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2026.04.26

【第98回】 気の利いたご飯のサイドメニュー

ご飯のサイドメニューが美味しいラーメン屋さんを探して

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。今回は、このところ多くのラーメン屋で見かけるご飯のサイドメニューについてです。

チャーシューの切れっ端を並べただけのご飯メニューではいただけない

池袋 ラーメン革命! 山本益博 LEON

ラーメン屋さんの券売機にはメインとなるラーメンのメニューのほかに「ご飯」のサイドメニューがある。今回は、ほとんど注目されていない、この「ご飯」の考察。


ひと昔と言っても50年ほど前のラーメン屋のサイドメニューの「ご飯」と言えば「白飯」だった。いわゆる「ラーメンライス」というやつ。


ところが、いまラーメン専門店のサイドメニューの「ご飯」と言えば、「チャーシューご飯」を筆頭に「TKG(たまごかけごはん)」などいろいろとヴァラエティに富んでいるが、残念ながら魅力的な「ご飯」は多くない。

問題はいろいろありそうだが、「売り上げを伸ばしたい」「手間をかけずに済ませたい」など、味の積極性がうかがえず、チャーシューの切れっ端を有効活用するだけで何の知恵もない「チャーシューご飯」がほとんどである。

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初めて美味しいと思ったのは浅草橋「饗くろ㐂」の「春菊めし」

私が、初めてサイドメニューの「ご飯」で美味しいと思ったのは、浅草橋「饗くろ㐂」の「春菊めし」だった。ラーメンの途中で食べると、爽やかな香りがラーメンの味をいったんカットしてくれてとても効果的な「ご飯」だった。

 浅草橋「饗くろ㐂」の春菊めし。

▲ 浅草橋「饗くろ㐂」の春菊めし。

「饗くろ㐂」の塩そば。

▲ 「饗くろ㐂」の塩そば。

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それから一ノ割「3931WORKS」のミニ丼も手間暇をかけていることがわかる丼もので、ご飯の美味しさも際立っていた。

一ノ割「3931WORKS」のミニ丼。

▲ 一ノ割「3931WORKS」のミニ丼。

「3931WORKS」の醤油そば。

▲ 「3931WORKS」の醤油そば。

最近では松戸馬橋「三つ由」の「デミライス」。デミグラスソースでご飯を美味しく食べさせる。サイドメニューとはいえ、立派に独立したひと皿になっていた。

松戸馬橋「三つ由」のデミライス。

▲ 松戸馬橋「三つ由」のデミライス。

「三つ由」の中華そば。

▲ 「三つ由」の中華そば。

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つくば「ひしお」の「魚ごはん」は鮨屋も驚くような立派な「鉄火丼」!

こんな話をラーメンのついでに話していたら、麵専門店浅草「開化楼」のカラスさんが、つくばの「ひしお」に気の利いた「ご飯」のメニューがあると教えてくれ、連れて行ってくださった。

その名も「魚ごはん」。定食屋でもお目にかかったことのないメニュー名。どんな「ご飯」が登場するのかと思っていたら、いわゆる「鉄火丼」だった。酢飯の上に中とろのまぐろが並べられ、のりがこぶりの丼の縁に立てかけられている(魚はいろいろあるとのこと)。

これが、鮨屋も驚くような立派な「鉄火丼」だった! 酢飯にかけられた「醤油」の量のほど良さで、まぐろのうまさが一段と引き立っていた。わさびだけ気になって、その感想をお伝えしたので、すぐにでもわさびは改善されるに違いない。

オマール海老のスープの中にワンタンを浮かべた、こちらは「オマール海老のブイヨンドゥワンタン」。

▲ つくば「ひしお」の魚ごはん。

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この「鉄火丼」、注文した「醤油ラーメン」をかなり食べ進んだところで目の前に運ばれてくる。このタイミングが絶妙。ラーメンのスープの味を壊さない見事なタイミングなのだ。


そして、なにより「奥久慈しゃもの香醇 醤油そば」が素晴らしい。はじめにひと口スープをいただいても「醤油」がガツンとこない。ふた口目も「醤油」より甘いまろやかな味わいが口の中を覆う。三口目、今まで味わったことのないスープにしびれるのだ。

「醤油ラーメン」のほとんどが、はじめのひと口から尖った「醤油」の味がして、三口目からはその辛さが最後まで続いてしまう。実は醤油は調味料なのだから、陰の立て役者でなくてならない。これをほとんどのラーメン制作者は忘れている。ラーメンを食べる客も「醤油」味がしないと食べた気にならない。

そば~じゅ 池袋 ラーメン革命! 山本益博 LEON

▲ 「ひしお」の奥久慈しゃもの香醇醤油そば。

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その点この「醤油そば」は、 「醤油」味のラーメンといえども、客のほうから「醤油」味を探しにいかなければ、奥深い「醤油」味には到底出会えない絶品である。

そんなことを教えてくれるラーメンで、サイドメニューの「魚ごはん」とともに、最近出色のラーメン、つくばまで遠いが、「ひしお」は「ミシュラン」で言えば、わざわざその店に出かける価値のある(3つ星)ラーメン屋さんである。

山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

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