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2018.08.31

【大人の自由研究】スパイスとカレーを知る・遊ぶ

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文/秋山 都 写真/松井康一郎

吹く風に秋の訪れを知る晩夏……8月も末ともなれば、夏休みの宿題に追われ、焦っていた小学校時代を思い出します。めくってもめくっても真っ白な絵日記帳にパニックになっていたっけ。大人になった今は幸い、宿題こそないけれど、日に日に追われる仕事のストレス……たまには忘れて童心に返り、自由研究してみませんか。お題はみんなが大好きなカレー、それも今大流行中のスパイスについて、です。

【おさらい】スパイスとは何か?

ではまずスパイスの定義から。「あのほら、なんか辛いヤツでしょ」というアナタ、30点。確かにスパイスにはホットな刺激を与えるものもありますが、それだけではありません。たとえばスイーツによく使われるシナモンや、和食にたびたび登場するゴマや山椒、生姜だってスパイスの一種。

スパイスとは原則的に乾燥させた植物の種子、葉、根っこ、樹皮などを指し、そしてその役割は大きく3グループに分類できます。

● 食べ物・飲み物に「色」をつける
● 食べ物・飲み物に「香り」をつける
● 食べ物・飲み物に「刺激」をつける


この「色」「香り」「刺激」がスパイスの3大役割。そしてそれぞれのスパイスには消化促進や、解毒、抗菌など薬効があると言われています。でも、スーパーマーケットのスパイスコーナーに行けば数十種ものスパイスが並んでおり、何が何やら……そんなアナタのために、達人に聞きました。
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これだけ抑えておきたい、基本のスパイス5
【スパイスバル コザブロ】

教えてくれるのはスパイス料理をつまみにお酒が飲めて、〆にカレーを食べられるスパイス好きにとっては夢のようなお店「スパイスバル コザブロ」(東京・本駒込)店主の菅原孝三郎さんです。
上から時計回りに、ターメリック(色)、コリアンダー(香)、クミン(香)、ガラムマサラ(香)、カイエンヌペッパー(辛)。カッコの中はスパイスの効果。スパイスはすべてパウダーです。
「これは、まずこれだけあればシンプルなカレーが作れるという基本的な5種です。まずターメリックはカレーの黄色のベースとなる重要なスパイス。日本ではウコンと呼ばれ、肝機能を亢進することでも知られていますね。

コリアンダーを知らない人も、パクチーや香草(シャンツァイ)といえばわかるのでは? コリアンダーは生のハーブのままだとかなりクセがありますが、種子をパウダーにすれば爽快な香りと、煮込めばコクをもたらしてくれます。

クミンは古代から下痢止めや整腸剤として使われてきたスパイス。シード(種子)もパウダーも両方備えているとより楽しめます。ミルクティーに入れてチャイにするなど、使い方もいろいろあるから、あれば便利なスパイス。

ガラムマサラはこれで1種のスパイスだと思っている人が多いのですが、実はミックススパイス。だいたいブラックペッパーやカルダモン、シナモンなどがブレンドされています。つまりは日本でいうカレー粉みたいな感じ。

カイエンヌペッパーは赤いチリ(唐辛子)をパウダー状にしたもの。とくに辛いチリを使っているので使いすぎには注意です。

つまり、この5種のなかで刺激が強いのはカイエンヌペッパーだけ。カレーのレシピには何を何グラムと詳細に書いてありますが、辛いスパイスだけ注意してあとはさほど神経質になる必要はありません。でもスパイスは水と油に溶けるものが多く、加熱すると風味が飛んでしまう場合も多いので、使いかたは料理本など参考にするといいですね」
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【学習】カレーを食べて(作って)みましょう。

「スパイスバル コザブロ」のカレー、サメのカレーとチャナ(豆)のカレー2種あいがけ(レギュラーサイズ)1200円
では実際に「スパイスバル コザブロ」のカレーを見てみましょう。カレーといえばチキン、ビーフ、ポークが基本だと思っていましたが、これはサメ(宮城県産アオザメ)と豆。肉なしです。「肉のないカレーかぁ、ちぇ」と思ったアナタ、50点。豆は穏やかな野菜の旨みのあとにスパイスのインパクトがジワジワ追いかけてくるし、サメはさわやかな酸味がなんともアトを引くおいしさ。近頃は大阪を起点にスパイスカレーがブームですが、カレーは私たちが子供の頃に食べていた“カレーライス”から大きく進化しているんですね。いまは菅原さんが作っているような南インド料理がトレンドの中心となっています。

