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2019.10.05

【第10回】

高畑充希似の美人看護師。どんなにキレイでも男が本命にしない理由とは?

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

構成/木村千鶴

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「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

シーズン2のテーマは、ズバリ、今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人だってときには恋に傷つくこともあるかもねという推論のもと、美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第10回のゲストは、看護師の充希さん(33歳)です。
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半年も一緒にいたのに「ごめん、妹としか見られない」と言われ

── こんにちは、林です。今日はよろしくお願いします。早速ですが、このコーナーでは似ている芸能人の名前でお呼びしているんですが、クリッとした目が高畑充希さんに似ているような……。

「そうですか? ちょっとうれしいです(笑)」

── では本日は充希さんと呼ばせてください。充希さんは看護師さんと伺いましたが、何科で働いているんですか。

「小児科です」

── 小児科ですか。それでは患者さんと知り合って恋愛に……ということにはならないでしょうが(笑)、院内で恋愛とかってあるんですか?

「恋愛というか、看護師になったばかりの頃だったかな、医局の先生と凄く仲良くなったんです」

── おっ!

「毎週一緒に出掛けたり、彼の部屋でご飯食べてDVD観て過ごしたりする関係が半年くらい続きました。でも彼、一切手を出してこないんです。キスもしてない。なんなんだろうこれ、と思って」

── え~いい大人なのに。

「ね、だから業を煮やしてと言いますか、『私あなたが好きなんだけど』って言ってみたんですよ。そしたら『ごめん、妹としか見られない』って」
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── え~何それ! そんなことってあるんですか⁉

「ですよね? 私もびっくりしちゃって。少女漫画以外で聞いたことないなって(笑)」

── 本当に! 僕、女性からよく質問されるんですよ、彼は私のこと妹みたいに思っているんでしょうかって。いやそんなわけはない、男は心の中でエッチなことしたいって思ってますって答えてたんですけど(笑)。そんなことあったんですね~。

「そうですよ(笑)。だって『いつ告白してくるのかな』って思っていたのにそう言われて、凄い衝撃を受けて。挙句の果てに結婚しようって思ってる彼女がいるって」

── え~~衝撃!

「週2で遊んでたのになんで?って思いますよね。で、よく聞いたら大学時代から10年くらい付き合ってる同じ歳の彼女がいるって。私は手を出されたわけじゃないので何も言えませんが、トンチンカンといいますか」

── うぇ~! 女性が応じてくれないって話はよく聞きますけど、逆でもあるのか……。

「けっこう落ち込みましたよ。しかもその直後にその長く付き合った女性と別れて、なんと同じ病院の看護師と電撃結婚したんですよ!」

── え~っ‼ なんだ嘘つき~!って感じですね(笑)。でもそれタイミングがずれたら、ちょっと違う結果になってたのかもしれないのかなぁ。

「いえ、どうでしょう。たぶん私のことは本当に対象外だったんじゃないですか」

── だってこれだけかわいいんだから、チャンスがあれば男性は皆口説きにいくと思いますけど。

「いえいえ、私モテないんです」

── いやいや、皆さんそうやって謙遜します(笑)。

「なんというか、本質的にモテないというか、なんか続かないし、本命になれないんですよ」

── ちょっと詳しくお聞きしましょうか(笑)
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生まれて初めてひと目ぼれした彼は安田大サーカスの団長?

「じゃあ順を追って(笑)。大学生の頃、サークルの歓迎会でチャラチャラした感じの人に猛アプローチを受けて、付き合ったんですね。最初は向こうが好き好き言ってきたんですけど、そのうち私の方がのめり込んでしまい、ある日突然フラれちゃったんです」

── え~、突然に?

「前日会ってた次の日に、もう好きじゃなくなったって。まだ3か月くらいしか付き合っていなかったんですよ」

── なるほど~。パッと盛り上がって突然終わる、そういう感じですかね。

「それでわかりやすく落ち込んでたら同じ看護学科の男子の同級生がとても慰めてくれて、友達だったんですけど、付き合おうって」

── 慰めてくれてるうちにそういうことになるってよくあるパターンですよね。

「そうです、それ。僕じゃダメかな?的な(笑)。私も弱ってたので付き合ったみたら、また同じパターン。私の方が凄く好きになっちゃって、すると向こうに重いってフラれて」

── 凄い好きになっちゃうんですね。そのパターンが決まってるんだ。

「そうなんですよね……。で、次は、最初に言った医局の人の件で落ち込んでる時に、友達に誘われて街コンに参加したんです。そこで私は生まれて初めてのひと目ぼれをしました。こんな自分の好みの人がこの世にいるんだ、って」

── そういうことあるんですね~。

「それで、妹にしか思えないって言ってた彼のことは吹き飛んだんです」

── わ~いいですね~! それは良かった。

「その時はじめて自分からアプローチをかけました。結構押して押して、付き合ってほしいといって半ば強引に付き合いましたが、私はまた好きになり過ぎて、3か月くらいでフラれました。彼、とてもモテる人だったんですよ」

── ちなみにルックスは誰に似てるんですか。

「私の中では向井理だったんですけど、友達は全然違うって言います。安田大サーカスの団長だねって」

── ワハハ!
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ほかに女がいてもいいからって言ってしまったんです

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「フィルターがかかっちゃったんですね~(笑)。でも私、フラれてもあきらめられなくて……今思うと半ばストーカーのようにしょっちゅう電話かけたり……。向こうも完全には拒まず、中途半端な感じで6年、だらだらと都合のいいセフレを続けてしまったんです」

── あ~、そうか、向こうはセフレ扱いしたんですね、こちらの気持ちが残ってるのをいいことに。

「そうですね、気が向いたら遊んでくれる感じです。それでも今日は他の女と会うからダメって断られたり」

── わ~そんなこと言われちゃうんだ。

「他にもいるけどそれでもいいならって言われて、それでもいいって言ってしまったんです。今から女が来るから帰れって言われたことも」

── え、帰れって言うんですか? そういう言い方で?

