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2017.09.12

デキるビジネスマンはシューズに合わせてパンツの丈を変えている?

男性のパンツ丈は年々短くなっています。イタリアではくるぶし出しなど極端なものまで出てくるほど。しかし実際のビジネスシーンではどうなっているのか。そこんところを取材してきました。

CREDIT :

写真/小澤 達也(STUDIO Mug) 文/川田剛史

ここ数年、男性のパンツ丈が短くなったのはご存知でしょう。いまでは9分丈、8分丈のパンツが一般的になるほど。男性服飾の見本市、イタリアのピッティ・イマジーネ・ウォモでは、くるぶし出しなど極端なショート丈のパンツを目にすることも多々。しかし、実際のビジネスシーンにおいては、適正なパンツ丈はどうなっているでしょうか。というわけで、オトナの男性のためのいまどきのパンツ丈について、今回は取材してみました。

いまどきのビジネスシーンにふさわしいパンツ丈とは?

「裾の処理ははどうされます?」

スーツを購入する際、お店のスタッフに必ず聞かれるのがこんな言葉。そんな時、的確に答えていますか? たとえば、週末、買い物に出かけるようなカジュアルなシーンでのパンツならいざ知らず、会議や商談、接待があるようなビジネスシーンにおいて、スーツのパンツ丈が短すぎたり、長過ぎたりでは、せっかくのスーツがもったいないことに。

お洒落に見えるビジネススーツ姿には、パンツ丈の基本のバランスがあるのです。普段もっともお召しになる靴で丈を合わせる、なんてのも手なのです。

そこで今回はスーツが似合う銀座という街で、数々のお直し&スーツのオーダーメイドを得意としているサルト銀座店にお話を伺いました。海外の仕立てや流行にも熟知しているので、業界人も安心して通っているほどです。
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合わせる靴でパンツの丈を調整するのが洒落て見せる近道

スーツのパンツの長さは、ご自身でもっとも履いている靴のタイプに合わせて、裾の長さを合わせるのが基本です。そこで、シューズ別にパンツ丈をどう仕上げているのかを教えてもらいました。

ひも靴の場合はハーフクッションで

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ビジネスシーンにおいてもっとも頻度のあるドレス靴といえば、ひも靴です。その場合はハーフクッションに処理するがオススメ。ハーフクッションとはパンツの裾がほんのり靴の甲について、パンツの足元のシルエットがほんのりたわむ程度の長さのこと。ひも靴の場合はこの長さが最適です。

スリッポンの場合はノークションでスマートに

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着脱しやすいローファーなどのスリッポンは、本来はカジュアルな出自ですが、タッセルローファー人気なども含めて、最近はビジネスシーンでも浸透しつつあります。こちらは靴のボリュームがそれほど大きくないので、パンツの裾が靴にかかりすぎない長さに処理して、軽快に見せるのがコツです。いいオトナですからビジネスシーンを考えると短すぎはご注意を。
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ブーツの場合はハーフクッションからワンクッションで

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チャッカーブーツやチェルシーブーツなどを、ビジネススーツに合わせる方が増えています。とりわけ冬の季節には、くるぶしを包んでくれるハーフブーツは非常に重宝するものです。そんなタイプの靴の場合にはハーフクションからワンクッション(裾が大きくたわむ程度)で合わせるのが、冬の重衣料とバランスがよくオススメです。

シングル、ダブル、折り返しの幅はどうしたらいい?

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実際にはかれているお二人のパンツの裾を比較してみました。左が身長168㎝の森岡さん。折り返し幅4.5cm、裾幅19cm。右が身長185㎝の檀さん。折り返し幅5cm、裾幅21cm。折り返し幅はお二人の身長や、パンツのシルエットバランスを加味して調整するのが基本です。
裾の折り返し、いわゆる「ダブル幅」もスーツを印象付ける重要な部分です。

「折り返し幅は身長とのバランスが重要です。細身で身長が低い方だと4cmをおすすめしています。4.5cmや5cmだと身長に対して裾が主張しすぎて重くなりがちですから。また、身長が低い方でも恰幅のいい方なら、体型に負けないよう5cmにしてもよいと思います」

とサルト銀座店・店長の森岡さん。裾の処理は時代性や好みに左右されますが、こちらでは、クラシック調のダブル幅のリクエストが多く、相談を受けるとダブルをおすすめしていると言います。
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シングル処理は、実は秋冬素材に向いています

「たとえば秋冬物で地厚のフランネル素材だと、非常にボリュームがありますから、シングルでも裾の落ち方が十分にキレイです。反対に春夏のフレスコ織りの生地やスーパー160’sといったしなやかな素材の場合はシングル仕上げだと軽すぎて裾の収まりが悪くなります。最近はオールシーズン使える生地を求める人が多いので、生地は薄手になりがち。ですので裾をダブル仕立てにする方が増えています」(森岡さん)。

今後はよりドレッシーに見えるハーフクッションが主流か?

「以前はノークッションに近いバランスを私は選んでいましたが、いまはハーフクッションが基本。フォーマル度の高いキャップトゥもハーフクッションで合わせるようになりました」(森岡さん)

ビジネスシーンにおいて、履く靴やシルエットでパンツ丈を決めるのが正攻法と言えましょう。判断に迷った時は、適切なアドバイスが期待できる経験豊富なスタッフのいるテーラーやショップに相談するのもオススメです。パンツ丈ひとつで印象が変わりますから、おろそかにしないことがビジネスシーンで洒落て見せるコツなのです。

今回お話を伺った方

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銀座サルト代表 檀 正也さん

身長184cmでスマートな体型、50歳代の檀さんは、4年ほど前からゆとりを持ったシルエットに落ち着いたそうです。パンツは2タックでタックと股上は深め・シルエットは非常に緩いテーパード。4年ほど前にイタリアで檀さんは大人の男性の装いのあるポイントに気付いたそう。

「モンテナポレオーネ通りを歩いている優雅な大人の男性を見ると、ほどよいバランスを選んでいます。適度に深さのある股上に裾幅は21cmくらい。そしてワンクッションのパンツ丈。上着も肩や胸周りに程よくゆとりがある。かといって決してブカブカではないんです。ファッションを追うよりも年齢相応の着こなしのほうが大人の余裕が醸し出されるのでしょうね」

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銀座サルト ディレクター兼店長 森岡和也さん

現在はパンツの裾幅19cm、ハーフクッションが基本という森岡さん。身長168cm、中庸な体型の森岡さんは、読者の皆様の多くに当てはまる好例ではないでしょうか。

「私はパンツ丈をハーフクッションにすることが多いですね。柄物や色物のソックスが少し見えるくらい。1~2年前には裾幅18cmを選ぶときもありましたが、現在は19cmにしています。お客様も少しずつゆとりのあるスタイルに変わってきているようで、以前は裾幅18cmが主流でしたが、いまでは18.5cmか19cmにされる方が増えてきています。ほどよく細身ですが、大人っぽく見せたいという考えに徐々に移行しているようです」

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サルト 銀座

以前購入したスーツやジャケット、パンツをいまどきのシルエットに修正するのはもちろん、あらゆるアイテムのお直し&カスタムを手がける、お直し界の駆け込み寺。

住所/東京都中央区銀座2-6-16 第二吉田ビル2F・3F
営業時間/11:00〜19:30
お問い合わせ/☎03-3567-0016
URL/www.sarto.jp/

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