• TOP
  • GOURMET
  • 2025年、晩秋に訪ねたパリの「ラーメン&デザート」最前線!

2025.11.09

【第87回】 パリのラーメンとデザート

2025年、晩秋に訪ねたパリの「ラーメン&デザート」最前線!

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン パリのラーメン

個性豊かなラーメン専門店が増えたパリを訪ねると

このところ、パリへやってくると、必ずラーメンの食べ歩きをするようになった。パリではレストラン巡りが目的なのだが、昼夜、フランス料理を食べるわけではない。短期間のスケジュールで無理をして「ミシュラン」の星を1日に4つ以上食べると、必ず3日目辺りにダウンする。間違っても、昼夜3つ星のレストランへ足を運んではならない。これが、フランスのレストラン巡りの鉄則である。
この原稿を書いている日、昼に「アルページュ」という「ミシュラン」3つ星の店へ出かけた。この店、昼だけ「野菜のフルコース」というメニューをいただくことができる。野菜ばかりで、魚も肉も出なければ、バターもクリームも油脂を一切使ってない。

でも、侮ってはいけない。昼の12時半に予約して出かけ、野菜のデザートまで美味しく食べ、最後のアンフュージオン(ハーブティ)をいただいて、時計を見ると午後3時半を廻っていた。テーブルについて、ワインを飲みながら野菜料理を食べ続けると、かなりお腹はいっぱいになる。
PAGE 2
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン パリのラーメン
▲ 「アルページュ」の「野菜のフルコース」から。
夜は食べなくともよいくらいなのだが、こんな時は、そばかラーメンがちょうどよい感じになるのだ。ラーメンの一杯がありがたい出番となり、昼にラーメンを食べれば、夜はお腹を空かせてレストランへ出かけることができるというわけである。
今回は、パリに出かける前にラーメンの情報をひとつ掴んでいた。

パリに住まわれている俳優の杏さんが、YouTubeでラーメンを紹介していた。それが「YATAI RAMEN Chateaudun」の「フォアグラ、トリュフ入り」のパリならではのラーメンである。
パリに着いて翌々日、夜に予約を入れてある3つ星「プレニチュード」へ出かける、その日の昼に「YATAI RAMEN」へ向かった。店は、私が定宿にしている9区のホテルから歩いていける距離にあった。
PAGE 3
ところが、メニューを見ると、お目当ての「フォアグラ、トリュフ入り」のシグネチャーラーメンは、夜と土日のみしかいただけないとのことだった。しかたなく、「醤油味」のラーメンをいただくと、これがスープの味が強すぎず、牛肉を始めとする具材もスープに調和して、美味しいラーメンだった。これが15ユーロ。
 「YATAI RAMEN Chateaudun」の醤油味のTraditional ramen。
▲ 「YATAI RAMEN Chateaudun」の醤油味のTraditional ramen。
PAGE 4
とても軽快なラーメンだったので、デザートとしてクレープを食べることにした。ホテルの近くに人気のクレープ専門店があるのだが、朝ごはんのクロワッサンとかカフェクレーム(カフェオレ)をいただいても、今までクレープはいただいたことがなかった。注文したのは、シンプルな砂糖だけを振りかけたクレープ。これが美味しい。店の名を「La Crème de Paris」という。
 「La Crème de Paris」のクレープ。
▲ 「La Crème de Paris」のクレープ。
PAGE 5
続いては、いつも行列ができている「ISSHIN RAMEN(一心ラーメン)」。12時開店の10分前に出かけると、すでに20名ほど並んでいた。それでも店が大きいので1順目に入ることができ、目指すラーメンが決まっていて、注文がすぐに伝わり、ほとんど待つことなくラーメンが出てきた。
ラーメン革命!  「ISSHIN RAMEN」の店頭には行列が。
▲ 「ISSHIN RAMEN」の店頭には行列が。
九州ラーメンで豚骨味の細麺。くどくなく、するすると喉に入ってゆく。店内は、鳥居にお祭りの提灯、トトロの置物、なんともわけのわからない内装だが、子供連れも多く、フランス人に大人気だった。
 「ISSHIN RAMEN」の九州ラーメン。
▲ 「ISSHIN RAMEN」の九州ラーメン。
PAGE 6
食後に出かけたのは、同じ通りにある「L'Éclair de genie」。朝ごはんにも出かけるパティスリー。「パッションフルーツのエクレア」をいただいたが、酸味の利かせ方が素晴らしい。
ラーメン革命!  山本益博  「L'Éclair de genie」でエクレアをいただく筆者。
「L'Éclair de genie」でエクレアをいただく筆者。
 「L'Éclair de genie」の「パッションフルーツのエクレア」。
▲ 「L'Éclair de genie」の「パッションフルーツのエクレア」。
今回はここまで。次回もパリの人気のラーメン店2軒をご紹介するほか、今回食べられなかった「YATAI RAMEN Chateaudun」の「フォアグラ、トリュフ入り」ラーメンへの再トライもご報告します。

※次回(11月23日)に続きます。
PAGE 7
山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

山本益博さんのYouTubeが好評稼働中!

日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
PAGE 8

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        2025年、晩秋に訪ねたパリの「ラーメン&デザート」最前線! | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト