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2022.03.27

【第59回】

「好きな人といても、朝には帰りたい」バリキャリ美女の悩み

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第59回のゲストは前回に引き続き、美紀さん(35)です。前編では、片思い好き? という性格や、アプリで知り合った男性とのエピソードを語っていただきました。後編では、過去の男性遍歴をより深掘りします。
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後輩に私のことを彼女だって言っているのを聞いて、驚きました

── 前回、アプリで会った男性はお店も決められなくて嫌だったとのことですが、美紀さんは男性の好みは一定なんですか? いつもこういう人に惹かれるんだよね、みたいな。

「そうですね、共通するのは、私に振り向かない男です(笑)」

── あ、そうだった(笑)。

「私、友人と好きな人が被らないんです。コンパでも人気がないタイプに急に一目惚れして、『あれのどこがいいの?』なんて言われると、なんかすごくゾクゾクする(笑)。みんなわかってないね〜って」

── あれだ、私だけが知ってる彼の良さ、みたいな。でもそれって悪い男なんじゃないですか?  女子の評価が低いって。

「なんか、冴えない感じ? なんて言うんだろう、典型的なイケメンでもなく、オラオラでもなく。でも誠実ってわけでもなく、陰で遊んでる、みたいな」

── それ、やっぱりダメじゃないですか(笑)! で、そういう人を好きになっちゃって、こちらからアクションかけると振り向いてくれない、と。
「うん、もう全然! サシでは会ってくれない(笑)」

── もしかして、長く付き合った人ってあまりいないですか。

「最初の人が一番長かったかな。でもその後に1年半付き合った人は、元彼になってからも長かったです。レアケースかもしれない」

── その彼とはどうやって付き合ったんですか。

「最初からちゃんとしてたわけじゃないんです。体の関係になって、半年くらい経った頃だったかな、一緒にいる時に彼の後輩から電話が来て、彼が『ごめん、今、彼女が来てるんだよね』って言ったんですよ。それ聞いて、『え! そうなの?』って言ったら、『えっ!?違うの!?』って言われて」

── ワハハハ!

「まあそんな感じで始まってましたね(笑)」
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夜だけ会うのって、彼女なの?

── 体の関係から始まっちゃって、それでも彼女になりたくて頑張ってる女性の話はよく聞きますが。

「急に彼女だって言われた瞬間、思い返すとなんか、彼女じゃなくない? って思ったんですよ。夜だけ会って、朝には解散して、また夜会って。その関係で彼女なのか? って」

── あ〜、昼デートするかどうかはポイントだって聞きますね。

「そうそう。連絡の回数が多いとか、周りの人に紹介し合うとか、そういうのもなかったし。でも彼女だっていう自覚があってこれだったの? って思うと、付き合うってこういうもんじゃなくない? ってもう、発作みたいにわーっと爆発しましたね。

まあそこから1年くらいダラダラと付き合ってたんだけど、この関係性では私の精神が安定しないので別れて、それでも3〜4年ズルズルと続いてしまいました」

── 彼のことは、好きだなって思ってたんですよね? お互いちゃんと向き合う関係にはなりたくないんですか。

「あ〜、その辺がこの感覚のターニングポイントになっていると言いますか。彼は人と長時間いられない人なんです。泊まっても起きたらすぐ帰っちゃう。そういう人と長くいて影響を受けたのか、私も人の家にダラダラいる行為がダメになっちゃったんですよね、朝の、あの独特の感じが嫌で。早朝に起きて一回家に帰りたい」

── あ、その感覚わかります。でもそうすると、同棲とか結婚ができないですよね。僕の友達もそういう人で、でも2日も3日も一緒にいても大丈夫だった人と出会って、その人と結婚しました。美紀さんは結婚願望はないですか?
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結婚について“検品が済んだ証”という気持ちがあります

「ありますし、なんなら人より結婚願望は強いと思う。この年齢になってある程度仕事でも責任を持たせてもらえる立場になると、なんていうか、結婚してるかどうかって、査定された感じがあるんですよね。“結婚できない女”のレッテル貼りも感じるし。バツイチだったらまだなんか、カッコいい気がする」

── カッコいいというか、まあしたんだなって。

「そうそう、検品が済んでる、みたいな。結婚ってふたりだけの問題じゃないでしょう。親に対しても合格が出て、あの面倒くさい書類もこなして、それで人と生きていく、一緒に暮らすこともクリアできている。

それがゲートを通ることができた人、検品が済んだという証だっていう気持ちがずっとあって。変な話ですけど、諦めっていうのでもなく、とにかくバツイチにはなりたい、検品を済ましたいって思ってるんですよ(笑)」

── でもやっぱり人と暮らすとか、そういう行動にはなってないわけですもんね。

「はい。交際って形も自分の中ではすごくハードルが高くなっちゃいましたね」

── でもデートとかエッチは大丈夫なんですよね?

