2017.12.27

犬と旅するクルマ、飛行機、新幹線のルール

愛犬とおでかけするとき、交通手段はクルマ、飛行機、それとも電車? 人も犬も快適で安全に旅をするための、ルールやポイントをまとめてみました。実は意外と知られていないことばかり!

CREDIT :

文/鈴木ゆうこ

「愛犬といっしょに遠くへ行きたい」「大自然を満喫したい」って思うこと、ありますよね。非日常な場所で愛犬と過ごすのは、かけがえのない時間。旅の計画からワクワクが止まらないはずです。

そんな愛犬との旅は、ワクワクする反面、交通手段が気になるところ。
長時間のドライブは大丈夫? 電車や飛行機って利用することができるの?
そんな疑問にお答えすべく、クルマ、飛行機、電車を犬連れで利用するときのルールを調べてみました。
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犬連れドライブは年々メジャーに!

まずは定番のクルマのお出かけにクローズアップ! 犬連れのドライブについて詳しく知るべく、大手自動車メーカーのトヨタ自動車に伺いました。

2016年のデータによると、15歳未満の子どもの人口は約1605万人(参照:国勢調査2016年)、ペットの飼育数は1972万匹(参照:ペットフード協会2016年)。子どもよりもペットの数が上回っている実態が明らかになりました。そして飼い主さんの関心事の上位には「犬との旅行、レジャー」「犬とのドライブ」がランクインし(トヨタ調べ)、愛犬連れでの交通手段はマイカーが約9割を占めていることが判明(トヨタ調べ)。愛犬といっしょに車で出かけるスタイルが増えてきたようです。

犬連れドライブの魅力は?

「犬はペットというよりも、家族の一員。そんな大切な存在である犬とのお出かけは、人も犬も心が豊かになります。ただ一方で排せつや周囲への迷惑を考えると、公共の交通機関を使用しにくいのも実情です」(以下、トヨタ自動車)

その点、プライベートな空間を確保できるクルマでのお出かけなら、愛犬のペースに合わせでスケジュールを組むことができて安心! 犬はもちろん人間もリラックスしてお出かけができます。目的地に着くまでの間も愛犬と楽しく過ごすことができるのも、クルマでのお出かけならではです。
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出発前、移動中、お出かけ先で、ココにご注意!

掲載車種は撮影時点のものです。
掲載車種は撮影時点のものです。
犬連れドライブは人も犬もリラックスできるのが魅力ですが、気をつけることは実はいっぱい。出発前、移動中、目的地に着いてからの注意ポイントを紹介します。

【出発前】プランを練り、自宅でお留守番させる選択も視野に入れて

愛犬と一緒に旅ができるのは最高ですが、連れていくことだけが正しいことではありません。ほんのちょっとのつもりで停車し、車中で待たせた結果熱中症にかかってしまうという事故例も報告されているそうで……。

「移動時間が長すぎないか、お出かけ先で犬を車中に長時間お留守番させてしまう可能性はないか、旅の計画段階できちんと確認を。場合によっては自宅でお留守番(または、ペットホテルや知人に預けるなど)させることも大切な選択です。そのほうが犬にとってはストレスなく過ごせるかもしれません。悲しい事故を未然に防ぐのは飼い主の思いやりです」
ほかには、

・遠出はお出かけに慣れてから
・初めての遠出はハイキングや牧場へ
・渋滞しそうなタイミングは避ける
・万が一に備え、迷子対策(迷子札やマイクロチップ)を万全に
・お出かけ先の動物病院を確認
・乗車直前のごはんは避ける

……をぜひチェック!
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【移動中】犬が過ごすポジションの温度をチェック!

