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2019.03.28

【検証】で、どうなるの? 「既婚者合コン」に潜入してみた

合コンと言えばLEON世代には懐かしい青春の思い出!? さすがに最近は若者の間でも合コン離れが進んでいるという声を聞きます。では廃れゆくのみかと言うと、どうもそうでもなさそう。合コンはさまざまに形を変えて、幅広い年齢層に深く浸透しているようです。最新合コン事情をお届けします。

CREDIT :

文/高田純一

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みなさん、最近“合コン”やってますか?

「もうずいぶん昔に卒業しました」や「そもそも参加したことがない」から「結婚後はさすがに行けなくなった」、あるいは「まだまだ現役」まで回答はさまざまだと存じます。いずれにせよ合コンが市民権を得たのが1990年代と言われていますから、ある意味LEON世代は合コン世代。当時ブイブイ言わせた方もそうでない方も、それぞれに思い入れや思い出がございましょう。

あれから20余年、「若者の○○離れ」の類に漏れず、若者の合コン離れも懸念されている昨今ではありますが、決して滅びてしまったわけではなくオーソドックスな男女の出会いとして生き残る一方で、地域を舞台により大規模になった「街コン」も登場。また、ゴルフを通じた「ゴルコン」、ペットを通じた「ペッコン」、温泉でおこなう「スパコン」などなど、趣味嗜好に応じて細分化した合コンや、なかには「既婚者合コン」なる聞き捨てならない動きもあるとか。
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合コンに求められるのはコミュ力より経済力!?

近ごろの合コン事情はどうなっているんでしょうか? 『合コンの社会学』(光文社新書)の著書(共著)がある甲南大学文学部社会学科教授の阿部真大氏にお話をうかがいました。

「合コンが誕生してから今も昔も変わらないのは、自然な出会いのようでいて、実際は『集団お見合い』であるという点です。私が調査した合コンでもモテていたのはコミュニケーション能力が高い男性よりも経済力が安定した男性でした。でもお見合いには抵抗がある。また、好きな人と結婚した方が幸せという思い込みもある。そこで運命的な恋愛ストーリーを演出してくれる合コンが定着したんです」

いやはや合コンですらコミュ力より経済力とは夢のない話です。でも事実、幹事は職業や年収、社会的地位、年齢など似たような属性の参加者が集まるように調整しているため、参加者はデリケートなポイントを確認しなくていいのがメリットであるというわけですね。

「ゴルコン、ペッコン、スパコンなどは、いずれもお金のかかる趣味ですから、参加者を経済力でふるいにかけられるうえ、趣味で繋がれるということですから、より確実に運命的な出会いができる合コンと言えるかもしれませんね」

既婚者合コンの参加者は昔の合コンで成功体験を積んだ勝ち組?

確かに普通の合コンですとなかなかマッチングしませんが、趣味コンですとその確度はアップしそうです。となるとこれはむしろ団塊世代が若い頃にこぞって山に出かけたという合ハイ(合同ハイキング)の時代に戻ったんでしょうか。

「1960年代にお見合い結婚と恋愛結婚の割合が逆転するんですが、まさに合ハイを楽しんでいた団塊世代が戦後民主主義を体現した恋愛結婚第一世代に当たります。で、『私をスキーに連れてって』に代表されるバブル世代が第二世代。彼らが合コン世代と違うのは、登山にしろスキーにしろマッチョな男性性が求められたことです。その時代に比べると合コン世代では男がサラダを取り分けるとか、女性を立てるとか、コミュ力や女性性の方が重視されている。その最たるものがペッコンだと思います」

なるほど、同じ趣味でも男性性から女性性へのシフトが起こっていたんですね。一方で由々しき既婚者合コンはいかがでしょう?

「バブル時代は、既婚男性×若い未婚女性のパパ活というか愛人契約的な関係はあったと思うんですが、既婚者同士の合コンとなると失楽園的な婚外恋愛か、割りきった肉欲かどちらかが目的なんだと思います。いずれにせよ参加者は、学生時代に合コンでいい思いをして成功体験を積んだ勝ち組が中心になるような気がしますが、レポートが楽しみですね(笑)」
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真昼間から既婚者合コンに参加している人たちの目的とは?

百聞は一見にしかず、というわけで筆者(44歳・男性)が実際に既婚者合コンに参加してみることに。今回お邪魔したのは街コンや婚活パーティーなども手がける某イベント会社による40代・50代対象の既婚者パーティー。会費は男性1万円、女性1500円とずいぶん傾斜がかかっています。果たしてどんな男女が集まるのか?そして参加者の目的は?平日の昼下がり、新宿西口の某ホテル地下街の貸切ルームに向かいました。

受付で身分証明書を提示し、参加費を払うと、苗字が書かれた名札をもらいます。係の人により適当に割り振られたテーブルに着席。平日昼間のせいか参加者は総勢20名と思ったよりも少なめ。それが4つのテーブルにわかれています。飲み放題&バイキング形式ゆえ、まずは生ビールで駆けつけ一杯。

ルールは簡単で、20〜30分ごとに男性がテーブル間を移動していくというもの。およそ2時間で一巡したところで終了ですが、追加で1000円を支払うと1時間延長することができます。

男性なら、何より気になるのが参加女性のクオリティ。批判覚悟でしたためますと、純粋にいいね!と思えるのは10名中2名ほどでしょうか。いずれにせよ取材と悟られないよう「なぜ既婚者合コンに参加しているのか?」その目的を聞き出さねばなりません。

あまり詳しく描写すると本人バレしそうなので、まとめますと女性陣の参加動機は「興味本位」「友だちに誘われて」「カラオケやBBQに連れて行ってほしくて」が中心でした。もちろんこれは建前。一方で、わずかながら「女を捨てつつある友だちに恋をしてほしくて」「夫がけっこう年上で、わたし自身もモラルがない方なので婚外恋愛がしたくて。でも家庭には踏み込んでほしくない」という赤裸々な本音もうかがえました。
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参加する前からうすうすわかっていたことですが、やっぱり既婚者合コンって不倫が目的? 事実、既婚者合コン2回目というイケメン男性によると「銀座で夜に開催されたパーティーはもっと乱痴気騒ぎだった」とも。いずれにせよ皆さん、家庭や職場で溜まった何かを晴らしに来ているのかもしれません。

「う~ん、これはマズい!」と思いつつ怖いもの見たさで延長タイムの参加はもちろん、会場を変えた2次会も参加した筆者。さらには一部女性とLINE交換までしてしまいました。今のところ深追いするつもりはありませんが、先方からはすでに「休みは○曜日です」「今度また打ち合わせしましょう」「相談にのってね」といったメッセージが着弾している始末。これは相当な自制心がないと抗うことは難しいかも。

というわけで大事な家庭がある人ほど、軽い気持ちで既婚者合コンには参加しない方がいいですよ!というのが筆者ならびにLEONの警告です。

● 阿部真大(あべ・まさひろ)

1976年岐阜県生まれ。社会学者。東京大学大学院を経て現在、甲南大学文学部社会学科教授。専門は家族社会学、労働社会学、社会調査論。主な著書に『居場所の社会学 ―生きづらさを超えて』(日本経済新聞出版社)、『地方にこもる若者たち ― 都会と田舎の間に出現した新しい社会』、『「地方ならお金がなくても幸せでしょ」とか言うな!― 日本を蝕む「おしつけ地方論」』(朝日新聞出版社)など。

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