2025.07.03
【第8回】
超富裕層のシン常識。人生最後の“ステージ”は、今こそ選べ!
富裕層向けコンシェルジュサービスを運営するアルカディア代表取締役の才津香果(さいつかぐみ)さん。贈り物選びから旅の手配などなど、世界のセレブリティのあらゆる要望に応えるなかで見てきた、富裕層の遊び方、暮らし方とは?
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構成・文/才津香果 協力/株式会社アルカディア 編集/森本 泉(Web LEON)

超富裕層のための“ラグジュアリー終の住処”案内
実際、私のもとには「親がまだ元気なうちに入れる場所を探したい」「いずれ自分も入るかもしれないから先に見ておきたい」という依頼が増えているのです。これは一時的な流行ではなく、富裕層の間で明確な“次の常識”になりつつあります。
「老人ホーム」から「シニアレジデンス」という呼び名に変わった理由
── どこか、“終わり”を連想させる場所。もう自分一人では生活できないレベルになったら行く場所。
“老人ホーム”が「日常生活の補助」を目的としたのに対し、“シニアレジデンス”は「人生の後半をいかに豊かに“演出”するか」にフォーカスしています。特徴としては
• ホテルのスイートルームに365日暮らすような空間
• クラブハウスのような知的交流の場
• コンシェルジュ付きの美食と学びがそろった環境
名前が変わったのは単なるブランディングではありません。人生観そのものが変わった結果なんです。
ある高級シニアレジデンスの開発担当者から聞いたところでは「“老人”って言葉自体が、この層の価値観と真逆なんですよ。彼らは子育ても仕事も落ち着いて“いまが一番自由”と考えてる。だから“レジデンス”でなければダメなんです」と。
たしかに、私のお客様方も“老後”という言葉にはムズムズするようです。“老人ホーム”が“終わりの場所”なら、 “シニアレジデンス”は“新しい舞台”。名前が変わったのは、その舞台が「余生」ではなく、「もうひとつの本番」になったからなんです。まさに人生は、2幕目からが面白い。

「まだ先の話でしょ」はNGワード。超富裕層こそ、“その時”ではもう遅い
• 紹介制
• 入居審査あり
• 限定枠
• 長期ウェイティング
この世界は「ご予約は2年待ちです」なんてザラ。 “要介護”になってから探し出しても、手遅れになるケースがほとんどです。選べるうちに選ぶ。これが、人生最後の“投資力”の差になるのです。
お客様の実例をいくつかお話すると、「老後のことなんてまだまだ先」と笑っていた50代社長が、親の介護で一気に現実に直面。「自分はあんな思いをしたくない」と、60歳の誕生日に施設の契約を決めたことも。
ある経営者は、「自分の時間を最大化するために、親の住まいも最適化したい」と話します。彼にとって、施設選びは“家族全体のQOL投資”だとおっしゃっていました。
また別のお客様は「自分の時間と空間の質を、最後まで妥協したくない」と。彼にとって終の住処とは、“死ぬ場所”ではなく“さらに生きる場所”。 働き続けて気づけば50代後半。結婚も子どもも考えなかった。 資産はある。でも、「この先、どこで、誰と、どう生きる?」と。
女性からのご相談の例としては、離婚後ずっと一人で暮らしていた方が、「孤独は平気。でも、同じ価値観の人とすれ違える環境に住みたい」とお話しされて。彼女は都心の高級レジデンスでは得られなかった“つながり”を、シニア向けレジデンスに求めていたのです。
世界中の最先端施設は“人生をアップデイトする場”へ
もはや介護施設ではない、人生をアップデイトする舞台としての「住まい」になっているのです。ある経営者はこう話していました。「この年になってやっとピアノを弾き始めた。普通の施設じゃそんなこと言えない。でもここなら、仲間がいるし“学び直し”が歓迎される」
長年ギャラリーを経営していた女性は、「美術を語れる相手がいるだけで、人生が変わる」と言います。彼女は月1回の館内ギャラリートークで自らの命に新しい風を吹き込んでいます。

世界の通が選ぶ「超高級シニアレジデンス」には共通点がある
(1) 知的・文化的コミュニティがある
• 隣人が元CEOや国際弁護士。
• 哲学対話やアート談義、ワイン講座などが日常。
• 「何者か」として生き続ける場所。
(2) ホテルライクを超える共用空間
• エントランスはアマン級の迎賓スタイル。
• ルームサービス、24hバトラー、ドクター常駐。
• プール、ジム、ビストロ、シアタールームが完備。
(3) “生きる学び”がある
• 世界の建築巡り、陶芸、語学、VR旅、音楽制作……
• 「老い=終わり」じゃない。「挑戦」があるから、生が深まる。
「老いを受け入れるのではなく、老いを磨く場所」
── こう語ったのは、長年経済誌を率いてきた女性編集長。生涯現役という言葉を、空間から実現してくれる場所が必要だと実感したそうです。
ある入居者は言います。「第二の人生なんて言い方じゃ足りない。これは“第三の人生”だよ」
※この回、後編に続きます。

● 才津香果(さいつ・かぐみ)
1982年生まれ。有料会員制コンシェルジュサービス「アルカディア」代表取締役。早稲田大学在学中から株式投資を行い、卒業後はリクルートに入社。2カ月で退社したのち飲食店や営業会社、ITビジネスを立ち上げる。2014年に事業売却、ドバイに移住する。その資金で世界のラグジュアリーリゾートをめぐり知見を得る。2019年、旅の経験を活かし、アルカディアを設立。ギフトの選定から、旅行企画、クリニックやファッションのアレンジなど富裕層のあらゆるオーダーに応え続けている。
富裕層の本音が明かされる会員制サロン【ビヨンドミー】運営。プロから学べる実践的な記事コンテンツや、価値観の合う仲間との出逢い、ホテルやクリニック、商品など、最大80%オフの割引特典も。
公式HP/https://beyondme.arkadear.com/