えっ、ボストン・マラソンのゴールって“ソコ”ですか？

人気放送作家にして戦略的PRコンサルタントでもある野呂エイシロウさんが、世の恋するオヤジさんたちの愛すべき艶話をこっそり披露する連載。第1回のテーマは……。

ボクの周りにはたくさんの恋愛バカがいる。男同士の酒の席ではたくさんの恋話が炸裂する。先日もある男がこんな話をした。彼の彼女が出張でボストンへ。ちなみにだが、彼も彼女も既婚者だ。専門用語で“W不倫”。そんな彼は、彼女がボストンに滞在することだけは知っていたが、ホテルの名前までは、知らなかった。 　

そこで彼がとった行動は、なんといきなりボストンへGO。そして現地時間AM6時になんとジョギングを始めたのだ。それもボストン・マラソンのコース。もちろん、Facebookに写真を投稿し、現在地とともにチェックインしながら。 

彼が4キロほど走ったところで、スマホがチーンと鳴る。「あなたどこ走っているの？」「どこって、ボストン・マラソンのコースだよ」と、軽快に走りながら、スマホの画面上を指で走らせた。「……そうなのね。なんでもいいけど、ゴールは？」と聞かれたので迷わず「君の部屋」と送信。返信が来る前にUターンをしてそのまま指定の部屋に向かったという。 

ふたりの時間を過ごしたあと、彼女が口を開いた。「万が一、私がアナタのFacebookに気づかなかったらどうするの？」「42.195キロを走ってゴールかな？」と言いつつその彼は、たった1泊でボストンを後にしたのだった。 　

本当に男って奴はバカである。そして、男はやっぱり女性が好きなのである。それにしてもふたりがボストンで出会えて本当によかったと思う。もし万が一、彼女が別の男といたら彼はフルマラソンを何度も走る羽目になっただろう。えっ？実はボクの話かって？ それはまた別のハナシということでご勘弁を（苦笑）。