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2025.07.04

【第9回】

富裕層が本気で狙っている終の住処「シニアレジデンス」とは?

富裕層向けコンシェルジュサービスを運営するアルカディア代表取締役の才津香果(さいつかぐみ)さん。贈り物選びから旅の手配などなど、世界のセレブリティのあらゆる要望に応えるなかで見てきた、富裕層の遊び方、暮らし方とは?

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構成・文/才津香果 協力/株式会社アルカディア 編集/森本 泉(Web LEON)

才津香果 アルカディア リアルセレブの遊び方 WebLEON   LEON
富裕層向けコンシェルジュサービスを運営するアルカディア代表取締役の才津香果(さいつ・かぐみ)さん。贈り物選びから旅の手配などなど、世界のセレブリティのあらゆる要望に応えるなかで見てきた、富裕層の遊び方、暮らし方とは? 今回は少し趣向を変えて、富裕層の終活がテーマ。富裕層の間で本気で動き始めている、“選ばれし終の住処”とは? その後編です。
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人生最後の勝負所は“住まい”だった

最近は特に増えているご相談がこれ。

「母に、どこがいいと思う?」
「父が元気なうちに選ばせてあげたい」

── そう、いま“終の住処”は本人だけでなく、「子どもが親のために探す」時代に突入しています。前回の記事(こちら)では、いまや老人ホームではなく「シニアレジデンス」の時代へと移行している現実をお届けしましたが、今回はその先。

いま富裕層の間で本気で動き始めている、“選ばれし終の住処”。その中でもお客様から問い合わせや評価の高い施設をご紹介します。まさに人気施設は争奪戦という状況──。

結論から言いましょう。

“人生のラストステージ”こそ、一番ラグジュアリーにいくべきです。
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【日本編】──人生の最終章は“ロケーション勝ち組”

グランクレール プレミア西麻布 (東京・西麻布)
なんと場所は西麻布……老人ホームどころかシニアという言葉さえ似合わないかもしれません。そして運営は東急グループ。ご飯は、元グランメゾンのシェフが監修。“施設食”なんて言葉はここには存在しません。昼は旬の食材を活かしたコース、夜はシャンパン片手にちょっと贅沢に。

さらに注目すべきは、この静寂。アマンホテル級の“張り詰めた高級感”が漂っており、まるで美術館でした。文化講座、美術講演など“知的イベント”も多数開催。脳みそが老いるヒマ、与えてくれません。ここは「静かに余生を」とは真逆の、“アップデイトし続ける都会派エリート”向け施設。知的好奇心が止まらない人にこそフィットします。

サクラビア成城 (東京・成城)
成城と聞いて「ああ、アレね」と返せる方にしか縁のない世界。それがサクラビア。入居は紹介制。つまり“誰でも入れる場所”ではないのです。“知る人ぞ知る”──ではなく、“知っていても入れない”。それがこの施設の最大の特徴。成城というだけで敷居は高いのに、さらに紹介制。つまり「自力では辿り着けない終の住処」。これはもはや人生最後のステイタス戦です。

中に入れば、そこは「静寂の社交クラブ」。茶道、華道、書道……日本文化のエッセンスを日常に溶け込ませ、“高尚”がデフォルトの空間。中では晩餐会が開かれ、茶道や華道が日常に。格も静けさも、完全なる“内輪のもの”。まさに、“知る人ぞ知る、知らない人は一生知らない”タイプの終の住処です。
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【海外編】──“老後も進化する人”だけが辿り着ける場所

Vi at Palo Alto(アメリカ・カリフォルニア)
GoogleやAppleの本社が近くにある、いわば“世界の頭脳の集結地”。そしてスタンフォード大学と連携しており、日常的に教授のレクチャーが受けられます。しかも、ただの“生涯学習”ではなく、入居者は元起業家やIT幹部など、実際の成功者たち。年齢は上がっても、野心と知的好奇心は20代のまま。

リタイアというより、人生の“第2プロダクト開発フェーズ”に突入していると言える施設。そして人生のキャリアもラストまでアップデイトし続ける人たちのオアシス。ここに来て「ボケたらどうしよう」とか心配してる暇、ありません。毎日がフル稼働の知的アドベンチャーです。

