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2022.05.20

98%のお客が「タルタル」「カルパッチョ」をオーダーする生肉のメッカ

フランスで寒い季節に食べるとエネルギーとパワーを与えてくれると信じられている「タルタルステーキ」。訪れるお客の98%が生肉料理をオーダーする「セラフェ」で、斎田武シェフにその人気のヒミツを聞きました。

CREDIT :

文/秋山 都  写真/長谷川 潤

なかなか口にすることができない、となると無性に食べたくなるものがある。たとえば、キャビアや白トリュフなどの非常に高価な食材。そして春の山菜や初夏の実山椒のように旬の短い食材。さらには、生の牛肉のように特別な許可を得たお店でないと食べられない、一種の‟禁制品”だ。
▲ 「セラフェ」のカルパッチョ4500円。
かつて、生食用の牛肉はあちこちの焼き肉店やレストランで「ユッケ」「レバ刺し」「カルパッチョ」などとして、一般的に提供されていた。転機が訪れたのは2011年。焼き肉のチェーン店で提供された「ユッケ」から大規模な食中毒事件が発生し、死者が出てしまったのだ。この事件から、生食用牛肉の基準は見直され、「専用の設備・器具を使用」しながら、塊肉の表面から「深さ1cm以上の部分までを60℃で2分間以上加熱」する、など厳しい規格基準が設けられている。
▲ 齊田武さんは1976年生まれ。恵比寿の「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」などを経て2004年に渡仏し、パリ14区の名門店で経験を積む。肉のカリスマである「ユーゴ・デノワイエ」日本出店のため帰国。さらに、パリでもっとも美味しいステーキ店として有名な「Le Severo」の2号店をまかされ、現在は姉妹店「セラフェ」のエグゼクティブシェフを務める。
この基準により、生肉が一種の‟禁制品”化しているわけだが、「(基準が厳しくなったことは)かえって良かったんじゃないかな」と語るのは「セラフェ」(東京・目黒)の齊田武シェフだ。厳しい基準が設けられているがゆえに、安全性とクオリティが担保されるからだ、と言う。訪れるお客の実に98%が「タルタルステーキ」や「カルパッチョ」など生肉料理をオーダーするという同店で、「生食の牛肉ならぼくにまかせて」と胸を叩く、牛肉の達人に人気のヒミツを訊いた。
▲ 「牛肉のカルパッチョ」用に赤身を牛肉を2.2ミリにスライス。
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「フランスでは冬になると生肉を食べよう、と言うんですよ」

斎田シェフはもともと生肉が好きだったんですか?

「実はぼく、生肉には少し抵抗があったんです。フランス料理をやっている以上、肉は加熱してソースをかけたのが料理だと思っていたんです。でも2004年にフランスへ渡り、11年も暮らしているうちにだんだん生肉が好きになって。フランスの人々はとても日常的に『タルタルステーキ』や「カルパッチョ』など生肉を食べるんですよ」

それはやはり専門店で?

「もちろん有名な肉料理店で、というのもありますが、カフェやビストロでもごく一般的に食べています。面白いのは、冬になると『生肉食べたい』と言い出す人が多いんですね。12月になって、クリスマスを控え、疲れてくると『タルタル食べたい』と。生肉はエネルギーとパワーを与えてくれる、と信じられています」
たしかに、寒い国の人々が生肉を食べている印象があります。

「シベリアや、アラスカに暮らす先住民族はカリブーやアザラシの生肉だけを食べていたことで知られていますね。他にも『タルタルステーキ』の発祥は中央アジア(現在のロシアやモンゴル辺り)のタタール人が食べていた生肉料理だと言われていますし、寒冷地と生肉は密接な関係があるのかもしれません」

タルタルステーキは最初、馬肉だったと聞きました。

「そうそう、いまも馬肉は生食しても安全な肉だとされています。そしてこのタルタルステーキを焼いたのがハンバーグになるんです。そう思うと、原始的な料理でもありますね(笑)」
▲ サシが入らない赤身だがやわらかいシキンボ(ウチモモの外側部分)を使用する「牛肉のカルパッチョ」4500円。
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心も身体もムフフ♡となるタルタルステーキ

斎田シェフにとって「タルタルステーキ」はどんなお料理なんですか?

「フランスの国民食だと思っています。ここ『セラフェ』はレストランだからいいお肉(この日は常陸牛のウチモモ・ソトモモ)を使いますが、フランスのカジュアルな店なら、その日に出た端肉を寄せ集めて叩くのが『タルタルステーキ』。鮨屋のちらしずしみたいな、と言えばわかりやすいでしょうか? サステナブルでしょ(笑)」
▲ 赤身の牛肉に卵黄、エシャロット、ケッパーを加えた「タルタルステーキ」4500円。
わ! 「セラフェ」のタルタルステーキは♡型なんですね。

「これはコロナ禍中に誕生した改良型。かわいいでしょ(笑)。でも、きちんと意味もあって。生の牛肉を食べると元気になる、という話はさきほどしましたが、実は心にも効くんです。店にいらしたドクターから聞いたんですが、この赤い肉の色が男性ホルモンを掻き立てるんですって」

▲ なめらかな食感で飲み物のようにスルスルと食べてしまう「タルタルステーキ」。
聞いたことがあります。医師によれば、筋肉を造るホルモンであるテストステロンが赤という色を目にするだけでも上がる要因*となり、ゆえに「焼かれた肉を食べるより、最初に生の赤身肉を目にし、それを目の前で焼いたほうがテストステロンがアップする」ことが実証されているのだとか。生肉料理は心にも身体にも効くというわけですね。

「そうなんです。だから98%のお客様がオーダーしてくださるんです。元気になりたいなら『タルタル』と『カルパッチョ』、これ間違いないですよ」
参考/堀江重郎監修『肉とマカとテストステロン』プレジデント社
▲ 「カルパッチョで元気になって!」と斎田シェフ。

セラフェ

住所/東京都目黒区下目黒1-3-4 ベルグリーン目黒 B1F
電話/03-6420-0270
営業時間/12:00〜13:00(L.O)、18:00〜22:00(L.O)
休/日曜・祝日、月曜の不定休




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