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2025.11.24

特集/愛すべき“無駄”愛おしい“家” 【1】

あえて“使わない空間”を自在に使う「ピロティ」の効果とは?

女性に対してついロジックで結論を導き出そうとするのが男性脳の性。むしろ、何気ない会話や意味もなく一緒に過ごす沈黙といった“無駄"こそが関係を豊かにしてくれるものです。それは“家”においても同じ。効率を求めない“無駄”にこそ、その先にある快楽があるのかと。今回は、そんな愛すべき“無駄”がある愛おしい“家”「森のピロティ」をご紹介。

CREDIT :

写真/Hisao Suzuki 文/清水香里、植本絵美 編集/市村広平、星野真琴(ともにLEON) 協力/iStock、アフロ

「正論が欲しいんじゃない、共感してほしかっただけ」。そんな女性の言葉にハッとした経験はありませんか?つい筋道立てて結論を導きがちな男性脳ですが、現実は必ずしもロジックどおりに運ばないもの。

むしろ、気持ちに寄り添う何気ない会話や、意味もなく一緒に過ごす沈黙といった"無駄"こそが、ふたりの関係、そして人生を豊かにしてくれるのです。

それは、“家”においても同じ。1階を空けたピロティ、遠回りを楽しむ回廊、地面に寄り添う平屋──。こうした“無駄”にこそ生まれる“間”や“余白”は、効率性が支配する現代社会に対するカウンター的な“贅”の象徴といえましょう。

合理性を裏切った先にある、大人の快楽。そんな愛すべき“無駄”の境地を愛でようではありませんか。

■ 愛すべき無駄 その1

世俗から浮遊するピロティ

忙しない日常をふと離れたい時、いっそのこと物理的に離れてしまうという発想もあります。建物の1階を柱だけで支え、あえて“使わない空間”としてそっともちあげるピロティ。

容積効率も構造コストも決して合理的とはいえない建築スタイルですが、空間に与える軽やかさと開放感は抜群。1階部分は風と光を通し、緑が生きるオアシスを生み出します。

使うためではなく感じるための空間──浮かび上がる静寂は、まさに大人のサンクチュアリです。
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【HOUSE-01】 森のピロティ

細いピロティ(柱)が、ツリーハウス的浮遊感を演出

北軽井沢の森の中に浮かぶように立つ「森のピロティ」。地上6.5m、2階建ての屋根と変わらない高さに居住空間をもちあげ贅沢にも1階すべてを大空間のピロティに。自然と一体となって過ごせる工夫が満載の別荘です。

住宅とは思えない圧巻の見晴らし

森のピロティ 長谷川 豪/長谷川豪建築設計事務所
9本の細い鉄骨によって建物が高さ6.5mまでもちあげられ、森の中に佇むさまはまるでツリーハウス。住宅を超えたスケール感が非日常感と圧倒的な眺めを提供してくれます。

1階の大きなピロティは森に囲まれた屋根のあるリビングとして活躍。バーベキューをしたり、柱にハンモックを吊るしたりしても◎。
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自然と一体になれる仕掛けがたくさん

森のピロティ 長谷川 豪/長谷川豪建築設計事務所
地上と2階をつなぐ軽やかなスチールの階段は、周囲の風景を邪魔しないよう極めてシンプルなデザイン。地上約6.5mからの眺めは圧巻で、階段を上る体験はなかなかスリリング! ピロティは駐車スペースにもなり、雨に濡れずにクルマと玄関を行き来できるのも便利。
森のピロティ 長谷川 豪/長谷川豪建築設計事務所
目線の高さに木々の緑が広がり、ツリーハウスで過ごしているような気分。ワンルームのLDKは木を基調にしたやさしい雰囲気です。
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森のピロティ 長谷川 豪/長谷川豪建築設計事務所
リビングの隣にあるテラスは、鳥のさえずりを聞きながら朝食を楽しむのにぴったり。屋根がルーバーになっているので、ワイン片手に星空を堪能できます。

DESIGNED by 長谷川 豪/長谷川豪建築設計事務所

日本を代表する若手建築家、長谷川 豪が率いる建築設計事務所。国内外で住宅やオフィスから集合住宅、礼拝堂まで幅広く手がけています。自然や周囲との関係を主軸に置き、シンプルながらも大胆な空間構成を得意としています。

TEL/03-3268-9321
E-MAIL/mail@ghaa.co.jp
HP/https://ghaa.co.jp/ja

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ピロティ下は秋のオアシス

何もないピロティは、逆に言えば何にでも使える場所。合わせるアイテム次第で楽しみ方、過ごし方は無限です。

風を通しつつおウチが屋根となって雨も直射日光も遮ってくれるので快適。無重力系の椅子があればピロティ下が心地よい秋風を感じられるオアシスに変わります。

コンフォルタ

別荘に取り入れたい憧れのハンモック

ハンモックチェア 20万6800円〜/コンフォルタ(リアル・スタイル)
▲ 20万6800円〜/コンフォルタ(リアル・スタイル)
ハンモックに憧れているけれど、吊るす場所がない。そんな時は、持ち運べるハンモックチェアを。シエスタの国、スペイン発の「コンフォルタ」は、コンパクトなサイズのフレームで設置場所を選びません。120本のロープが均等に体圧分散し、包み込まれるような座り心地。
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ラフマ

NASAの技術を活用した無重力チェア

クライニングチェア 6万7650円/ラフマ(谷村実業)
▲ 6万7650円/ラフマ(谷村実業)
バカンス大国フランス発、NASAの研究開発をもとに生まれたアウトドア用リクライニングチェア。“無重力ポジション”と言われる127度により、極上のリラックスを体感。たためて持ち運びも便利で、ソフトな座り心地は室内でも。アウトドア用にドリンクホルダーなどオプションも揃います。
Ⓒ︎Hisao Suzuki
2025年12月号より
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

谷村実業 0773-27-3169
リアル・スタイル 052-265-9581

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