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2021.06.25

コロナよサヨナラ。ニューヨーク市の経済が完全再開!【前編】

コロナ禍で刻々と変化するアメリカの現状をニューヨーク在住の元LEON編集部員、菅 礼子がお届けする本シリーズ。ニューヨーク州は1回目のワクチン接種を終えた人が70%を越えたことを受け、ほぼすべての制限の解除を発表しました。今回はコロナ後に向けて走り始めたニューヨーク市民の生活事情についてレポートします。

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取材・文/菅 礼子

辛い時期を乗り越えたニューヨーク市は歓喜のムード

ニューヨーク州は1回目のワクチン接種を終えた人が70%に到達したことを受け、6月15日にアンドリュー・クオモ知事が会見を開き、ほぼすべてのCOVID-19による制限の解除を発表しました。これによりマスクの着用やソーシャルディスタンシングの確保、レストランの入場制限などが解かれました。

当初は7月1日の経済再開を目指していただけに予想外のうれしい前倒しのニュース!  約1年3カ月前は地獄絵図と化していたニューヨーク市はどう変わっていくのでしょう?
▲ 賑わいを取り戻すユニオンスクエアのマーケット。マスクをしていない人も多いんです
パンデミックによりロックダウンが起こったのが2020年3月末。突然の経済シャットダウンと新型コロナウイルスによる死者が急増したマンハッタンの街並みを今でも思い出します。スーパーは食料買い占めを目的とした人々で溢れ、毎日報道される右肩上がりに増えていく死者の数(3月末から4月前半にかけてはニューヨーク市内だけで一日約700人の方が亡くなっていました)に震え上がり、みんながナーバスになっていました。

その後、Black Lives Matterのムーブメントやアジア人襲撃のアジアンヘイトなど、本当にアメリカではパンデミックをきっかけにいろいろな社会の歪みがあらわになったと感じます。

あれから1年3カ月、ニューヨークは経済再開の宣言とともに着実にパンデミック前の生活に戻ってきていて、素直にうれしく思います。アメリカでは今年に入ってからワクチンの接種が高齢者を優先に始まり、その後急速に一般の人たちに広がっていきました。ワクチン接種を完全に終えた人たちのことを“fully vaccinated”と呼んでいますが、これはファイザー社、モデルナ社の2回の接種、ジョンソン&ジョンソン社の1回の接種を終えてから14日経過した人たちのことを指しています。

この“fully vaccinated”の割合を見ても、政治でいわゆるコンサバ派の州はワクチンの接種率が低く、リベラル派の州の方が接種率が高いよう。ニューヨークタイムズ誌のレポートによると、“fully vaccinated”が50〜60%を超えている州はマサチューセッツ州、バーモント州、オレゴン州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ロードアイランド州などで、軒並みリベラルな州が揃っています。

一方、“fully vaccinated”が30%前後にとどまっているのはルイジアナ州、ミズーリ州、アーカンソー州、ミシシッピ州、アラバマ州など、コンサバ州。パンデミック中も「コロナは嘘だ!  そんなものは存在しない!」などと言っていたような場所です。ワクチン接種ひとつ取っても社会構造や政治的背景が垣間見られるのだから国土の広いアメリカは面白いなと思います。
▲ パンデミック中は地下鉄での演奏も禁止に。久しぶりの再開イベントが行われました
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モデルナ社のワクチンを実際に接種してみた

筆者も先日無事に2回目のワクチン接種を終え、晴れて“fully vaccinated”の仲間入りを果たしました。ワクチンは街中にある薬局ウォールグリーンや大型スーパーマーケットのウォールマートなどで予約を取って接種できますが、最近では予約もいらないと聞きます。マンハッタンでは映画などでも有名な「アメリカ自然史博物館」がワクチン接種の会場になっていて、一番人気の接種会場などと言われています。
▲ ワクチン接種の人気会場となっているアメリカ自然史博物館
筆者はスケジュールを見て接種会場を決め(味気ないウォールマートのスーパーでした)、予約をしてワクチン接種に向かいました。

会場ごとにどこの会社のものが受けられるのか分かれているのですが、筆者はモデルナ社のワクチンを接種。周囲の友人などを見てもほとんどの人がファイザー社かモデルナ社のものを選択していて、ジョンソン&ジョンソン社のものは安全性を懸念する人もいて不人気のようです。

第1回目の接種は無事に終了。ワクチンを受けた証拠となる“Record Card”をもらって、約1カ月後に次回の予約を取って帰宅しました。一回の接種で70〜80%ほど発症が抑制できるとのレポートもあり、2回目を受けない人々が約8%いるとも言われています! でも確証はありません。みんなきちんと2回受けましょう。
▲ 野球やバスケットの試合でもこちらを見せて入場することになります
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筆者が1回目の接種を受けた時にはすでに多くの友人が2回目を受け終わっていたため、2回目の副作用の恐ろしさを聞いていました。ほとんどの友人が翌日悪寒、発熱にうなされていたので、接種翌日は一切予定を入れない方がいいと言われていました。