Les Jardins d’Arcadie(フランス・パリ)
「老いとは、美の最終形である」──そんなことをサラッと言ってのけるフランス人の感性が詰まった、まるで人生のエピローグを祝福するようなレジデンス。場所はパリの歴史的建築をリノベした邸宅。内装は、アールデコと現代アートが上品にミックスされ、住まいというより“芸術作品”。

週数回の文化サロンでは、クラシックや美術について語り、聴き、感じる。つまり、「心のシワを増やす暮らし」がここにはあるのです。老後を“余生”と呼ばせない。むしろ「今こそ、自分という名の作品を仕上げる時間」。──そんな気高き終の住処です。
※ちなみに「Vi at Palo Alto」の最高価の部屋は、El Dorado 3 Bedroom (約391㎡)。入居費用/761万6900USD(約11億500万円)~、家賃(月額)/1万4220USD(約207万円)~。施設側が毎年300以上の講座・アクティビティを催しており、さらには隣接しているスタンフォード大学の公開講座や講演、演奏会に簡単にアクセスできる。
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【番外編】“親”よりも“子”が動いているという現実

そして最近、顕著なのが40〜50代の子世代が先に動いているケースです。会員様や富裕層の家庭でも増加傾向にあります。その理由は?

• 「遠いと会えない。やはり都心がいい」
• 「要介護じゃなく、自立を応援したい」
• 「元気なうちに“予約”しておけば、選べる自由がある」

ある会員様の言葉が印象的です。

「父に“今なら選べる”って伝えたら、意外と前向きだった」
「西麻布なら、週1で顔出せる。それが私の親孝行です」
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“親に切り出す”セリフ集──ケンカせずに、心を伝えるために

ラグジュアリーな住まいが選べる時代とはいえ、最大のハードルは「親への切り出し方」だったりします。

「本人が元気すぎて、施設なんて話しにくい」
「興味を持たせるにはどう言えばいい?」

── そんな声を、日々たくさん聞きます。

実際、富裕層の子世代からのご相談では、「良さそうな施設は見つかったけど、親にどう伝えたらいいかわからない」というケースが多数。だからこそ、コンシェルジュとして“自然なひと言”のサポートも大切にしています。例えば、こんなセリフなら伝わりやすいのでは?

• 「これ、私の安心のために見学付き合ってよ」
• 「こっちなら週1で顔出せる」
• 「いざって時に慌てたくないから、今のうちに」

堅く言うより、“自分の気持ち”を主語にしたほうが、相手の心にはスッと届きます。親孝行は、思いだけではなく“伝え方”にも宿るのです。
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人生最後の演出は、あなた自身でデザインを

ある元建築家はこう語りました。

「仕事に人生を捧げた。だからこそ最後は、自分のために贅沢に生きたい」

外交官として世界を飛び回った紳士はこう言いました。

「世界のどこに行くかじゃない。“世界が自分に来る”場所を選んだ」

住まいでありながら、“人生そのものの舞台”。それが、超富裕層が今選んでいる“終の住処”なのです。

「まだ先の話でしょう?」

── いいえ、今が一番若い日です。選べるうちに、選べる人生を選びましょう。
才津香果 さいつかぐみ WebLEON

● 才津香果(さいつ・かぐみ)

1982年生まれ。有料会員制コンシェルジュサービス「アルカディア」代表取締役。早稲田大学在学中から株式投資を行い、卒業後はリクルートに入社。2カ月で退社したのち飲食店や営業会社、ITビジネスを立ち上げる。2014年に事業売却、ドバイに移住する。その資金で世界のラグジュアリーリゾートをめぐり知見を得る。2019年、旅の経験を活かし、アルカディアを設立。ギフトの選定から、旅行企画、クリニックやファッションのアレンジなど富裕層のあらゆるオーダーに応え続けている。

富裕層の本音が明かされる会員制サロン【ビヨンドミー】運営。プロから学べる実践的な記事コンテンツや、価値観の合う仲間との出逢い、ホテルやクリニック、商品など、最大80%オフの割引特典も。

公式HP/https://beyondme.arkadear.com/

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