌舞伎の未来を背負う存在となった十代目松本幸四郎さん(52歳)。脂の乗った大人の男としての、その魅力に迫ります。
- CREDIT :
撮影/前田 晃(MAETTICO) スタイリング/吉野 誠 ヘアメイク/hanjee(SIGNO) 文/小寺慶子 編集/石井 洋(Web LEON) 撮影協力/グランド ハイアット 東京 バー&ジャズラウンジ「マデュロ」
子どもの頃は歌舞伎俳優と野球選手の両方できないかな、なんて妄想したことも

── 6歳で歌舞伎座の初舞台を踏み、一人前の俳優を目指して稽古に明け暮れる日々だったそうですが、遊びたい盛りの少年にとって、歯がゆい思いをしたこともあったのでは?
── 今日の“ちょい不良(ワル)ファッション”もとてもお似合いです。オフの日はどんな格好で過ごしていますか?


毎日しっかり食べる朝ごはんは、和食が好きなので、パンよりお米派です。歌舞伎座公演中は、周りに美味しいお店がたくさんあるので、コロナ前はよく「喫茶YOU」のオムライスを出前してもらっていました。

食べ物の中でも特に肉は、毎日でも食べたいほど大好き。ステーキやしゃぶしゃぶ、焼肉、焼鳥には目がないですね。
先輩方の姿に学び、自分で考え努力する──そうした風習は若手にしっかり受け継ぎたい

幸四郎 僕はお酒も好きなので、たまに若手の役者さんと飲みにいくこともありますが、積極的にという感じではないです。お酒の場は本音で話がしやすいとか、チームの士気が高まるなどいいこともたくさんありますよね。僕はどうも年下の役者さんからも変わり者だと思われている節があるようで(笑)、「幸四郎さんがまたおかしなこと言っている」とイジられています。

その受け継がれてきた型をいかに自分の型に変えて表現していくかということがもっと大切で、一朝一夕では成し得ない。常に先輩方の姿に学び、技を教えていただき、自分で考え努力する。そうした風習は先人を尊敬することに自然とつながっていきますし、僕自身も若手にしっかりと受け継ぎたいと思っています。
若さの秘訣は、丁寧なクレンジングとお肉!? 次回は幸四郎さんのお肉連載に乞ご期待!

幸四郎 いえいえ、まったくそんなことはないです。舞台では白塗りの厚化粧をしますし、照明が当たるのですごく肌が乾燥するんです。まさかお化粧をしたまま帰るわけにはいかないので、クレンジングは丁寧に念入りにしますが、ほかに特別なことはしていません。ただ“肌を整える”という意味では、汚れをきちんと落とすことが大切なのかもしれませんね。

── もしかしたらお肉の脂も肌にいいのかも!? 日々“モテる”を追求しているLEONなので、その若さの秘訣にあやかりたいです。幸四郎さんのお肉連載、始めちゃいましょうか?
幸四郎 いいですね。今日はいつもと違う雰囲気で撮影していただけてうれしかったです。次は美味しいお肉が食べられたらいいな、と期待しています(笑)。

⚫︎ 松本幸四郎(まつもと・こうしろう)
1973年1月8日、曾祖父七代目松本幸四郎から続く歌舞伎役者の家系に生まれる。屋号は高麗屋。父は二代目松本白鸚、息子に八代目市川染五郎。6歳で三代目松本金太郎を名乗り初舞台。8歳で七代目市川染五郎を襲名。2018年1月、歌舞伎座 高麗屋三代襲名披露公演『壽 初春大歌舞伎』で十代目松本幸四郎を襲名する。舞踏の名手でもあり、松本流家元・松本錦升も兼ねる。俳優としても知られ、演劇、テレビや映画など幅広いフィールドと役柄で活躍中。「大阪・関西万博」アンバサダーも務めている。7月5日から『歌舞伎座 七月大歌舞伎』に出演。夜の部「鬼平犯科帳」では演出も担う。同じく7月5日、主演を務める連続シリーズ『鬼平犯科帳 暗剣白梅香』が放送・配信。https://koshiro.jp