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2024.04.20

「日本一美しい蒸留所で飲まない?」と誘われて「嘉之助蒸溜所」に行ってきた件

世界でも注目されている「クラフト・ジャパニーズ・ウイスキー」。そんな中でも焼酎作りのノウハウを活かした蒸留所があります。それが鹿児島に位置する「小正嘉之助蒸溜所」。日本一美しいと言われる蒸留所にて、学んで、見て、味わって、そして酔っ払って……ってな1日をご紹介させていただきます!

CREDIT :

文/赤松いづみ(LEON) 写真・協力/嘉之助蒸溜所

こんにちは! 酒の一滴は血の一滴、LEON編集部の赤松です!

お酒は大好きなものの、それに伴った知識はごにょごにょ……と、感覚先行で酒好きを名乗っている私。エディターとしてこれではあかんと思っていた矢先にこんなお誘いがありました。

「日本一美しい蒸留所でウイスキー飲まない?」と。

素敵な男性からのロマンティックなお誘い……のような、蒸留所からの直々のお声掛け。ということで、学びに! 飲みに! 鹿児島へひとっ飛び〜。
小正嘉之助蒸溜所
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で、到着したのがこちら「嘉之助蒸溜所」。
訪れた人を迎え入れる形にしたい、という意図があり、コの字方の建物にしたそう。端の通路を歩いてエントランスへと向かいます。
小正嘉之助蒸溜所
建物に入り、蒸留所特有の香りに思わず声が出ました。甘酒に香ばしさを足したような発酵を感じる香りで私はもうそれだけで酔っ払いそうに(笑)。早く飲みたい! とワクワクしつつ、まずは蒸留所見学に向かいます。
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小正嘉之助蒸溜所 ウイスキー「KANOSUKE」の名前の由来にもなった2代目・小正嘉之助さん
△ ウイスキー「KANOSUKE」の名前の由来にもなった2代目・小正嘉之助さん。
冒頭でもお伝えしましたが、ウイスキー「KANOSUKE」を作っている母体はもともと焼酎を作っていたブランド。「メローコヅル」という名前に聞き馴染みのある方も多いかもしれませんが、日本初の樽熟成の米焼酎を作ったのがこちらでした。世界を見据え、1951年にスタートしたこの米焼酎は一時は販売を拡大したものの、若者の焼酎離れなどがあり、販売に苦戦します。
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小正嘉之助蒸溜所 4代目社長の小正芳嗣さん
△4代目社長の小正芳嗣さん。
時は代わり2000年代、4代目の小正芳嗣さんが2代目の想いを受け継ぎ、世界各地で提案するものの、味わいが評価されても「焼酎」自体の認知度の低さからなかなか受け入れられず……。

しかし、そこで挫折するのではなく、とあるきっかけから、これまで生み出してきた焼酎の蒸留技術をウイスキーにも応用できると気づいたのです。世界的にスタンダードな蒸留酒、ウイスキー作りでまずは注目してもらう。その結果、ブランドのバックボーンである焼酎自体にも注目をしてほしい。嘉之助蒸溜所のウイスキー作りにはそんな裏の目的もありました。

蒸留についてのあれこれを学ぶ前に教えていただいたブランドの背景。2代目から4代目に渡って受け継がれてきた熱い想いに感動しつつ、いよいよ工場内へ参ります。
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小正嘉之助蒸溜所
扉を開けてまず目に入ってくるのは巨大なマッシュタン(糖化槽)。お粥のような状態になった大麦が丸い窓から見えます。
小正嘉之助蒸溜所
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で、その隣には発酵槽が。半分地面に埋まって見せているのは、ブランドのバックボーン、焼酎作りの過程をなぞっているそう。空間そのものや壁のロゴも可愛いので、訪れた際はぜひお写真を。
小正嘉之助蒸溜所
次のお部屋でいよいよ蒸留。並んでいるのはポットスチルと呼ばれる銅製の単式蒸留器。この装置が3つ並んでいるのはとても珍しいそう。蒸留の熱で室内はかなり暑く、ここで少し過ごしただけで汗だく〜(喉がいい感じに乾いてきました)。
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小正嘉之助蒸溜所
お次のお部屋に進むと、そこは熟成コーナー。
さ、KANOSUKEの歴史、ウイスキーの作り方を学んだうえで、いざ「THE MELLOW BAR」へ。
小正嘉之助蒸溜所
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天気が良ければ目の前の水平線から綺麗に夕陽が見えるそう。この日はあいにくの曇り空でしたが、それでも広い空間と大きな窓の開放感はすごくて。夕陽が見えるタイミングだったらもっと感動するのかなぁ、と己の日頃の行いを反省しつつ着席。

