2019.01.19

文豪が愛した食を、文字で味わう珠玉のグルメ本

年末年始を経て重量オーバーが気になる方、たまには文字の美食を楽しんでみてはいかがでしょうか?

CREDIT :

文/岸澤美希(LEON.JP)

皆さま、遅ればせながら明けましておめでとうございます。岸澤です。長〜いお正月気分が抜けて、そろそろ通常運転のスイッチが入りましたか?

年末年始は飲み会が重なってつい暴飲暴食をしてしまいがち。春に向けてダイエットに燃えている方も多いことでしょう。とはいえ悲しいかな、食欲は抑えがたいもの。でも今回は、そんな方も楽しんでいただけるノンカロリーなグルメ。つまりは、文字のグルメをお送りします。
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小説ーとくに文豪と言われる人々のーを読んでいると、まさに膝を打つような表現に出会ったり、まさか!なオチに驚愕させられることもしばしば。いったい何をすれば名文が書けるのか……。そんな疑問に、食という観点で迫った本をピックアップしました。小説家たちの食癖を見てみると、それぞれクセの強〜いこだわりがあったようです。
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『文人悪食』 嵐山光三郎

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750円/新潮文庫
まずは『文人悪食』。「吾輩は猫である」でお馴染みの夏目漱石から、森 鴎外、永井荷風、芥川龍之介、内田百間など名だたる文豪が揃います。食べることは、生理的かつ生存に不可欠な行為ゆえに、個性が強くあらわれるよう。例えば、ミステリアスな作風の泉 鏡花は、極度の潔癖症で生の食品が食べられなかったとか、儚げなイメージのある早逝の詩人・中原中也は極端な粗食であったとか……。自分の好きな作家を選んで読むもよし、むしろこれを先に読んでから作品に逆行するもまた面白し、な1冊です。

『文人悪食』 嵐山光三郎

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790円/新潮文庫
こちらは、続編の『文人暴食』。文豪だけではなく、その博学さから"歩く百科事典"の異名を持つ南方熊楠氏、民俗学者の柳田国男氏・折口信夫氏などの研究者のエピソードまで。前作に増してバラエティ豊かな人選が楽しめます。
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『酒と肴と旅の空』 池波正太郎・編

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720円/光文社
最後は、池波正太郎氏をはじめ、著名な作家の食に関するエッセイをまとめた『酒と肴と旅の空』。いずれの作品からも作家独自の食に関する審美眼が感じられます。個人的なお気に入りは、開高 健氏と阿川弘之氏の対論をまとめた「わが美味礼賛」。絶対的な知識と経験に基づいた両者の面白トークが炸裂していますのでぜひ一読を。

読んでるうちはノンカロリーですが、釣られて実際に食べたくなってしまわぬよう、ご注意を。それではまた次回のブログで!

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