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2017.04.15

ミラノ・デザインウィークで注目された一歩先をいくレクサスの試みとは?!

「二律双生」をテーマにしたインスタレーションの全貌

世界的なデザインのお祭り。それは毎年4月にイタリアで開催されるミラノ・デザインウィークだ。なかでもレクサスはそれを大いに盛り立ててくれている。

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 会場になったミラノ・センピオーネ公園にあるトリエンナーレ
レクサスは高級なクルマのブランドである(ご存知ですよね)。しかし真の高級とは刺激的でなくてはならない、という欧米の“常識”のさらに上を行っているところに注目したい。

ミラノ・デザインウィークはもともとは家具の見本市が原点。いまはミラノ市街地まで含めた大きな規模に成長している。そこに貢献しているのがレクサスだ。

4月4日(火)から9日(日)にかけて開催された2017年度は、ミラノの中心部にあるトリエンナーレ・モダンアート美術館の一部を大胆に改装してしまった。
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YET(二律双生)というのが誕生いらいレクサスのクルマづくりのテーマだったという
「LEXUS YET」と名づけたインスタレーション(空間を使う作品)はいくつもの作品で構成。メインはアーティスト、ネリ・オックスマン氏によるガラスの柱だ。

高さ6メートルの天井高を利して、ギリシアの神殿のように立っている様子が観る者を圧倒した。
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報道陣を前に作品の解説をするネリ・オックスマン氏
テーマの「YET」とは英語。レクサスの解釈によると「二律双生」となる。相反するものを調和させる概念なのだそうで、クルマづくりにおいてこれで新しい価値や感動を生み出してきたという。

たとえば「自然」と「テクノロジー」。この作品は「エンシェント・イエット・モダン」(古典的でありながら最先端)と解釈されている。

「ガラスは6000年の歴史を持ち、それでいて(yet)表現としては新しいものです」。オックスマン氏はそう語った。

米MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラブ(ラボ)で准教授を努めるオックスマン氏は、ザ・メディテイテッド・マターグループなるクラフツマンや技術者からなる創作集団による創作だ。
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3Dプリンターを使いながら細い径のガラスチューブで有機的なパターンの“ブロック”を作り柱を構成した光と影が印象的なインスタレーション

ガラスは細いチューブ状にしてそれを有機的なパターンに巻いてブロックを作る。それを15個積み重ねて1本の柱に。中をLEDランプが自動で上下し、光で幻想的な波紋を投げかける。

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ミラノ・デザインウィークに自動車メーカーが出展する、その理由

ミラノ・デザインウィークにおけるレクサスの展示は題して「LEXUS YET」。相反するものを組み合わせるところから美が生まれるという。

トリエンナーレ・モダンアート美術館の会場には垂れ幕を使い、光を思わせるパターンのプロジェクションもあった。
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大きな垂れ幕に映像が映し出される幻想的な「Static Yet Dynamic」では最後にレクサスのUXコンセプトが一瞬すがたを見せる
「静的でありながら動的」というコンセプトで、静かな幕の上を光が動いていくうちにレクサス車(UXコンセプト)となり、走りだす映像的なイメージへと変化する。

毎回ゆたかなイメージをふくらませて、わたしたちを驚かせてくれるレクサス。最初に参加した2005年は石上純也氏、千住博氏、妹島和世氏のインタレーションだった。

「当時ほかの自動車メーカーはこのイベントに見向きもしていませんでした。でもこういう活動こそライフスタイルブランドをめざすレクサスにとって重要だと思い続けてきたのです」。

会場で話を聞いたレクサスインターナショナルの澤良宏プレジデントはそう語ってくれた。
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吉添裕人氏とレクサスインターナショナルの澤良宏プレジデント

さらにもうひとつ、「レクサス・デザインアワード」グランプリ発表もニュース。次世代クリエイターを育成・支援するプログラムである。多くの国から応募がある、いまや世界的なイベントだ。

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レクサス・デザインアワードの受賞作として4つのプロトタイプと8つのパネルが展示された

2017年のグランプリ受賞者は「PIXEL(ピクセル)」という「光と影の存在を認識することができる構造体」を出品した吉添裕人氏。商業施設のアートディレクションや空間デザインを手がけているひとだ。

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レクサス・デザインアワードのグランプリ受賞作は吉添裕人氏がメンターにスナーキテクチャーを迎えて制作した「PIXEL」
ブロックのように積みかさねることで壁としても使え、障子のように向こう側の光を感じさせる.逆に光をさえぎるものがあれば、その存在も認識させる。

「壁でありながら向こう側の気配を感じさせる障子はすばらしいと思っているので、それを現代的に評価しました」。会場で吉添氏はそう語ってくれた。
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「PIXEL」は障子のように反対型の光と影を見せる効果を持つ
いっぽう「“YET”というテーマのもと、創造力豊かな素晴らしいものでした」と審査員は高く評価。
デザインの可能性を広く感じさせてくれたレクサスのイベント。2017年もミラノ・デザインウィークに活気をもたらしてくれた。

※取材・文/小川フミオ

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