ドライブ中は犬をケージに入れて後部座席や荷室に乗せるのが、安全で快適な方法と言われています。しかし一方で、車内でのケージの環境には「熱中症」を引き起こす要因が潜んでいるそう。

「クルマ内では人はエアコンの吹き出し口の近くに座るため快適ですが、犬が過ごすケージの中は、温度が高くなりやすい場所。ケージがエアコンの風を遮ってしまうことがありますし、犬の呼気は体温を外に放出しているため熱く、吐く息でさらに温度が上昇することも。犬がいるポジションの温度をこまめにチェックし、ケージは風通しの良いものを選ぶようにして。また、急ブレーキや急発進は避けてくださいね」
ほかには、

・クルマに乗せる・下ろす際は安全に
・車内に誤飲の可能性があるものを置かない
・車酔い対策をとる
・適切な大きさのケージに入れ、車内でフリーにしない

……をぜひチェック!

【お出かけ先】犬だけで車内にお留守番、は絶対にダメ!

短時間なら大丈夫だろうと犬だけを車内に置いてクルマから離れてしまうこと、ないですか? これは絶対にNG!

「季節や外気温に関わらず、犬だけを車内に残すことはやめてください。短時間であれば、日陰であれば、という認識は事故につながります。どうしてもお留守番させなくてはいけない際は、屋外の日陰につなぎ、水分補給ができるようにするなどの配慮をして」
ほかには、

・こまめに休憩をとる
・サービスエリアでの拾い食いに気をつける
・クルマから降りる際は、飼い主さんから!
・サービスエリアでの交通事故に注意

……をぜひチェック!
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【もしものとき】熱中症かも?と思ったら、呼吸のチェックと水分補給を

「普段と違う浅く早い呼吸になっていたら、涼しい場所へ移動して休息を。そして、2倍程度に薄めたスポーツドリンクや専用ドリンクで、すぐに水分補給をしましょう」
熱中症対策の基本は人も犬も同じなんですね! そして体を冷やすことも重要。

「体に水をかけたり、ビニール袋に入れた氷を体に当てて。頭や脇の下、後ろ脚のつけ根を冷やすと効果的。うちわなどであおいで風を送ると、気化熱によって体温が下がります。ただし、冷やしすぎは禁物。体温調節を行う体温中枢が壊れてしまい、体が冷えすぎて体温が戻らず、死に至るおそれも。体温計でこまめに計測し、39度まで下がったら冷やすのをやめましょう」

体調が気になる場合は、動物病院へ。お出かけ前に動物病院をリサーチしておくと、突発的な出来事にもスムーズに対処できますね。

★さらに詳しくはこちらをチェック! 

犬連れドライブにおすすめ! クルマ&カー用品

愛犬が落ち着いてドライブできる快適な空間を目指すなら、適度な広さと安定した床面ははずせません。乗り降りのストレスがないスライドドアや、シートアレンジも犬にやさしい機能です。快適な犬連れドライブにぴったりの「ヴォクシー」とカー用品をご紹介。

ヴォクシー

ヴォクシーとカー用品。大きなラゲージスペース
大きなラゲージスペース
セカンドシートを前にスライドさせてサードシートをはねあげれば、広大な荷室空間ができ、大型犬用の大きなケージを積み込むことができるヴォクシー。シートアレンジが自在で、愛犬とゆったりくつろぐことも。後席空調システムにより、愛犬のいる後席の室温がいつでも快適に保たれるのも嬉しいポイントです。
自在なシートアレンジで、愛犬とくつろげる広々空間
自在なシートアレンジで、愛犬とくつろげる広々空間
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ペットシートカバー

ペットシートカバーをかけるだけ!
ペットシートカバーをかけるだけ!
ペットシートカバーはS、Mの2サイズで展開。
ペットシートカバーはS、Mの2サイズで展開。
セカンドシート全体を覆い、シート・トリムへの汚れやひっかき傷、抜け毛の付着を防ぐペットシートカバーは15キロ以下の犬に対応するもの。汚れたら丸ごと水洗いも可能です。

犬にやさしいクルマやカー用品を充実させたら、犬連れドライブがさらに楽しくなりますね! 愛犬と安全なドライブへ、いってらっしゃい!
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飛行機の客室へは犬連れNGです。

