• TOP
  • GOURMET
  • 「いいこと、聴いた」と思える東京の「冷やし中華」名店とは?

2025.08.31

【第83回】 秋元康「いいこと、聴いた」にゲスト出演

「いいこと、聴いた」と思える東京の「冷やし中華」名店とは?

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。

「いいこと、聴いた」のテーマは「美味しい冷やし中華」について

毎週日曜日の午後1時から1時間にわたって放送されているTOKYO FM、秋元 康さんの「いいこと、聴いた」にゲストとして呼ばれ、「美味しい冷やし中華」についておしゃべりさせていただいた。

ゲストとして招かれたのはこれが3回目。1回目は「とんかつ」2度目は「ラーメン」がテーマだった。
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 左・秋元 康さんと、筆者をはさんで右は同席のゲスト・中井美穂さん。
PAGE 2
出演するにあたって、お薦めの「冷やし中華」を5品選ばなくてはならない。出来れば、タイプの違ったもの、今年初めていただけるものなどを考慮し、さらに、当日スタジオで作っていただかなくてはならないので、お断りされることもあるため、次の7店のラインナップを考えた。

1. 八丁堀「麺や七彩」の「冷やし中華」
2. 九段下「井さい」の「冷やし稲庭出汁中華そば」
3. 台東「大喜」の「冷やし鶏そば」
4. 荻窪「蛤麺しちり」の「冷やし貝麺」
5. 秋葉原「田中そば店」の「冷やかけ中華そば」
6. 花小金井「たかのちゅめ」の「福井梅園さんの冷やし塩らぁめん」
7. 新宿「たかはし」の「オマール海老の冷しそば」

お薦め4店舗の冷やし中華を試食した

当日、半蔵門までお出ましいただけたのが、九段下「井さい」、荻窪「蛤麺しちり」、秋葉原「田中そば店」で、八丁堀「麺や七彩」はお持ち帰り用の「冷やし中華」を届けていただいた。

試食できなかった「大喜」の「冷やし鶏そば」、花小金井「たかのちゅめ」の福井の梅を添えた「冷やし塩らぁめん」、それに「たかはし」の「オマール海老の冷しそば」を、秋元 康さんに食べていただけなかったのが、とても残念だった。

「大喜」の「冷やし鶏そば」は、以前この連載でも取り上げさせていただいたが、「冷やし中華」の本道を外さず、しかもユニークな点において傑作と言ってよい。今年は、どうしても手が回らないとのことで、来年またいただけるのだったらありがたい。
PAGE 3
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 「大喜」の「冷やし鶏そば」
「たかのちゅめ」はこの番組でぜひとも紹介したい店だったが、「福井の梅」がまだ届かないとのことで叶わなかった。梅の酸味が食欲を掻き立て、いかに涼味をもたらすか、夏の中華のお手本のようなひと皿である。
「オマール海老の冷しそば」は、前回の連載のテーマの際に、上野店に出かけて食べた。冷たいスープにビスクの味わいが豊かに感じられて逸品と呼んでいい。準備が間に合わないとの理由だったが、9月に入っても新宿店で食べられそうである。
PAGE 4
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 「たかはし」の「オマール海老の冷しそば」。

試食した4杯、秋元さんはすべて完食だった

さて、スタジオの収録では「麺や七彩」から始まった。私が、この店はとりわけ麺のこだわりがあり、お客が券売機でチケットを買い求めているのを見ながら、麺を打ち出す、と伝えたら、秋元さんがびっくりしながらも、すかさず半量ではあるものの「冷やし中華」を完食された。これから、まだ3品もでるというのに。同席のゲスト中井美穂さんも「美味しい!」とうれしそうに完食。
PAGE 5
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 「麺や七彩」の「冷やし中華」。
続いては「九段井さい」の「冷やし稲庭出汁中華そば」。仙台の名店「五福星」を昨年閉められた店主の早坂さんが監修されたもので、そのオリジナル冷やし出汁中華の再現をめざし、麺は稲庭中華麺を使っている。スープの味は濃いめだが、東北の暑い夏にぴったりの冷やし中華である。
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 「九段井さい」の「冷やし稲庭出汁中華そば」。
PAGE 6
三つ目は、荻窪「蛤麺しちり」の「冷やし貝麺」。一品目がスタンダード、二品めがこの夏お披露目のオリジナルをご紹介したので、三品目はヴァリエ―ションとして、貝出汁のすっきりとした冷やし中華。貝出汁の淡麗な味わいが涼を呼ぶ。
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 「蛤麺しちり」の「冷やし貝麺」。
最後は、秋葉原「田中そば店」の「冷やかけ中華そば」。こちらでは、山形名物「冷やしラーメン」がいただける。かつて、日本の夏の最高気温の場所は山形が常連だった。フェーン現象による超高温地帯が山形だった。ラーメンの消費量が日本一の山形で夏でも食べられるラーメンとして考案されたのが「冷やしラーメン」。見た目は熱いラーメンと変わらないが、スープが冷たい。油脂がスープに浮かないように調理するところが眼目で、私は夏の山形で何度もいただいている。
PAGE 7
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲ 「田中そば店」の「冷やかけ中華そば」。
その「冷やしラーメン」が都内でも食べられるが、お薦めできる一軒が「田中そば店」の「冷やかけ中華そば」である。ここまでの4杯、秋元さんはすべて完食だった。TⅤだったら画面でお見せできるところだった。
番組終了後、話題は「オマール海老ラーメン」となり、「BREAK BEATS」の見事な一杯の話をご披露すると、おふたりは興味津々、ついには、この秋にでも3人で目黒へ出かけようということになった。またまた、「BREAK BEATS」の柳瀬さんに「限定」で「オマール海老ラーメン」お願いしなくてはならなくなった。
ラーメン LEON 山本益博 ラーメン革命! WebLEON 冷やし中華
▲「BREAK BEATS」の「オマール海老ラーメン」。
PAGE 8
山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

山本益博さんのYouTubeが好評稼働中!

日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
PAGE 9

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        「いいこと、聴いた」と思える東京の「冷やし中華」名店とは? | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト