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2023.01.21

目利きが推すMyベスト名品【井嶋一雄 編】

サッと合わせるだけでサマになるショットのライダーズとエルメスのスカーフ

世に名品は数あれど、長く服飾業界にてモノを吟味してきたマイスターは、一体どんな名品に惚れ込んでいるのでしょう。ポイントは素材? カタチ? それとも値段? その道を極めたからこそ見つけることができた至極のアイテムを、エピソードを踏まえつつ熱~く紹介していただきました。

CREDIT :

写真/大森 直(TABLEROCK Inc.) 編集・文/長谷川 剛(TRS)

生粋のバイカーでありロック好きゆえのチョイス

誰もが知る著名芸能人やプロミュージシャンを多数手掛けるほか、数々のファッション誌やLEON本誌でもスタイリングを担当する重鎮スタイリストの井嶋一雄さん。大胆かつ繊細で、時にユーモアをも詰め込んだコーディネートテクの数々は、高度なセンスに加え35年以上に渡る経験がもたらすもの。

また昨今は、MNDL(メンドリル)という自身のブランドのデザイナーとしても活躍している人物です。服をあらゆる角度から見渡してきたエキスパートならではの見識にて、大納得の名品を紹介してくれました。

機能重視の実用品からハイエンドなドレスアイテムまで、すべてを知り尽くした服魔神であるカズさん。そんな超ベテランが名品と聞いてピックアップするのは一体何でしょう? あにはからんや、ゴツくてタフで男っぽいアイツでした。

実用品でありモードにも着こなせてしかも格好イイ!

▲ ユナイテッドアローズのレーベル、ビューティ&ユース×ショットのコラボモデルであるワンスター。およそ15年前に購入した一着。ジッパーや金具などデコラティブでありつつ普遍的なデザインです。
井嶋一雄(以下、カズ) そう、ショットのダブルライダーズです。意外と思われるかもしれませんが、あらゆる着こなしにマッチする万能アウターなんです。そして何より男っぽくてカッコよい。コレ、絶対に大事なポイントです(笑)。

名品というのは、長年作り続けられていることがひとつの条件。自分のお爺さんの代くらいから作られてるくらいのロングセラーが理想です。

そして飽きずにずっと使い続けられる普遍性とクオリティを備えていることも大事。そういう意味で、しっかりした素材かつ縫製までキチンとしたプロダクトであることも重要です。

何より僕はずーっとバイク乗りであり、若いころにミュージシャンとしての活動もあったことから、ロックスタイルのアイコンとしてもマストなダブルライダーズは、かれこれ40年近く身近なアイテム。その長くリアルな経験からのリコメンドですから、マズ間違いありません(笑)。
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▲ ハンガーループにユナイテッドアローズのスタンプあり。もちろん昔ながらの米国製です。このモデルは肩のエポレットに星形のスタッズが付く人気のワンスター。ただ師匠は、「別になくても大丈夫」とのこと。ちなみにショットは米国N.Yにて1913年に創業した老舗です。ダブルライダーズの元祖である「613(ワンスター)」は1950年代に登場。
── 確かにショットのライダーズはロングセラーでしかもタフ。そういう意味で言えば他のブランドにもダブル仕立てのライダーズはありますが、カズさんならではの目の付けどころと言うと?

カズ もちろん究極的にはバンソンでも良いかもしれません。ただ、個人的には重くてハードな革ジャンはもうキツい。若いころならまだしも、僕ももう結構トシなので(笑)。それに、ご存知のとおり英国にもライダーズの傑作は数々ありますが、自分にはちょっと硬かったり着丈が長かったりする場合が多かった。

ソコへいくとショットはある程度しなやかな着心地で着丈も短く動きやすくシャープな印象。確かサンローランなどのライダーズも、どちらかと言うと着丈は短め。それが定番的なロックスタイルなんだと思っています。

── これまでにも多くのライダーズブルゾンを経験してきた革ジャンマスターのカズ師匠。昨今はその名品をどのように着こなしているのでしょうか。
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▲ ダブルのライダーズは何にでも合うと強調するカズ師匠。「タフにもツヤっぽくもイケる万能アウターです」とのことで、次に出てくるシルクスカーフをサッと巻いて洒脱にポージング。
カズ うーん、特に何も考えていませんね(笑)。ザッと羽織って男っぽくキマる。それがダブルライダーズの良いところです。トレーナーにジーンズはもちろん、スラックスにタイドアップでもOK。合わせるパンツの太さ細さなどに関係なく羽織れますからね。

そして、なにより着ることで安心を感じます。生粋のバイクウエアですから防寒性が高くプロテクション機能も抜群。そんな心から信頼できるアウターは中々ないですから。また、革製ゆえに着込むほどに身体に馴染んでいきます。この辺の感覚は革のドレスシューズと似ています。年々じっくり自分のモノになっていくところも、名品と呼ぶに相応しいポイントだと思っています。

