• TOP
  • GOURMET
  • 「飯田商店」×「嵐山吉兆」×「満寿泉」=夢のコラボが実現か⁉

2025.09.28

【第85回】 エンジンオープンカレッジin加賀温泉

「飯田商店」×「嵐山吉兆」×「満寿泉」=夢のコラボが実現か⁉

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン エンジン文化戦略会議  
▲ 「ラーメンの自由、平等、博愛」講座に登壇したのは左から筆者、飯田将太さん、鎧塚俊彦さん、竹山聖さん。

「エンジン文化戦略会議」のゲストに「飯田商店」の飯田さんが来場

「エンジン文化戦略会議」は、各界で活躍するトップランナーたちが「無私」の精神で集まっているグループである。そのメンバーが年1回地方都市で開催する「オープンカレッジ」にボランティアで参加、今年9月は石川県の加賀温泉だった。ちなみに、昨年は和歌山・有田、一昨年は千葉の市原だった。
3日間にわたるオープンカレッジは初日に「オープニングシンポジウム」、最終日に「コンサート」と「クロージングシンポジウム」があり、一番人気は、中日に行われる「講座」プログラムで、午前中から4講座あり、1講座800円で、いろいろ学んで楽しむことができる。
私は3講座「はじめての落語(立川談慶、三浦瑠璃、山本益博)」「食と地域活性~石川県から世界へ(徳岡邦夫、鎧塚俊彦、山本益博)」「ラーメンの自由、平等、博愛(山本益博、竹山聖、鎧塚俊彦、飯田将太(ゲスト)」に参加、「はじめての落語」と「ラーメンの自由、平等、博愛」でナビゲーターを務めた。
PAGE 2
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン 飯田商店 エンジン文化戦略会議
▲ 「飯田商店」の飯田将太さん。
メンバー内には日本料理、フランス料理、イタリア料理の料理人たちがいるのだが、ラーメン界の方がいらっしゃらないので、私は、湯河原「飯田商店」の飯田将太さんにかけ合い、ゲストで参加していただくことになった。
パティシエの鎧塚さんは、「飯田商店」へ行きたくともなかなか行けないことで、「菓子屋のように支店を出されないのですか?」と訊ねると、飯田さんは「はい、今日も店を閉めて加賀まで来ました!」と、自らが居ないときは必ず営業を休むと答え、「その代わり、コンビニで私の監修したラーメンを召し上がっていただけます」と返し、感心させた。
建築家の竹山聖さんは「『飯田商店』の名前は、ラーメンをあまり食べない僕も知っているほどですが、どんなラーメンをつくっているのですか?」と訊ねると、「はい、醤油らぁ麺、塩らぁ麺、それに、冷やしをお出ししています」と飯田さんが応え、そこへ、私が実体験を含めて説明をさせていただいた。
PAGE 3
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン 飯田商店 エンジン文化戦略会議
▲ 「飯田商店」の塩らぁ麺。
「飯田商店」のラーメンの素晴らしさは、なにを置いても素材の吟味にあります。二度目にでかけていただいた「塩らぁ麺」に感動しました。「塩」と謳っているラーメンは、そのほとんどがひと口目から「塩味」を感じるのです。日本料理でお椀をいただくとき、はじめから「塩味」を感じさせたら、それは出来損ないのお椀です。二口三口お出汁をいただくうちに優しい、穏やかな「塩味」を感じるのが立派なお椀なんです。
「飯田商店」の「塩らぁ麺」はまさしくこれ。食べ終えて、湯河原の駅まで歩くなか、「塩」のことで頭が一杯でした。これは、選びぬいた「海塩」に違いないと思いました。案の定、飯田さんに伺うとその通りでした。
そして、チャーシュー、いただく際に「今日のチャーシューは、天城黒豚のロース」です、と伝えられ、その「天城黒豚」がすぐに気になりました。なぜかというと、東京・南青山にバスク料理が売り物の「ローブリュー」があり、ここの炭火焼きの豚肉が天城黒豚で、私のお気に入りだったのです。
PAGE 4
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン 飯田商店 エンジン文化戦略会議
▲ 「飯田商店」の醤油らぁ麺。
「ローブリュー」桜井オーナーシェフに、天城黒豚の生産者金子さんをご紹介いただき、気になる「内臓肉(ホルモン)」はどこに卸していらっしゃいますかと訊ねると「恵比寿の『婁熊(るくま)東京』です、ただし量が少ないので、毎週水曜日だけです」と即答された。

すぐさま「婁熊東京」を予約し、次の水曜日に出かけ、あまりにホルモンの種類に驚き、その鮮度の良さと味わいの深さに感動したのでした。
そのことを、金子さんに電話で伝えるうちに、ふと「では、豚骨はどこに行くのだろうか?」という疑問が浮かび、それを金子さんに伝えると「湯河原の飯田商店です」と即答でした。

これを伺ったら、湯河原へ飛んでいかねばなりません。

「飯田商店」のらぁ麺のスープ、豚骨のほか鶏ガラなども使いながら、澄んでいて、一点の濁りもありません。
私の話を受けて、飯田さんが「素材は、小麦粉から海苔に至るまで、北海道から九州まで現地へ出かけ、最上の食材を使わせていただいてます」と答え、受講生から盛大な拍手をいただいた。
PAGE 5
ラーメン革命!  山本益博 WebLEON    ラーメン 飯田商店 エンジン文化戦略会議
▲ 「飯田商店」の厨房。
この受講生に交じって聴講されていたひとり京都「嵐山吉兆」の主人兼料理長の徳岡邦夫さんが、その晩、ワインを飲みながらのメンバーだけの懇親会で、「小麦」について、飯田さんと話が盛り上がった。立ち話で1時間、ついには「嵐山吉兆」と「飯田商店」のコラボをやろうとまでになり、話の輪に加わっていた、富山の銘酒「満寿泉」の主人桝田さんが、そのコラボ、富山の美食地区岩瀬でぜひ実現させましょう、となった。
日本料理とラーメンの最高峰がコラボする。加賀での「オープンカレッジ」がきっかけで、来年、素晴らしいコラボが開かれる!
PAGE 6
山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

山本益博さんのYouTubeが好評稼働中!

日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
PAGE 7

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        「飯田商店」×「嵐山吉兆」×「満寿泉」=夢のコラボが実現か⁉ | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト