

この船がヴァンデ・グローブに参戦したのは、昨年11月。ヴァンデ・グローブとは、4年に一度開催される、単独無寄港、無補給で誰からのサポートも受けずにひとりでヨットを操り、世界一周のスピードを競うレース。フランスのレ・サーブル=ドロンヌをスタートし、南半球のルートを通ってまた同じ地点に戻ってくる、世界でもっとも過酷なヨットレースと言われています。

そして冒頭で「優雅に見えますが…」とお話ししたのは、ヨットがこんなにもタフでハードなスポーツだとは思っていなかったため。ヨットは当然エンジンではなく、風で進むので、風向きと進路によって、特大の帆をスピーディーに張り替えなければなりません。
操舵室中央に配置されたウィンチにロープを巻きつけて、ハンドルを回すことで帆を張り替えるのですが、その帆を張り替える作業が、とんでもなく過酷なのです。そしてハンドルを懸命に巻き取っていると…
