• TOP
  • CARS
  • ポルシェ911 カレラ4S、MINI E、レクサスLC500h、ゴルフGTI Performance。あの思い出のクルマたち。

2026.02.08

ポルシェ911 カレラ4S、MINI E、レクサスLC500h、ゴルフGTI Performance。あの思い出のクルマたち。

運転歴65年を超える自動車ジャーナリストの岡崎宏司先生が、今また乗りたいと思うクルマを回想する人気企画の第五弾。今回はポルシェ911 カレラ4Sのベルリンでの特別な試乗会の話から、実証実験車MINI E、実際に手に入れて乗っていたゴルフGTI Performanceまで登場!

BY :

文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

イラスト/溝呂木 陽

岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第275回

「もう1度乗ってみたいクルマ達!」その5

イラスト 溝呂木 陽 ポルシェ911 カレラ4S、MINI  E、レクサスLC500h、ゴルフGTI Performance。あの思い出のクルマたち。

今回の原稿は2008年にベルリンで乗った、「ポルシェ911 カレラ4S」の刺激的な思い出から始める。


テストコースは旧東ベルリンに位置する飛行場跡地。飛行場とはいっても、民間のそれではなく、元東ドイツの空軍基地趾で、試乗車は格納庫に置かれ、試乗は滑走路と誘導路を上手く組み合わせて行われた。


試乗も楽しかったが、最後に行われた参加者全員による「0~250km/h~0」の速さを競うプログラムが、とくに刺激的で楽しかった。


滑走路なので幅も広く、直線距離も当然たっぷりあるから、誰もが不安なく全開でチャレンジできる。

PAGE 2

0から発進。おおよそ250km/hに達するだろうポイントに「250km/hポスト」が立てられ、そのポストを超えた瞬間フルブレーキングして停止する。


ポルシェは、発進から停止までのタイムと、250km/hポストを通過するときの速度を計測して、一人が走る度に記録を発表した。


単純だが「とても刺激的なゲーム!」で、自分が運転しても、他者が運転しても、ドキドキするし興奮する。


そして、自分より上位の結果が出ると悔しがり、「なんとかもう一度やらせてほしい!」と懇願するドライバーもいた。


しかし、ポルシェからは、初めから「これは一本勝負です」と言われており、申し出は受け容れられない。


で、結果だが、総合タイムでも、250km/h ポスト通過時の最高速度でも、停止距離の短さでも僕が最上位。つまり完全優勝を獲得したのだ。


僕は昔から、なぜかゼロ加速が得意で、このプログラムでも自信はあった。でも、腕自慢の自動車ジャーナリストが多く参加していた中での1位は、やはり格別の嬉しさがある。

PAGE 3

その夜のディナーの席で表彰式が行われたが、この日の出来事が、最高の思い出のひとつになっているのは言うまでもない。


2011年に乗ったEV、「MINI E」の実証実験車も思い出深い。600台ほど生産され、北米に450台、ドイツに65台、英国に40台、日本には20台ほどが配車されたとされる。


そんな貴重なクルマに1週間ほど乗れる幸運を僕は与えられたのだ。有頂天だった。


外観は市販MINIと基本同じ。だが、グレーのボディのルーフは明るい黄色に塗られ、ボディサイドにも同じ黄色で大きく「MINI」のロゴとEVを意味するコンセントのマークが描き込まれていた。カッコよかった!この姿だけでも惹き込まれた。


コンパクトなクルマなのでバッテリーをどこに積むのかと思っていたら、後席をなくしてそこに積み込んだ。つまり、MINI E実証実験車は2シーターに変貌していたのだ。


この大胆さと思い切りの良さも僕は気に入った。「2シーターで結構!」「2シーターの方がカッコいいじゃない!」とさえ思った。

PAGE 4

走りも良かった。EVのいちばんの気持ちよさは、アクセルを踏み込んだときのピックアップの良さ/切れ味だが、MINI Eは期待通り。俊敏な加速レスポンス、俊敏な身のこなし、、共にワクワクさせるものだった。


MINI Eがわが家にいた1週間、僕は必死に仕事を進め、楽しく、気持ちよく、愛すべきMINI Eに乗る時間を懸命につくりだした。


正式に発売されたら「すぐ買うので、頼みます」とデーラーにも連絡を入れた。もう「のめり込むほどの気に入りよう!」」だった。


しかし、実験車はあくまでも実験車であり、市販車は、かなりの時を経過した後、知っての通りの真っ当なクルマに仕上げられた。残念だが仕方がない。


といったことで、MINI Eをわが物にする夢は果たせなかったが、2013年には、2台のMINI

がわが家のガレージに納まった。


この話は前にも書いたが、話の流れの都合上、再度書かせていただく。

PAGE 5

この時は「BMW6 クーペいいな!」と思って、家内を誘い目黒のデーラーに見に行ったのだが、帰りがけ隣のMINIデーラーに寄ったのが「事件!? の引き金」になった。


そこには、「クーパーベイズウォーター」と「クーパーS ハイゲート コンバーチブル」の2台の特別仕様車が展示されていた。


2台とも、とても粋でカッコよかった!僕もむろん惹かれたが、家内の惹かれ方は尋常ではなかった。


BMW6クーペも気に入ってはいたが、サイズの大きさがひっかかっていた。そんなところに文句なしのコンパクトさとカッコよさを併せ持ったMINIの特別仕様車が現れたのだ。


家内は、しばらくMINIを見つめた後、「ごめん!、BMWやめてMINIにしてくれると嬉しいな!」と、真剣な顔で口を開いた。


ちょっと戸惑いはしたが、僕も目の前の2台の特別仕様MINIには強く惹かれていた。なので、「それもいいな!」と、ほとんど抵抗なく家内に同意することになったのだ。

PAGE 6

特別仕様の2台のMINIは、家内が主にクーパーに、僕が主にコンバーチブルのクーパーSに乗り、遠道は辛いので、アウディQ3 クアトロ スポーツラインを加えた3台体制にした。


とても楽しく、使いやすく、快適なコンビネーションだった。今でも、写真を見たりする度に「良かったなぁ!」と思う。


2017年には、レクサスのイメージリーダーであるLC500hが、かなり長期間、わが家のガレージに滞在した。ボディカラーは明るいイエロー。大好きな色だった。


レクサスブランドの再興に当たり、イメージを牽引する役割を担ったLCだが、海外のモーターショーなどでも多くの観客を引き寄せ、雑誌等にも多くの賛辞の記事が載せられた。


デビュー以来10年近く経とうというのに、未だ、日本車でもっとも美しく、エレガントなクルマだと僕は思い続けている。


2015年、僕は75歳になり、仕事人生の大きな転機を迎えた。1964年からフル回転で続けてきた自動車ジャーナリストの仕事(とくに原稿を書く仕事)を減らし始めた。

PAGE 7

長年お世話になった出版社に迷惑がかからないよう、数年の時間をかけて、多く抱えていた連載記事を徐々に減らしていったのだ。


同時に、頻繁に出かけていた海外取材、内外メーカーから依頼される海外での種々の仕事も減らしていった。加えて、国内でも、長距離を走らなければならない遠隔地での試乗会への参加は辞退するようになった。


となると、複数台のクルマを持つ必要はなくなる。で、家内とも「1台にするなら何にする?」と真剣に相談した結論が「VW GOLF GTI」だった。2016年のことだ。


GOLF GTIは昔からずっと好きだった、7代目はとくに気に入っていた。だから結論は簡単に出た。家内共々、なんの迷いもなかった。


ボディカラーは白を選んだ。GTIが使う赤いアクセントと、純白に近い白のボディのコンビネーションが気に入ったからだ。


すでにいろいろなシチュエーションで乗っていたし、走り味も乗り味の良さもよくわかっていた。だが、愛車として日々を共にして、さらに気に入った。文句なしだった。

PAGE 8

、、ところが、ある日、VWデーラーに立ち寄った時、なんとも魅力的なブルーグレーのボディカラーを纏ったGTIが置いてあった。

「GTI Performance」と名付けられた、GTIのさらに上位モデルである。


僕がGTIを買った時すでに存在していたモデルだったのに、僕は迂闊にも見逃していた。


本国でも日本でも試乗会はなかったし(後でわかったことだが、日本VWのオールラインナップ試乗会に1台用意されていたとのことだった)目につく宣伝もなかった。なので、見逃してしまっていたのだ。


一般の人なら、そんな言い訳も許される。だが、僕は自動車ジャーナリストという肩書きを持つ、いわば「クルマのプロ」なのだから、「お前アホか!」と言われても反論のしようがない。


でも、恥を忍んで、僕はPerformanceの試乗を頼んだ。パワーの上乗せはわずかでしかなかったが、見た目を含めて、全体のバランスが大いに気に入り、すぐにオーダーした。


たしか、白のGTIを買って1年ほどしか経っていなかったと思う。

PAGE 9

GTIにはさらに強力、、それも圧倒的に強力なV6を積んだ「R32」モデルもあった。が、僕は、パワーで強引に走るより、そこそこのパワーでも、軽量で全体バランスの良いクルマが好きだった。


GTI Performanceはそんな僕の好みを、ほとんどフルにカバーしていた。すでに触れたが、赤のアクセントとブルーグレーのボディカラーの「渋派手!?」さにも強く惹かれたし、19インチのピレリ Pゼロも嬉しかった!


「このクルマには長く乗りそうだ!」と思ったし、そうしたいとも思った。、、が、僕の悪癖/アホ癖は再び繰り返されることになる。


以下は次号で、、お楽しみに!?

岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。
PAGE 10
溝呂木陽先生の水彩画カレンダー2026版

溝呂木陽先生の水彩画カレンダー2026版販売中です!

2024年に訪ねたイタリアミッリミリアやムゼオアルファロメオ、2023年のルマンクラシックなどを題材に鉛筆と水彩画で描いた作品がカレンダーになりました。中綴じA4サイズ、見開きA3サイズのカレンダーとなります。気になる方はネットショップへ!

こちらの記事もいかがですか?

PAGE 11

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        ポルシェ911 カレラ4S、MINI E、レクサスLC500h、ゴルフGTI Performance。あの思い出のクルマたち。 | 自動車 | LEON レオン オフィシャルWebサイト