一発で装いが華やかにランクアップする

── そんなスタイルマスターが次にプッシュする名品が、エルメスのシルクスカーフです。男臭いラギッドな革ジャンから一気にラグジュアリーかつ工芸品的なアイテムへと舵を切る大胆さが、実にカズさんらしいモノ選びです。
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▲ 小判から中判、それに大判まで用意してくれたエルメスのシルクスカーフ。普段からブラックスタイルが多いカズさんは、黒ベースのスカーフがメインになるとこのこと。
カズ コレはもう間違いないでしょう? 巻くだけで一発お洒落にスタイルアップできるマジカルな名品です。もちろん長く作られているアイテムですし、完璧なクオリティをキープしています。そして誰もが“ああ、アレね”と膝打つお馴染みの傑作。ベタかもしれませんが、非常に素晴らしいアイテムです。

── 確かに華麗を極めた押しも押されもせぬ名品です。しかし、誰もが気軽に使えない、一種近寄り難い存在感もあるのですが……。
▲ カラフルでフェミニンな花柄なども多いエルメスのスカーフ。ただしカズさんは、シックで男っぽい図案のものをチョイス。
カズ そんなことないですよ。でも…うーん、ソレは少しあるかも(笑)。確かにシャリピンだと少々ラグジュアリーすぎて取り入れにくいと言えば取り入れにくい。だから僕は、反則かもしれませんが洗濯機で洗っちゃうんです(笑)。

少しツヤが落ちて白っちゃけた風合いになると、日常着にも絶妙に馴染むようになるんです。エルメスのスカーフは、シルクの質も縫製も抜群ですから、家庭で洗ってもまったく問題ないと思っています。また僕は普段、黒色のウエアを多く着用するので黒ベースやモノトーンのスカーフを多く愛用しています。

エレガントな花柄系はレディス風味が強いので、馬具やブーツなどの力強い図案を選んでいます。ですが、結局巻いてしまえば絵柄は判別不能(笑)。それゆえ着る服のカラーに合わせてチョイスするのが正解だと思います。

── そう言ってスカーフの使い方を実践してくれたカズ師匠。先ほどのレザーライダーズも、エルメスのスカーフを噛ませるだけで、ちょっと小綺麗な雰囲気になるとのこと。
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自分の好きに巻くだけでお洒落な印象に仕上ります

▲ サッと合わせて「意外に何にでもマッチするから」と説明するカズ師匠。何の気なしに合わせて見せてくれますが、たたみ方など歴戦のテクニックが滲み出ます。
カズ よく“巻き方や結び方が分かりません”なんて声を聞きます。しかし別に首から垂らすだけでもイイんです。色使いさえ揃っていれば、結構適当に取り入れてもサマになりますから。

── 大小さまざまなサイズのシルクスカーフを所有しているというカズさん。なかでも便利なのが大判だと教えてくれました。
カズ 大きいスカーフは着こなしのアクセント役としても非常に便利。巻き方も、僕は決まった方法を定めていません。今日、僕は偶然ブラックのチャイナジャケットを着用していますが、コレにだってひと巻きするだけで個性的なルックスに仕上ります。しかも軽く温かくて肌触りも最高!

── なるほど、天衣無縫というか、本当にお洒落を自分らしく自由自在に楽しんでいるカズ師匠。しかしシルクスカーフはエルメス以外にも数多くリリースされています。それについてはどう捉えているのでしょう。
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▲ 大判スカーフこそエルメスらしい洒落感が味わえると付け加えるカズ師匠。瞬時に巻いてデモンストレーションしてくれましたが、そのキマり方は高位のお洒落僧侶? を思わせます。
カズ 確かに数々のブランドがシルクスカーフを手掛けています。もちろんその中には幾つも良品があるはず。しかしシルクスカーフと言えば、世界的にそのトップは間違いなくエルメスです。誰もが認める名声を得ていることも、名品の重要な要素。

シルクスカーフを巻くということは、華やかな気分を求めているということ。そんなシーンに今、自分は最高の一枚を巻いてるんだという高揚感は、他のブランドではなかなか得られません。ソレも含めてエルメスのスカーフは名品と言える一枚だと思っています。

● 井嶋一雄 (スタイリスト、デザイナー)

スタイリスト事務所「バランス」所属。メンズファッションを中心に雑誌や広告、テレビやCMなどでスタイリングを担当。自身のルーツともなる音楽や様々なカルチャーをベースに作りだされるコーディネートは、大胆かつ繊細。先シーズンから自らのウエアブランド「MNDL(メンドリル)」を本格化。デザイナーとしても活躍する。

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