
満を持して登場のレクサス初の都市型EVは買いか⁉
今回、対談に臨んだのはこのふたり

■ 安東弘樹(あんどう ひろき)
フリーアナウンサー。大学を卒業後、1991年アナウンサーとしてTBSに入社。2018年3月にTBSを退社。自動車マニアで知られ、これまで所有したクルマは45台。自動車専門誌で連載コーナーをもち、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。

■ 近藤高史(こんどう たかふみ)
月刊誌LEONの編集デスク。主にクルマ、宿、ゴルフなどライフスタイルジャンル全般を担当。LEON、LEON.JPのクルマに関する特集や連載記事を統括する。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員としても活動中。
乗り込んでわかった、その実力とは──
安東 よろしくお願いします。私は千葉の自宅から、都内のテレビ局をはじめとする仕事場への行き来に加え、この期間に浜松まで行ってきたんですね。そんなこともあって1週間で約900kmという距離を走りました。そこから出た結論から言いますと、このクルマを本当に欲しいと思いました。
近藤 その理由はぜひお聞きしたい! 何といっても安東さんは、以前から「いつかはレクサスオーナーになりたい」って言っていますし、試乗会でも担当者を質問攻めにしたり、思い入れがありますもんね(笑)。
安東 ラグジュアリーブランドでは、どうしても輸入車に遅れをとっている日本車への期待がレクサスに向いてまして、試乗会でジャーナリストの方々が終了予定時間になると引き上げていくなかでも、ひとり残って、つい激しい意見交換をしてしまいますから(笑)。
近藤 はい、いつもの調子で今回も存分に意見を聞かせてくださいね。

私はレクサス全車種に乗らせてもらっていますが『UX300e』は、バッテリーをはじめとする重量物が車体下部に配置されているから、スピードを出しても安定感が随一ですね。高速域のフラットライドは日本車があまり得意ではない分野だと思っていたので「LEXUS」として新境地を切り開いた一台だと感じました。それに、回生量を瞬時に変えられるステアリングパドルもしっかり付いている。この場だから持ち上げているのではなく、普通に感想をお伝えするだけでちゃんと記事になるなと安心したぐらいです。
ところで浜松までの長距離走行で、バッテリーの持ち具合や充電はどうでした?
安東さんの「1週間インプレッション」
▲ 浜松に向かう途中の牧之原サービスエリアで充電中の一枚。地方のサービスエリアはまわりの景色も良く、クルマの充電時間に自分自身もリフレッシュできるのが魅力です。
▲ その牧之原S.A.に向かう途中。充電マークが点灯し、あと38kmしか走れないと通知が出てヒヤヒヤしました。スマホ同様に、常に満タンにしておきたいという気持ちが理解できるように。
▲ 妻と子供とお出かけ中に充電するひとコマ。ガソリンだと心配なフローアウトがないため、機械オンチな妻でもラクラクでした。ガソリン特有のニオイもなく、子供も興味津々で充電する様子を楽しんでいましたよ。
▲ ラゲージの広さもご覧のとおり。最大荷室容量は310リッター(最大荷室容量はデッキボード上部303リッター、アンダーデッキ7リッターの合計。容量はVDA方式で測定)。普段からよく持ち歩くトラベルバッグなら、6個ぐらいは積めそうな収納力ですね。
▲ 浜松に向かう途中の牧之原サービスエリアで充電中の一枚。地方のサービスエリアはまわりの景色も良く、クルマの充電時間に自分自身もリフレッシュできるのが魅力です。
▲ その牧之原S.A.に向かう途中。充電マークが点灯し、あと38kmしか走れないと通知が出てヒヤヒヤしました。スマホ同様に、常に満タンにしておきたいという気持ちが理解できるように。
▲ 妻と子供とお出かけ中に充電するひとコマ。ガソリンだと心配なフローアウトがないため、機械オンチな妻でもラクラクでした。ガソリン特有のニオイもなく、子供も興味津々で充電する様子を楽しんでいましたよ。
▲ ラゲージの広さもご覧のとおり。最大荷室容量は310リッター(最大荷室容量はデッキボード上部303リッター、アンダーデッキ7リッターの合計。容量はVDA方式で測定)。普段からよく持ち歩くトラベルバッグなら、6個ぐらいは積めそうな収納力ですね。
しかし東名高速道路を使って浜松まで行った時には、予定よりも早く途中の富士川サービスエリアで充電しなければならない状況になってしまいました。でも到着してみると、EV急速充電スタンドが1台分しかなくて。別の電気自動車が充電中でした。しかも、ちょうど充電を始めたところだったみたいで……(苦笑)。90㎞分しかバッテリーが残っていなかったのですが、スケジュール的に30分は待てなかったし、仕方なく70㎞先の牧之原サービスエリアを目指すことにしました。
ガソリンスタンドって、お気に入りのスタンドやガソリン会社があったりしてナビで選ぶのが面倒だったりするけれど、充電スタントはそれがないぶん、意外と良いかもって思っちゃいました(笑)。それに安東さん、LEXUSオーナーズデスクは使いませんでしたか?
安東 今回は試さなかったですね。ひとりであれこれと試しながらクルマに乗りたかったので(笑)。

