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2022.07.10

【第11回】「らぁ麺やまぐち」(西早稲田)

真夏にいただく最高のラーメン! 「昆布水つけ麺」を知っていますか?

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

CREDIT :

文・写真/山本益博

▲ 西早稲田「らぁ麺やまぐち」の鶏つけそば。
いままでラーメン専門店に出かけて、店の前に並んだ時間の最長記録は渋谷区本町の「らぁ麺や 嶋」の3時間20分である。新幹線なら東京から出て岡山に着いてしまう。12時10分前に店について、店内に入れたのが3時10分、「特製らぁ麵」と「鰹昆布水つけ麺」を平らげて店を出たのが3時50分だった。新幹線なら広島着である。

それが2021年11月のことで、その年の2月にひとりで出かけたとき、列に並んで1時間ほどで席に着けた。二度目は友達二人を誘い、店の前の並ぶ様子で2時間ほどと見当をつけたのだが、これが大外れ。列がなかなか進まず、立ち話も尽きて、足腰が痛くなるほどだった。

どうしてなかなか前へ進まないのかが、席について分かった。かぎ型の席に3人3人座るのだが、誰しも「らぁ麵」と「つけ麵」の2杯注文して食べているのだった。これじゃ時間が倍かかるはずだ。私たちもせっかく長時間並んだのだから、両方食べようということになった。この2杯目にいただいたのが「鰹昆布水つけ麺」で、これが衝撃的うまさだった。
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▲ 渋谷区本町 「らぁ麺や 嶋」の「鰹昆布水つけ麺」の麺。
言ってみれば「つけ麺」の小さな革命的進化系で、まっさらな丼には茹で上げた麺をほどよく冷ましたところに「鰹昆布水」をかけまわしてある。うっすらトロリとした鰹昆布水を纏った麺を醤油風味のスープにつけて食べる。食べ進むとスープの味が次第に変化して、独特の味わいのつけ麵になってゆく。もう一度食べたいとは思うのだが、長時間並ぶことを考えると、いまだ二の足を踏んでしまっている。
▲ 「ロックンビリ―S1」の昆布水つけ麺。
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それからである。「昆布水つけ麺」を気に掛けるようになったのは。

聞くところによると、この「昆布水つけ麺」は、現在、尼崎市塚口でラーメン専門店「ロックンビリ―S1」を開いている嶋崎順一さんが創案した作品だという。それではと塚口まで出かけて行ったのが、22年の1月で、念願の「昆布水つけ麺」オリジナルを食べることができた。そして、オリジナルと甲乙つけがたい出来栄えの「嶋」の「鰹昆布水つけ麺」を、改めて称えたくなった。
▲ 秋葉原「麺処ほん田」の「醤油つけ」。
いま東京でいただける「昆布水つけ麺」では、西早稲田「らぁ麺やまぐち」が私の好みである。年中無休で、休み時間なし、昼の時間を外せば、ほとんど待つことなく席に座れることも有難い。秋葉原「麺処ほん田」の「醤油つけ」、西荻窪「麺尊RAGE」の「特製つけそば」(ともに昆布水入り)もとても美味しい。残念なのは「鰹昆布水つけ麺」で評判をとった荻窪「迂直(うちょく)」が、出かけようと思い立ったときに「閉店」してしまったことだろうか。
▲ 西荻窪「麺尊RAGE」の「特製つけそば」。
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「らぁ麺やまぐち」の一番の売りは地鶏のうま味を存分に引き出した醤油味の「鶏そば」である。髪を櫛で梳くように流した麺にまろやかなうま味の醤油味スープが寄り添う。並べられたチャーシュー、メンマの質も高く、ラーメンの高潔な品格が感じられる一杯。
▲ 西早稲田 「らぁ麺やまぐち」の「鶏つけそば」。
昆布水入り細つけ麺「鶏つけそば」は、昆布水を纏った細い麺を、わずかの辛みと酸味を湛えた、まあるい醤油味の鶏スープにつけて、ツルツルッと流し込む。真夏にいただく「最高のラーメンの一杯!」だ。

食べ終えると、「つけ麺」ならではの、残ったスープに新たにスープで割ってくれるのだが、できれば、醤油味のスープをはじめから半量にしてもらい、麺を食べ終えて丼に残った昆布水をスープ割の代わりに加えて飲んだらどれほど美味しいだろうかと、いただくたびに思ってしまう。今度、恐る恐る願い出てみようかしらん。
※次回は7月31日予定です。
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らぁ麺やまぐち

住所/東京都新宿区西早稲田3-13-4
営業時間/11:00~21:00(LO 21:00)
※各日売り切れにより早仕舞いあり
定休日/無休(年末年始を除く)
TEL/03-3204-5120
HP/【公式サイト】 らぁ麺やまぐち
※写真は公式HPより
 

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博さんがYouTubeを始めました!

日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
YouTube/MASUHIROのうまいのなんの!

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