「ええ、今もお気に入りの人は何人かいるので」

── ちなみにお仕事は何をされているんですか。

「広告代理店で仕事をしています」

── ずっとその仕事ですか。

「いえ、営業職からの転職です。それから出会う人も変わっていきました。昔からミーハーなところがあって、華やかな業界に憧れてたんですよね(笑)。今はその人たちと、仕事だけでなくプライベートでも対等に共通言語で話せるようになり、30代になってからが楽しいです」

── それは良かったですね!

「そう思ってます。女子会で男の話ばかりをする行為が、もうつまらなくなってるんですよ。結婚もしてないし、彼氏もいないからネタがないし、ひたすら『婚活』という名目で話をすることに飽きてしまった」

── 婚活をしてた時期もあったんですね。あの、結婚する時の条件として、優先順位があるとすれば何が大事に考えますか? 収入とか、話が合う、性格がいいとか、セックスが合う、ルックスが好みだとか。

「会話が合う人が一番大事かもしれない。会話が楽しい人って、結局仕事もできるし、そうなるとお金も持ってるし、センスもいいんだと思います。

でも婚活してた頃はそのことに気づかずに、見た目だったりお金だったりっていうわかりやすいことを追い求めちゃってたんですよね。話なんか全然通じなくてもいいとか(笑)。でも結局、喋ってて面白い人には全部ついてきてるなって思いました」

── そう思います。会話が面白いって地頭がいいってことだし、人がどう考えているかを想像できるってことだから。
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関係が深まるまでは、友人を交えた気軽な誘いにしてほしい

── 男性からどんな誘い方をされるとうれしいですか。

「さっきの話と矛盾しちゃうんですけど、何月何日何時から水族館、とか言われちゃうと、なんか行きたくなくなっちゃうんですよ。もう直前まで本当に行きたくない、嫌になっちゃうんです」

── あ、それ凄くわかります。

「わかってくれてうれしいです。なんか構えてしまうので、関係が深まるまでは長時間一緒にいるようなデートは避けたい。凄くスムーズで良かったのが、『今日○時から友達と飲んでるから、良かったら顔出さない?』って誘い方ですね。

それで何度か慣らしてからの方が、関係が深まりやすかった。あとは時間の問題で、0時過ぎだったら確実に舐められてるんだけど、仕事帰りみたいな時間設定で、もし時間に余裕があったら寄らない? みたいな」

── それ、いい誘い方! 気軽でいいですよね。

「うん、二人じゃないから気も張らないし、そんな感じがいいですね」

── お互いにいいですね。行けなくても断りやすいし。

「そうそう。まだ恋愛関係になるか分からないから、何人か交えていた方がいいと思うんです。こちらが女友達と飲んでる時にも『嫌じゃなかったら混ざらない?』って誘いやすいし」

── そういう雰囲気っていいですよね、お互いの友達も増えるし。

「うん、会話も広がるじゃないですか。こないだいた誰々が、みたいな共通の話題ができるから」

── それ助かる! 話が広がりやすい。初めに一対一で変な質問投げ合うよりよほどいいですね!

「そう、変な方向にも進まないだろうし、お互いの人間性が見えてくるから」
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── 美紀さんは、人間付き合いは好きなんだけど、距離感を重視するというか、一定の距離を保っていたいんですね。僕もそうなので、凄く共感できます。でも、そうすると結婚は大変かも。自分に合う人ってどんな人だと思いますか。

「さっき林さんがおっしゃった通り、1日中一緒にいられる人かも(笑)。そういう人を探したいなって思います」

── 旅行に行ったらいいんじゃないですか? 結婚前に1週間旅行とかするといいってよく言いますよ。それでも嫌にならなかったらいいって。

「そんなハードルの高いこと無理です〜! まずは丸一日というハードルを超えてからじゃなければ(笑)」

── 今現在の恋愛事情って、どんな感じですか。

「曖昧な関係の人がいますね(笑)。今、私の中での大事な人。あとは3年ダラダラ続いてるセフレがいます」

── あ、同時進行しているんですか。

「同時進行というか、ベクトルが違うんですよ。セフレの彼は精神安定剤みたいな役割をしてくれているから、なんか手放せなくて」

── そうして分散させるのも、それはそれでいい付き合い方なのかもしれませんね。今日は面白い話を聞かせてくださりありがとうございました!

【林さんから〆のひと言】

美紀さん、ご自身でもそのスタイルでは恋愛はうまくいかないとわかっているのに、そのままの自分を通しているのが正直で、面白いお話をたくさん聞けて勉強になりました。これからも恋愛を楽しんでくださいね。

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。

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