近藤 そうですよね。ただ、そこをLEON的な考え方で言うと、充電に必要な30分という時間に「ちょっとコーヒーでも飲もうか」と同乗の女性と楽しむ良い口実になるじゃないですか(笑)。これはガソリンスタンドだとできなかったことかと。とはいえそれが、待ち時間も合わせて1時間以上となってくるとさすがに厳しい。それに、ひとつしかスタンドがない場合、後ろで待っていらっしゃる方のことを考えると30分以内に戻らなきゃいけないという焦りも生じてきます。
やはり安東さんの言うとおり3つぐらい設置するか、仮にバッテリーが7割、8割残っていても充電しておきたい心配性な方もいらっしゃるでしょうから、例えば15分用、30分用、1時間用といった感じで必要充電時間に差をつけた専用スタンドがあってもいいかもしれませんね。
安東 静かなのもさることながら、振動がなくて驚きましたね。予想はしていたのですが『UX300e』に1週間乗って自分のエンジン車に戻った時に一瞬、自分のクルマのシートがマッサージ機かと思ってしまったぐらいでした(笑)。音も静かながら、パワーモードにした時の“ヒュイーン”という加速音は本当に気持ち良かったです。こういう未来的な部分は、女性でも楽しんでくれるでしょう。
近藤 床下のバッテリーも防音効果を高める構造にしたり、フロントガラスもアコースティックガラスを採用するなど、静粛性にはとことんこだわっているなと思いました。運転する楽しさだけではなく、助手席も快適な乗り心地を楽しめそうなクルマですよね。
ところで安東さんは、家族で乗る『メルセデス・ベンツ Eクラス オールテレイン』、スパルタンな走行性を楽しむための『ロータス エリーゼ』、アウトドア用に『スズキ ジムニー』と、キャラクター分けが考えられた3台の愛車を乗り分けていますよね。そこに電気自動車はどうですか? さっきは『UX300e』を欲しいと思ったとおっしゃっていましたが、635万円という価格についてはどう感じます?
安東 「初めて本気で乗りたくなったレクサスかも(笑)」
近藤 「急速充電の30分は、モテるオヤジの腕の見せドコロです」

▲ モーターの回生量が選べるパドルスイッチが付いたハンドル。さらにハンドル周りのスイッチ類は、どれも直感的に操作ができる配列の工夫が見事。
▲ フラッグシップモデルの『LC500』と同じ仕様のシフトレバー。そのしっくりと手になじむ大きさと革の質感、切り替える時の小気味よい感覚は、安東氏も気に入った様子でした。
▲ シートヒーターやシートベンチレーションなど空調関連のスイッチが1カ所にまとまっているため、運転中でも安心して操作が可能。
▲ 後部座席もほど良い広さを確保。エアコンの調節やシートヒーターも独立で付いています。
▲ 『UX300e』のために開発された、空力性能を備える17インチエアロベンチレーティングアルミホイール(切削光輝+ミディアムグレーメタリック塗装)は『UX300e』“version C”に標準搭載。都会的な足元を演出してくれます。
▲ クルマの右側には普通充電ポート、左には急速充電ポートを設定。指一本で開けられるリッドには、ロックシステムやインレットを照らす照明が搭載。
▲ モーターの回生量が選べるパドルスイッチが付いたハンドル。さらにハンドル周りのスイッチ類は、どれも直感的に操作ができる配列の工夫が見事。
▲ フラッグシップモデルの『LC500』と同じ仕様のシフトレバー。そのしっくりと手になじむ大きさと革の質感、切り替える時の小気味よい感覚は、安東氏も気に入った様子でした。
▲ シートヒーターやシートベンチレーションなど空調関連のスイッチが1カ所にまとまっているため、運転中でも安心して操作が可能。
▲ 後部座席もほど良い広さを確保。エアコンの調節やシートヒーターも独立で付いています。
▲ 『UX300e』のために開発された、空力性能を備える17インチエアロベンチレーティングアルミホイール(切削光輝+ミディアムグレーメタリック塗装)は『UX300e』“version C”に標準搭載。都会的な足元を演出してくれます。
▲ クルマの右側には普通充電ポート、左には急速充電ポートを設定。指一本で開けられるリッドには、ロックシステムやインレットを照らす照明が搭載。

LEON近藤の「1週間インプレッション」
▲ ラゲージルームにはコンセント口が装備。キャンプやアウトドアでも重宝しそうだけど、景色の良いところに停めて、パソコンで仕事もできました。
▲ 充電ステーション検索機能を使用中。検索した時点でのステーションの空き状況まで表示されるという、至れり尽くせりの機能。
▲ ドライビングポジションのちょうど左手の部分にオーディオの各種操作スイッチが。こんなところもよそ見をすることなく、直感的に操作できるメリット。
▲ アプリをスマホにダウンロードしておけば、充電状況のチェックができたり、エアコンの遠隔操作が可能。乗り込む前に快適な車内温度に設定し、女性を喜ばせてあげられますよ。
▲ ラゲージルームにはコンセント口が装備。キャンプやアウトドアでも重宝しそうだけど、景色の良いところに停めて、パソコンで仕事もできました。
▲ 充電ステーション検索機能を使用中。検索した時点でのステーションの空き状況まで表示されるという、至れり尽くせりの機能。
▲ ドライビングポジションのちょうど左手の部分にオーディオの各種操作スイッチが。こんなところもよそ見をすることなく、直感的に操作できるメリット。
▲ アプリをスマホにダウンロードしておけば、充電状況のチェックができたり、エアコンの遠隔操作が可能。乗り込む前に快適な車内温度に設定し、女性を喜ばせてあげられますよ。
■ LEXUS UX300e version“L”(レクサス UX300e バージョン“L”)
Spec
全長×全幅×全高:4495×1840×1540㎜
車重:1800kg 駆動方式:FWD
モーター:交流同期電動機
最高出力:203PS(150kW)
最大トルク:300N・m(30.5kgf・m)
一充電最大走行可能距離:367km(WLTCモード)
交流電力量消費率:140Wh/km(WLTCモード)
価格:635万円(税込)~
HP/https://lexus.jp/models/ux300e/
お問い合わせ/レクサスインフォメーションデスク TEL.0800-500-5577