蒸留所内、こちらのバーも内装がとっても素敵。ゆえに「日本一美しい蒸留所」と言われているのですが、デザインはあのランドスケーププロダクツが担当したそう。バーの椅子も、オリジナルで製作された、とのことです。
小正嘉之助蒸溜所
こちらでいただいたのは3種類+2種類。

まず最初は一番左のニューポット(蒸留したての熟成前のウイスキー)。アルコール度数は約63%と高く、熟成前ゆえに当然、荒々しく尖った感が。ここから時間をかけて、まろやかでより奥深い味わいになるのですね。(ニューポットはツアーの予約をされた方はお試しできるそうなのでぜひ!)
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小正嘉之助蒸溜所 シングルモルト嘉之助
△「シングルモルト嘉之助(700㎖)」9900円/KANOSUKE
お次はプレート上の左「シングルモルト嘉之助」。嘉之助蒸溜所の定番品。熟成年数は約4年ですが、色味、味わい等は12年ものと同じレベルに近いそう。というのも鹿児島の気温は高低差が高いために、熟成スピードが早くなるとのことで。その分、いわゆる天使の分前もかなり多く持っていかれるらしい……。鹿児島の天使はお酒飲みなんですね(笑)。

お味は甘さのなかに柔らかい苦さもあり、スモーキーな風味も。ニューポットを飲んでから飲むと、こうも変わるのかと驚きです。
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小正嘉之助蒸溜所
△「嘉之助 HIOKI POT STILL(700㎖)」1万2100円/KANOSUKE
お次は昨年発売された「嘉之助 HIOKI POT STILL」。

嘉之助蒸溜所のグループ会社、小正醸造日置蒸溜蔵にて、独自の製法、単式蒸留器で造られた原酒を、嘉之助蒸溜所の熟成庫で樽熟成を行ったジャパニーズウイスキー。ほんの少し塩味を感じながらもフルーティさ溢れる優しい味わいで、ウイスキー初心者の私はこれが一番好みでした。
小正嘉之助蒸溜所
△「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY(700㎖)」1万4300円/KANOSUKE
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プレート、一番右は4月9日に発売された「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」。

「シングルモルト嘉之助」、「嘉之助HIOKI POT STILL」のそれぞれの構成原酒の中から新たに樽を選定し、2 つの個性が引き立つ絶妙な配合を吟味。それをブレンドしたジャパニーズウイスキーです。

バニラ薫る丸いもったりした味わいで、シルキーというか、リッチというか……。同じ原料でこうも個性が際立つかと飲み比べしながらそれぞれの良さを味わったのでした。
小正嘉之助蒸溜所 焼酎 メローコヅル
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さて、プレート下、右にあるのはウイスキー、ではなく焼酎「メローコヅル」。バーの名前の由来にもなっていて、ブランドを語るうえではなくてはならない存在の一本です。世界に売り出すウイスキーと、今後改めて世界を目指す焼酎。飲み比べをしながらまた遊びに(飲みに)行きたいなぁと思ったのでした。次は晴れますように……。

いかがでしたでしょうか、デートに行きたくなる、美しい蒸留所何度もお代わりしたくなるウイスキー。モテるオヤジさんには、彼女と一度実際に商品を飲んだうえで、ここの蒸留所行ってみない? とお誘いしてほしいなぁ〜。

素敵な夕焼けをメローバーで見るため、日頃の行いは正しくいましょうね(できるかな)。 

■ お問い合わせ

住所/鹿児島県日置市日吉町神之川845−3
TEL/099-201-7700
営業/10:00〜16:30 月休
工場見学/https://kanosuke.com/visit-us

「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」
抽選フォーム/https://kanosuke.com/news

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