「はい、そうです。もう病気だったと思います。何をしてても彼のことを考えていて、20代はほとんどその人のために使っちゃいました」

── え~。

「私の中で男性は、“彼か、彼じゃないか”だった。彼より魅力的な人はいないと思えて、誰とも付き合わずに」

── そんなことあるんですね……

「でも結局、彼は私が30歳くらいのときに『俺、他の女と結婚するから、お前のこと切るわ』って」

── 切るわ、って……。

「はい、他の女はみんな切ってる、お前が一番めんどくせえんだよって言われました」
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── え~、本当にそんな言い方するんですか、ひどいな。そんな扱いされても、充希さんは会えればうれしかったんだ。

「会えるだけで、顔が見れるだけでよかったんですね。連絡が取れないなんて考えられなかった。もう病気だったので」

── 周りの人たちもいろいろ言ってくれるでしょう。

「もちろん、友達はみんなもうやめなって止めてました。クソ男なのは重々承知ですけど、好きすぎておかしくなってるんですね」

── これ良くないな、カウンセリングとかを受けようかな、と思わなかったですか。

「彼に他の人と結婚するって言われて、二度と会えないなら死にたい、彼以外の男性は気持ち悪いって感じて、困り果ててカウンセリングに行きました」

── 効果はありました?

「んん~、傾聴代でしたね。先生には自分が嫌だと思う自分も愛してあげなさいって言われて、涙するみたいな。でも結局時間かけるしかないんです。事実を受け入れるしかない。最後に彼に会ったのはもう2年くらい前です」

── もう立ち直りましたか。

はい、もう大丈夫です、本当に。ここ2年くらいでようやく大丈夫になりました(笑)。
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二番手の誘いはありますが、本命にはなれません

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── じゃあ彼以外に良い人は出てきました?

「昨年かな、いいなと思った人が出来たんです。30過ぎてるし、頑張らなきゃって思って連絡先書いた紙を渡して」

── わ~よかった~(笑)。

「それから毎日LINEして、食事に行ったり遊びに行ったりする中で、私のことを看護師として尊敬しているとかいろいろ褒めてくれる人で。小児科の院内学級に来てくれる先生なんですけど」

── あ、真面目な人なんですね!

「はい、素敵だなって思ってて。彼も、私と会えるだけでうれしいです、なんて言うんで、これイケるんじゃないのかなって思ったんですが」

── はい、あれ?(笑)

「彼女がいたんですよ(笑)!」

── わ~でた~(笑)!

「それに気づいたので、もう会うのも連絡を取るのもやめましょうって連絡したんですが、彼から『彼女がいるけど、あなたのことが好きでした、あきらめられませんでした』って返事がが来て」

── おお~。

「あれこれのやり取りをするうちに、結局また会いましょうってことになって、会ったら、私も好きだなって思っちゃって、親密になっちゃったんですよね」

── あらら。

「そしたらやっぱり良くないよね、って話になって……、結局、また私がフラれたんです」
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── あれですね、何故かセカンドになっちゃうんですね。

「そうなんですよ、二番手の誘いはめっちゃあります。でも1番にはなれません」

── 充希さん、付き合った彼氏とずっと楽しく過ごせたことってないんですか。

「高校生の時には、みんなの公認という感じでずっと付き合ってたとてもすてきな彼がいました。進学した看護大での課題が忙しすぎてお別れしたんですが、実は何年か前に会ったんですよ」

── あ、それはいい!

「その時、彼が『ぼくと結婚しようか』って言ってくれたんですけど、私はあのしょうもない男が忘れられない時期で……」

── あ~‼もったいない。もう呪いかなと思ってしまうくらいだ(笑)。

「あの時、私が正常で、彼と結婚していたら、人生違ったでしょうね。きっと幸せだったろうと思います(笑)」

── タイミングが悪いというか、なんでそうなるんでしょうね。もしかしたらそれを考えるのも人生かもしれません。貴重な話をありがとうございました。
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【林さんから〆のひと言】

うーん、本当に恋って難しいですね。充希さん、何度も良い出会いがあったはずで、今度こそは幸せになってくださいね!

★この連載では登場していただける女性を募集しています

林さんに自分の恋愛観・恋愛体験をぜひ語ってみたいというアナタ。簡単な自己紹介文と写真、どんなことを話したいかを添えて下記までメールでご応募くださいませ。お願いするかたには担当よりご連絡させていただきます。
メール宛先/s1209@mb.shufu.co.jp
件名は「美人はスーパーカーである募集」でお願いいたします。

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BAR BOSSA(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185

林伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。初の小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)も話題。

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