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2025.11.30

【第88回】 パリのラーメンとデザート2

トリュフとフォアグラのラーメン? パリの「ラーメン&デザート」最新事情【後編】

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン パリのラーメン
前回は晩秋のパリで食した話題のラーメン店2軒についてお伝えしました。今回はその後編。新たな2軒と、前回食べられなかった「YATAI RAMEN Chateaudun」の「フォアグラ、トリュフ入り」ラーメンにも再トライです!
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はたして「YATAI RAMEN」の「フォアグラ、トリュフ入り」ラーメンのお味は?

ということで、3軒目は「龍旗信(Ryukishin)」。パレロワイヤルにも、日本料理店が密集する地区にも近いリシュリュー通りに面している。ここで、「清湯ラーメン」を食べた。パリでは珍しい澄んだ醤油味のスープ。フランス人で満席の人気店のようだった。
 「龍旗信」の店頭。
▲ 「龍旗信」の店頭。
 「龍旗信(Ryukishin)」の「清湯ラーメン」。
▲ 「龍旗信」の「清湯ラーメン」。
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食後は、近くにあることを見つけて出かけた「ARMELLE」というクレープ専門店。すでに混んでいて、テーブルがひとつだけ空いていた。
 「ARMELLE」で注文した「クレープシュゼット」。
▲ 「ARMELLE」で注文した「クレープシュゼット」。
注文したのは「クレープシュゼット」。オレンジのジュースをベースにグランマルニエというオレンジリキュールをかけてフランベ(燃やし)、オレンジとオレンジのお酒がしみ込んだクレープをいただく。
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4軒目は自家製麺が売り物の「Zuzuttomo(ズズッ友)」。すっきりとした醤油味でいただく細麺。この店、店内で食べる客より、テイクアウトで持ちかえる客がひっきりなしにやってくる。
「Zuzuttomo」の店頭。
▲ 「Zuzuttomo」の店頭。
 「Zuzuttomo」の醤油ラーメン。
▲ 「Zuzuttomo」の醤油ラーメン。
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4軒食べ終えて、パリにも個性豊かなラーメン専門店が増えたことを実感した。
「Zuzuttomo」のあとのデザートは、ボンヌ・ヌーヴェル大通りに面したジェラート専門店「AmorinoGelato」へ。無添加を謳うだけあって、「ソルベフランボワーズ」「ソルベパッションフルーツ」の美味しいこと! 酸味が口中を爽やかにしてくれた。
 ジェラート専門店「AmorinoGelato」
▲ ジェラート専門店「AmorinoGelato」。
 「ソルベフランボワーズ」と「ソルベパッションフルーツ」をダブルで。
▲ 「ソルベフランボワーズ」と「ソルベパッションフルーツ」をダブルで。
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最後は、気になっていた「YATAI RAMEN」の「フォアグラ、トリュフ入り」38ユーロのラーメン。「アルページュ」で昼の「野菜フルコース」をいただいた晩に出かけた。冬のトリュフの季節と違うので、期待を持たずに出かけたのだが、出てきた丼を見ただけで、引いてしまった。
 「YATAI RAMEN」の夜の雰囲気はこんな感じ。
▲ 「YATAI RAMEN」の夜の雰囲気はこんな感じ。
海苔とえのき茸ばかり目立って、フォアグラもトリュフもすぐに見つからない。ようやく海苔の下に隠れるようにして削られてあったトリュフを発見。ただし、見るからに乾燥していて、しかも、冬の黒トリュフではなく、秋の痩せたトリュフ。香りがまったくしない。
 こちらが「フォアグラ、トリュフ入り」のシグネチャーラーメンなのだけれど……。
▲ こちらが「フォアグラ、トリュフ入り」のシグネチャーラーメンなのだけれど……。
トリュフオイルを使っていないところは立派だが、なんとも寂しい。フォアグラはソテーされ、それなりに味が良かったが、どんぶりの中の存在理由が乏しかった。また、来年2月、トリュフの季節の真っ只中にやってくることにしようと考え、店を後にした。
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「アストランス」のシェフ、パスカル・バルボさんと。
▲ 「アストランス」のシェフ、パスカル・バルボさんと。
日本へ戻る日、昼に16区にある「アストランス」へ出かけた。東京カンテサンスの岸田周三シェフのパリ修行先の師匠パスカル・パルボシェフの店である。

前菜に牡蠣など3種の貝づくしが出た。日本料理の八寸のようで、なんと牡蠣の味の濃厚なこと。甘鯛には蕪を添えてあった。その組み合わせの妙は、日本料理で言えば、冬の名物蕪蒸しを思い出させた。
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その魚料理の前に、日本料理の小腹を満たす「お凌ぎ」の如く、ごはんが出た。お茶碗に炊き立てのコシヒカリ、そこへマッシュルームのスープがかけまわしてある。茸の香りが立ち上り、秋のご馳走だった。

このマッシュルームのスープに中華そばの麺を合わせたら、また違った味わいになるのではなかろうか、と空港まで味の記憶が途切れることがなかった。
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山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

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