遠方への旅は飛行機が便利。飛行機はほかの交通手段に比べて短時間で目的地に到着するのがメリットです。ただ犬連れで飛行機を利用するときには、きちんとリサーチして事前に注意事項を確認した上で利用することが大切です。今回はANAのドッグポリシーから、飛行機の利用について調べてみました。

国内線でも国際線でも、残念ながら犬は飛行機の客室には入ることはできません。
空港に到着したら手荷物カウンターへ預けます。その後はケージのなかで搭乗時刻まで空調のきいた場所で待ち、係員が航空機内の貨物室(バルクカーゴルーム)に乗せて出発する流れです。貨物室は空調機にて湿度や温度の管理がされていますが、外気温などの影響により客室とは環境が異なる場合も。普段と異なる環境のため、お出かけ前に獣医師に相談するなど、飛行機の利用の判断は慎重に。

健康状態に不安がある場合や、長時間飼い主さんと離れることに慣れてない場合などは、事前に獣医師に相談を。また、犬種によっては利用できない時期もあるので、ホームぺージで確認しましょう。5月1日から10月31日の夏季は、ケージに保冷剤、給水器を取り付けるサービスがあるので、希望される方はカウンターにてグランドスタッフにリクエストしてみては。

【預けられません!】

・航空機の利用に適した健康状態ではない
・妊娠している
・若齢(生後4カ月未満)である
・心臓疾患、呼吸器疾患がある

【5/1~10/31まで預けられない短頭犬種】

ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ

鼻の短い犬種は暑さに弱いため、夏場は飛行機に乗れないんですね。ANAのホームぺージでは、ペットの健康状態のチェックシートやこまかな案内があるから、飛行機を利用する前にじっくり読んで準備をすると安心です。

■ ANA(ペットをお連れのお客様)

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犬連れで電車に乗るには?

電車では手荷物として持ち込み可能。ただし諸条件アリ!

多くの人にとって身近な交通機関である電車や新幹線。愛犬連れのときも利用したくなりますが、ちょっと待って! 公共の交通機関である電車や新幹線の利用には、ルールがさまざまあるのです。JR東海に詳しく聞きました。

「電車には、ほかのお客さまに危害を及ぼすおそれのあるものや、車両を破損するおそれのあるものの持ち込みを禁止しています。持ち込めないものに動物も含まれていますが、小型の犬は条件を満たせば有料で持ち込むことが可能。ただ条件がいくつかあり、必ず全身が入るケースに入れ、さらにケースの制限サイズを超えない場合に限ります」(JR東海=以下同)

●サイズ

・長さ70cm以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90㎝程度のケースに入れたもの
・ケースと動物を合わせた重さが10㎏以内

●料金

・1個につき280円。改札口で荷物を見せ、「普通手回り品きっぷ」を購入

なるほど、タテ・ヨコ・高さの合計が90cm程度のケースというと、けっこう小さめ! 小型犬であっても車内に持ち込めない場合がありそうです。

ほかにも注意点が!

「駅構内や車内で犬をケースから出す、犬を抱いたまま乗る、トートバッグに入れるなどの状態ではご利用いただけません。ドッグスリングなどの布状で形態が固定しないものも、たとえ全身が入っていても同様です。ケースに車輪や手押し用の取っ手等がついている場合(ペットカートやペットバギーなど)については、車輪や手押し用の取っ手などを含めた全体の大きさがペットケースの制限内である場合のみ、有料の手回り品としてお持ち込みいただけます。また、規定のサイズをクリアしていても、ケースから顔がでていると、ほかのお客さまのご迷惑になるので、駅構内や車内においても顔もきちんと収納するようにしてください」

電車は公共の乗り物。犬が逃げ出したり噛みついたりしてしまうと一大事ですものね。利用する鉄道会社の手回り品ルールを事前に確認したうえで、利用すると安心です。マナーを守って愛犬との電車旅をお楽しみください!

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