「南インド料理は魚を多く使い、主食が米なので日本人になじみやすい味。ドロっとコクのあるカレーではなく、シャバシャバと汁気が多い、軽いタイプのカレーが多いです」と菅原さん。

ということは、自宅で作る場合にも、以前のように小麦粉を振り入れてルーを作る必要がないということ。お好みの材料とスパイス、油があればなんでもカレーになるというわけなんですね。

ここで重要なのはさきほどの「スパイスは水と油で溶ける」というお話。スパイスの香りや風味を立たせるためには、ときにスパイスをテンパリング(油で煮立てて)して最後に加えるというテクが必要です。ここ、ちょっとだけ上級テク。でも、やったら全然デキが違うので、ぜひ試してみてください。
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【自由研究】
いつものアレをスパイスでアレンジ!

さて、ここまでインド料理でスパイスがどう使われているのか、という話でした。でも最初にお話したように、日本にもスパイスがたくさんあり、スパイスはその使い方さえ心得ておけばいろんな料理に使える……ということから実験です。私たちがいつも朝食で食べているアレ、スパイスでどうアレンジできるでしょうか?

目玉焼き

「目玉焼きになにかける?」「えっとね~、ソースでしょう。それから時々醤油、あとケチャップ?」……話題のない相手と必死にトピックを探しているようなやりとりですが、この目玉焼きにもスパイスが大活躍します。
そもそもインドでは「マサラオムレツ」なるスパイスオムレツが、ホテルの定番朝食メニューとして人気なのだとか。となれば目玉焼きにもスパイスが合わないわけはありません。ここではガラムマサラと塩を適当に(菅原さん、ごめんなさい)パラパラ。
目玉焼きは黄身トロリが好み(あくまで個人的な見解です)。
パクッ。ふがっ! 醤油やソースのように調味料の味が前面に立つことなく、あくまで卵のおいしさが主役として舞台に立っており、後ろにスパイスの数々が脇役としてそっと寄り添う……これは新しい美味しさです! このままバタートーストに乗せたらもうそれだけでごちそうに。
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たまごかけごはん

目玉焼きでこんなに美味しいんだもの。アレもイケるんじゃないスか?と試してみました。みんな大好きTKG=たまごかけごはんです。
「スパイスバル コザブロ」のライスを使用したのでターメリックとクミン、バター入りのジャスミンライスです。ご自宅でやる場合には普通の米でOK。
目玉焼きと同じくガラムマサラと塩を振って、仕上げにフレッシュコリアンダーをパラリ。
よ~く混ぜて召し上がれ。
こ、これは……刺激的な美味さです。私は毎日でも食べたいと思いましたが、達人の菅原さんはもう少しなんとかなるかもと首をひねっていました。今度「スパイスバル コザブロ」を訪れたらたまごかけごはんがオンメニューしているかもしれませんね(笑)。
スパイスの基礎を伝授してくれ、自由研究につきあってくれた菅原孝三郎さんは、焼き鳥屋志望からスパイス料理へたどりついた変わり種。その自由なスパイスの使いこなしがカレーファンの注目を浴びている。
スパイス熱が冷めやらない私は自宅でも納豆にスパイスを混ぜてみました。青唐辛子(生を刻んだもの)とにんにく(みじん切り)、付属の納豆タレを混ぜたものと、ガラムマサラとチリパウダー、付属の納豆タレを混ぜた2種ですが、これがどちらもおいしくて……当分スパイスの自由研究は終わりそうにありません。

◆ スパイスバル コザブロ

住所/東京都文京区向丘2-34-8
TEL/03-6874-1597
営業/平日 18:00~24:00(L.O. 23:00)、土曜 17:00~24:00(L.O. 23:00)、日曜・祝日 17:00~21:00(L.O. 20:30)、ランチ土日祝のみ 11:30~15:00(L.O. 14:30)
定休日/月・火

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