2019.01.16
食べる国宝「マンガリッツァ豚」を味わいつくす。
自宅にハンガリーの国宝ともいわれる「マンガリッツァ豚」が7キロ届いた! さぁ、どうする⁉
- CREDIT :
文/秋山 都 写真提供/池田謙伸
自宅に7キロの豚が届いた!
年末年始「お友達を呼んでゴハンでも食べようかな」と自分のお気に入りレシピ集を見返していたのですが、いまいち心ひかれるものがない……。料理は自己流なので教えてくれる人がいるわけでなし、なかなかレパートリーが増えないのですよね。
そこで思いついた。料理の腕より素材で勝負! 普段食べられないような食材をお取り寄せして食べちゃおう。
私が大好きな高級食材といえばまずキャビア。でも、6人が思い切り食べるには…ちと懐がさみしい。
ではウニ? いや、ゲストのひとりが痛風気味だった。
あ! アレ、調達してみよう!!

ウマ? いえいえ、それじゃなくて、奥のほうにいるモコモコしたコたち。

マンガリッツァ豚。全身がくるくるとした巻き毛で覆われたハンガリー原産のマンガリッツァ豚は、2004年にハンガリーの国会によって「国宝」に認定されている、つまりは「食べられる国宝」というわけ。
祖先があのイベリコ豚と同じだそうで、肉質のすばらしさも似ているかも。世界でもっとも脂肪率が高い豚とされ、濃厚な赤身に加えて良質な脂もおいしさの秘密です。
大量飼育が容易な豚種が普及した20世紀後半になるとマンガリッツァ豚が激減し、1991年にはたった198頭に……絶滅寸前の状態に陥ってしまいました。
そのとき、残り僅かとなったマンガリッツァ豚が集められ、保護され、飼育管理制度が制定されました。いまは5万頭にまで増えたものの、大変貴重な豚であることには変わりはありません。日本をはじめ世界ではミシュランの星つきレストランなど高級レストランで供されることが多いプレミアムな食材です。

さあ、この7キロのマンガリッツァ豚をどうするか。このように考えてみました。
<肩ロース>
1.43kg=200gのソテー用ロース肉2枚(切り分けて冷凍)×2+1㎏の塊肉ロースト
<バラ肉>
4.92kg=900gの煮豚+自家製パンツェッタ500g×8
つまり、この日のホムパでは塊肉のローストだけ作り、バラは保存食にして冷凍してしまおうといえ作戦です。




この自家製パンツェッタは、スモーク香のないベーコンのようなイメージで、パスタやチャーハン、ポトフなどさまざまに使えるから便利。あ、言うまでもないことですが、生肉はなるべく素手で触らず、手や包丁もアルコール除菌すると安心です。

7キロのマンガリッツァ豚のおかげで豊かな食生活が楽しめた年末年始。マンガリッツァ並みに脂肪を蓄え、私のエナジーチャージも満タンです。
2019年もたくさんの「おいしい」ネタをお届けできるよう、精進いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。