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2017.07.31

いま一番モテるのはクラフトジン? 世界的ブームのお洒落リカー、その魅力とは?

ガレージで作れるような小規模生産の酒がいま世界を席巻中!際注目のクラフトジンとは?!

CREDIT :

文/エミリア・イシイ 写真/鈴木慎平

地ビールが「クラフトビール」と名前を変えて久しい昨今、ウィスキーもウォッカも、ジンも、猫も杓子もクラフトブーム。なかでも、いま世界各地で急速に盛り上がりを見せているのが、小規模な生産者がこだわりを持ってつくっているジンなんです。
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というのもジンは漬けこむハーブや果皮など、ボタニカルフレーバーが味の決め手となるため、作り手の個性が出しやすく、世界中で個性的なジンが続々と生まれているから。なんと、いまや300種以上のブランドがあるのだそう!

このブームについてバーと酒の専門サイト「ドリンク・プラネット」でエディターを務める真下貴久さんはこう語っています。

「ブームの大きな要因のひとつは、世界各国で蒸留酒製造の規制緩和が進んだことです。とはいえ、ウイスキーは熟成に時間とお金がかかるし、ラムやウオッカは個性が出しにくいし、テキーラはそもそもメキシコでしか作れない。その点、ジンは自由。しかも低予算でスタートアップできる。ですから、たった一人でガレージからスタートしたようなクラフトジンも多いんですよ。最近では、毎年数えきれないくらいのクラフトジンが出現するので、プロのバーテンダーの方も把握できないくらいです(笑)。手づくりで、職人気質で、スモールバッチ(小規模生産)で、味わいもエッジが効いている。クラフトジンは時代が求めるニーズにマッチしているんだと思います」

なるほど、まるで有名なメガブランドではなく、知る人ぞ知るデザイナーブランドで服を探すような感覚でしょうか?はたまたスモールラグジュアリーホテル?

ともあれ、好きな世界であれば極めたくなる、これ酒でもファッションでも同じことなんですね。そして、そんなこだわりと個性の詰まったプロダクツは、そこに希少性が加わると、オシャレな人たちに俄然注目されるというも世の常であります。
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プロが解説するクラフトジンの魅力

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と、本題に入る前にまずはジンをおさらい。ジンとは、大麦やライ麦、トウモロコシ、じゃがいもなどを発酵、蒸留させ、これをベーススピリッツにして、ジュニパーベリー、コリアンダーシード、アンジェリカなど、ボタニカルと呼ばれるハーブ類を数種加え、再度蒸留させてつくられるスピリッツ。

じつは「クラフトジン」には味や製法に関する具体的な定義はないそう。ゆえに作り手の自由度が高いわけで、そこがまさにこのお酒の面白いところ。海外はもとより、日本国内のクラフトジンも個性的なものが次々と生まれ、すでに入手困難なものもあるのだとか。となると、初心者は何を選んでいいのか迷ってしまいます。

そこでクラフトジンマスターこと、代々木上原「Bistro & Bar Chelsea 代々木上原」のバーテンダー朝葉吉洋さんに、注目の銘柄、おいしい飲み方などなどをご教授いただきました。

「ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペイン、さらに日本など、それぞれの国ごとに個性がはっきりしているのがクラフトジンの最大の魅力。さらにボタニカルによる香りの幅の広さ、後味のシャープさ、そして糖質を含まないヘルシーさ、こういう要素が合わさって人気に火が付いたのだと感じています」

店内には130種以上の各国のクラフトジンがずらり。どれから飲んだらいいのか迷ってしまうなか、朝葉さんが初心者に特におすすめしたい5種を選んでくれました。

間違いない!いま呑むべきクラフトジン5選

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左から、ドイツ生まれの「モンキー47」。フランスの「ジェネラス」、「ル・ジン」。京都生まれの「季のTEA キノティー」、ベルギーの「アッパーカット」。
まずはドイツ生まれの「モンキー47」

「名前にある47は加えられているボタニカルが47種という意味。「クラフトジンブームの原点とも言えるブランドです。47種もの要素が面白いほど重なって、バランスがありながらパンチのある、印象的な味わいになっています。シトラス系の爽やかさや、かすかに甘いアロマなど、醸されるフレーバーに奥行きがあって飲み飽きない。130種の中でも大変人気がある1本です」
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お次はフランスの「ジェネラス」

「白い陶器のボトルに花園のようなデザインからしてフランス的ですね。エルダーフラワーやジャスミンなどのフローラルな香りに、ほんのりスパイシーなニュアンスもあり、フェミニンな要素もありつつシャープな後味が気持ちいい。女性だけでなく男性にもファンが多くて、僕もバランスが好きな1本です」

続いて「ル・ジン」

「りんごのブランデー、カルヴァドスの造り手が手がけた、30種ものりんごをベースにしたクラフトジン。甘酸っぱいりんごのフレーバーにジュニパーベリーやレモン、カルダモンにシナモンなどの要素が重なって華やか。やはり、フランスらしいジンだと思います」

そして我らが日本からは、京都生まれのクラフトジン「季のTEA キノティー」

「玉露と碾茶(てんちゃ)をブレンドした宇治茶の香りを前面に出した、個性的で驚きのある上品なジンです。山椒や柚子、生姜、笹の葉など和を感じる要素をボタニカルに取り込んでいて、すっきり感が唯一無二。希少な上に人気があって、入手困難な1本です」。

そして最後を飾りますのがベルギーの「アッパーカット」

「精力増強剤にも使われていたダミアナ・リーフやストロベリー・リーフ、リコリス、バーベナ、ネトルなど、薬草系の効果抜群なボタニカルがたっぷり使われている男前なジン。見るからに効きそうなラベルもインパクトがあって面白いですね」
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左から、クラフトジン&フィーバーツリーソニック(トニック+ソーダ)、モヒート各1200円~。左のボトルに入っているのは、ヒノキ科の常緑樹、セイヨウネズの果実を乾燥させたジュニパーベリー。クラフトジンの核となるスパイス。

注目のクラフトジンはどう呑むのが正解?

さらに朝葉さんが強調したいのが、クラフトジンの飲み方だそう。

「ジンはソーダやトニックで割ることが多い。だからこそ、割るものを厳選して、ジンの香りを際立たせることが重要です。うちで使っているのは、オールナチュラルで自然な苦みが心地よいイギリスの『フィーバーツリー』のもの。同じクラフトジンでも、香りの広がりや口当たりも全然違ってくるので、ぜひ割るものにも気をつけてみてください」

巷にはトニックをオリジナルで開発するバーもあり、酒のみならず、割モノまでクラフトで作る勢い。ますます深まる酒のクラフトブーム。まずはジンからトビラを開けてみてはいかがでしょう?

バーでさりげなくオーダーすれば、きっとお連れの淑女も気になること請け合いかと!

◆ Bistro & Bar Chelsea 代々木上原

住所/渋谷区西原3-7-4
電話番号/03-5738-7128

営業時間/ランチ11:00~17:00、ディナー&バー18:00〜25:00


●クラフトビール900円、各種カクテル750円~。ランチタイムは自家製ブレッドに、フレンチシェフがつくるビストロメニューを合わせたフレンチサンドイッチが人気。 ディナタイムは、トラディショナルフレンチを、お酒とともにアラカルトで楽しめる。

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