88日間限定！突如都心に現れたヨーロピアンなオアシス

デートのお店選び、みなさんはいつもどうしていますか？ガイドブックや雑誌はもちろん、さまざまなグルメサイトまであって、今やニッポンはレストランの検索天国ですよね。とはいえ、「デートを成功させるためのお店」をきちんと探し出せる人ってきっと少ないはず。だって、複雑な女性の好みや心理状態を理解できないと恋を成就させるってムズカシイもの。そこで、本誌LEONで14年間にわたりYULI*YULIとして、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南いたしましょう。

写真／小林孝至(イタルスタジオ)

愛を育み、恋が芽生えるガーデンカフェ Part3

南青山のお洒落なブティックが連なる一角に、緑溢れるテラスがあるのをご存知かしら？　　以前から気になっていた「ジャルダンジャルディーノ」は、実は7月末までの、たった88日間だけオープンというリストランテなんです。

「ジャルダンジャルディーノ」は、東京・青山にいながら、南仏の小さな庭でシャンパーニュグラスを傾ける……そんな気分に浸れる場所。

いまから約13年前、“もっと都会に庭を！”という理念を掲げて、ジャルダン・プロジェクトなる計画を立ち上げた空間デザイナーの大西香次郎氏が手掛けるコチラ。お店までのアプローチに植栽が施された庭は決して広くないんだけど、藤の椅子に座ってシャンパーニュをいただくと、自然と幸せな気持ちが湧いて来ます。しかも14時から17時はフリーフロー。

アヴァンダムール（フランス語で「愛し合う前に」！)と名付けられた時間帯なので、ぜひ恋人同士で利用してね。ファッショナブルな青山に来て、こんな素敵なオアシスで過ごせるなんて魅力的でしょ。わざわざ遠くまで行かなくても彼女とのお買い物の途中にちょこっと寄れる気軽さも嬉しいし、デート・スポットとしてのポイントはかなり高いわよ。

八種盛りの前菜はお花が散りばめられたようでキレイ。緑に囲まれていると、シャンパーニュのフリーフロー(5000円／税サ別)で過ごすだけでもリフレッシュできます。

そしてお料理は、フランス宮廷にイタリアの食文化をもたらしたカトリーヌ・ド・メディシスに敬意を表し、それに日本の食文化のエッセンスを加えるのがテーマなのだとか。

なんて難しいことは抜きにして、見て、見て！　お皿の上に並ぶ料理は、庭に映える華やかな花のようじゃない？彼女の顔がほころぶのを想像できるんじゃないかしら。男性は女性の笑顔をたくさん作るのが使命ですから(笑)

食と空間とBGMと。五感すべてを刺激される店で愛のトークを

テーブルの上のフィリップ・スタルクによる最新のL.E.D.ライトと、奥に見えるマリアーノ・フォルチェリーの100年前にデザインされたライトスタンド。過去と未来が交わる、そんなお店のコンセプトが表れています。

店内も、自然素材にこだわったインテリアなの。大きな石を積んで作られたカウンターや、木の古材のテーブルなど、ワイルド感溢れるなかに、大西氏セレクトのクラシックなシルバーの燭台、キャンドルなどのオブジェやマーク・ヴァサーロによるモノクロームの花写真が散りばめられていて、居心地がいいうえ、感性も刺激される空間なんです。

お茶の風炉窯なんかも置かれていて、時代やスタイルの違いを超えた内装が素敵です。100年前に、文化人たちが交流し合ったパリのサロン。そんなカジュアルさも兼ね備えていて、坂本龍一氏のBGMと共に、リラックスした時間を紡ぎ出します。五感に訴えたおもてなし空間で、ゆっくりと食事することもオススメよ。

お店までのアプローチを利用した小さな庭だけど、緑がキレイなこの時季は気持ちいいわよ。取材時も、外国人の男性が居心地良さそうにシャンパーニュを楽しんでいました。

■ Ristorante Jardin Giardino 1920 respect

Ristorante Jardin Giardino 1920 respect

住所／東京都港区南青山 5-4-50
営業時間／14:00〜23:30（L.O. 22:30）
URL／http://manuelle.jp
予約・お問い合わせ／☎︎03-5778-9078
席数／42席(テラス18席、店内24席）

●料金／「Menu Giardino」6000円(前菜八寸盛り合わせ、肉料理、ドルチェ、カフェ)、「Menu Fiore」1万2000円(前菜八寸盛り合わせ、リゾットまたはショートパスタ、魚料理、肉料理、ドルチェ、カフェ)
※税サ別

●渡辺ゆり子

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2017年7月７日に、自身のバー「Champagneon Bar LILI-LA-YULI」が10周年を迎えた。