そして迎えた2回目。水を大量に飲んだ方がいいという友人のアドバイスもあり、前日から水分を多く飲み、接種。私は12時間後の翌日明け方に悪寒で目が覚め、キタ!っと思い、熱を測ったら38.5℃の発熱。体中が痛く、解熱鎮痛剤のTylenolを定期的に飲まないとその日は乗り切れませんでした。正直、結構辛かったです。

多くの人に聞き込みをしたところ、悪寒、発熱が最多で、頭痛、蕁麻疹、太陽アレルギーが出た人もいました。何事もなかったという人は一人にとどまりました。それでもワクチンを接種することで安心感を手に入れている人がほとんどと医師の方も言っていましたし、接種者の増加につれ、非接種者の感染リスクの増加や、非接種者がウイルスを拡散する危険も改めて指摘されています。

まだまだワクチン接種に懐疑的な人々も多いため、ニューヨーク市では、非接種者に接種を促すために「接種をしたら7日間の地下鉄無料チケットプレゼント」「一等賞には約5億4000万円の抽選券を贈る」「無料ビールを配布」など、さまざまな手を使ってワクチン接種をさせようと自治体は躍起のようです。

最近は友人に会うと「ワクチン打った?」が挨拶がわりのようになっているので、非接種者の肩身が狭くなることも予想されます。ニューヨーク市ではいくつかの施設でワクチンパスポートと呼ばれるQRコードの“Excelsior Pass”を取得しないと入れないイベントも増えてきています。

ヤンキースのゲームやNBAのバスケットボールの入場制限も「2度目のワクチン接種から14日経過した者」という規定があり、筆者は一度購入したNBAのゲームを逃すことになりました。このように、ワクチン接種者という証明がないと制限される行動も今後もっと増えていくのではないかと思います。
▲ “fully vaccinated”の基準を満たしていなかったため泣く泣く友人にチケットを譲ったブルックリンネッツの試合。ほぼ満席でみんなマスクはしていなかったよう
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ワクチン接種率の上昇、経済再開とともに家賃も上昇中

約1年前にはここ数年で見ることがなかったほど家賃が下落したマンハッタンですが、street easyという物件検索サイトのレポートによるとワクチンの普及とともに4月頃から家賃の上昇がまた始まったと報告されています。パンデミック中に市外へと脱出した人たちもいよいよ市内に戻って来ているようです。

筆者は8月のアパート更新に向け、新しいアパートを見つけようと毎日物件サイトを血眼になって見ていました。するとすでに物件争いは激化していて、いい物件は借主、購入主が実際に見ることなく契約が成立しているとのこと。要はいい物件は瞬時になくなってしまうので、物件を見ないでみんな契約してしまうそう。

さらに、アメリカは9月から新学期で、オンラインから対面授業に切り替わるところが多いため、学生の間でも現在アパートを探している人が増えてきています。8月からの入居となると不動産屋も7月に入ってからでないと契約してくれないので、いい物件を見つけたら早めから引っ越すしかありません。

面白いのはマンハッタンの中でもローワーイーストサイドやファイナンシャルディストリクトのように、レストランが多く、金融関係の職場もあってオフィス勤務が再開するエリア、繁華街的なエリアの家賃に上昇が見られました。小さいマンハッタン島の中でもオフィスが多いミッドタウンはまだまだ人が少なく、家賃も押さえられているようでいい物件が残っているようです。

筆者は事情によりファイナンシャルディストリクトで新しいアパートを探していましたが、いい物件はすぐに契約されてしまうので、今回も70%納得、という家を内見したすぐ後に電話をしてブロックしました。不動産業者も今はすでに家探しが激化していると話していたので、経済も回復してきているのだなと感じる次第。

内見したところも家賃高いな~! と感じる家なのですが、過去の家賃推移を見ると、2019年に比べ毎月の家賃が$900下がっているのでびっくり! 逆にいうとこの条件でプラス$900は払えないので、マンハッタンの家賃基準は恐ろしいものです。家探しは激化しているとはいえ、まだまだ遅くない! 今が探し時のようです。

活気を取り戻してきたニューヨークですが、まだまだパンデミック中に悪くなった治安は元には戻っていません。筆者は二人の女性の友人が地下鉄で黒人に襲われ、一人は顔面パンチ、一人は罵声を浴びせられています。他の知り合いは白昼マンハッタンのど真ん中で人が刺される現場に遭遇するなどまだまだ気をつけて行動しなくてはなりません。

【後編】では続々オープンするニューヨークのラグジュアリーホテルや新ショップをご紹介します。ではでは!

● 菅 礼子

LEON編集部で編集者として勤務後、2018年に渡米。現在はニューヨーク在住。男性誌や女性誌、航空会社機内誌などにニューヨークのライフスタイルの情報から世界中の旅の情報までを執筆する他、ニューヨークでクリエイティブエージェンシーのAYDEAを主催(www.aydea.co)。Instagram(@sugareiko)でニューヨークだけでなくアメリカ&世界の情報を発信中。

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